月収70万を稼ぐ"陸サーファー"の副業術
プレジデントオンライン / 2019年4月30日 11時15分
▼夫が趣味に浪費
■浪費しているほど、起業・副業で稼げる
車にバイク、ゴルフに釣り、バンド活動、グッズのコレクション――世の男性に、お金のかかる趣味にはまる人は少なくない。しかし、趣味を愛する男たちの前には、家計を握る“妻”という、大きな壁が立ちはだかる。妻にキレられて、泣く泣く趣味を断念した人もいるだろう。反対に、ファッションブランドを買い漁ったり、旅行に飛び回ったりと、夫のことを責められない妻もいる。
人生を豊かにするはずの趣味が、夫婦の不仲の原因になるのはしのびない。だが、ちょっと待ってほしい。趣味起業コンサルタントの戸田充広さんは、「趣味を生かして、起業すればいいんです。今の仕事を続けながらの副業でもいい。実益を兼ねた趣味にしてしまえば、お金がかかるどころか、大きな収入源になることもあります。夫婦円満で、お互いに趣味を続けることができますよ」と提案する。
戸田さんは、「趣味起業」が成功しやすい3つの理由を挙げる。
「1つめは仕事が楽しいこと。趣味だから当然ですが、モチベーションをキープできることが、起業では重要なんですね。2つめはお客さまの気持ちがわかること。同じ趣味の人が相手なら親身になれるし、きめ細かいニーズにも対応できます。3つめは創意工夫ができること。趣味にはまっている人は、自分なりの得意芸を持っていることが多いんですが、それを生かせば、商品やサービスの差別化のポイントにもつながるわけです」
ひと口に趣味といっても、千差万別で幅広い。なかには、「マニアックな趣味でもよいのか?」と、不安を感じる人もいるだろう。ところが、戸田さんは、「間口の狭い趣味のほうが、かえってディープなお客さまが集まりやすいんです」と力説する。
趣味のレベルも、玄人はだしから初心者まで、人によって様々だ。「プロだっているのに、自分のレベルで起業なんて、おこがましいのでは?」と、二の足を踏む人もいるだろう。しかし、戸田さんは、「レベルは関係ありません」と断言する。
■“ぶさいくスタート”で、自信なしでも大丈夫
「プロになるまで待っていたら、いつまでたっても起業できません。素人の“ぶさいくスタート”でかまわないんです。自分と同じレベルの人もたくさんいるわけなので、その人たちをターゲットに、ニーズに合った商品やサービスを提供すればいいんですね」
例えば、ゴルフの中級者なら、初心者にありがちな失敗、中級レベルに上達するコツなどについて、集中的にレッスンする講座を開いてもいいわけだ。
「プロではないアマチュアのサーファーが、“座学”のサーフィン教室を都心の貸し会議室で始めたケースがあります。その人は会社勤めをしていて、平日は海に行けないからなんですが、自分と同じ会社帰りのサーファーのニーズをとらえ、大盛況でした。しかも、その人は骨格筋の使い方といったスポーツ生理学の理論に精通していて、それを詳しく教えるためにも、座学のほうがよかったんでしょうね」
起業する場合、スタートアップには資金も、手間も、時間もかかると思われがちだが、戸田さんは、「インターネットを活用すれば、負担を大幅に軽減できます」と助言する。
「ブログやSNSで、積極的にアピールしましょう。ブログは基本的には一方的な情報発信になりますが、コンテンツを蓄えることができ、広告宣伝に向いています。それに対して、SNSはコミュニケーションを緊密に取ることになりますが、それだけに相手との距離感が縮まるので、ファンづくり、固定客づくりに適しています。できれば、ブログとSNSの両方を使い、相乗効果を狙うといいでしょう」
場合によってはブログ単独の運営でなく、タイムチケットやメルカリなどのプラットフォームサービスに“出品”したほうが、集客しやすいこともある。
とはいえ、魅力的なコンテンツをつくるのは簡単ではない。「ブログやSNSに書き込むのは苦痛」という人も多いだろう。そこで、戸田さんに、次のような秘訣を伝授してもらった。
■お客さまの立場に立って情報を発信すること
「文章を書くのが不得手なら、画像や動画をアップするのも手です。ハンドメイドの商品なら、画像でビジュアルに訴えると効果があるし、料理の作り方やスポーツのやり方も、動画のほうが伝わるかもしれません。一番大事なことは、お客さまの立場に立って情報を発信すること。自分だったら、どんなブログやSNSに関心を持つかということをよく考えましょう」
タイトルなら、商品やサービスのキモを盛り込むようにする。記事なら短めに、断続的に発信するといい。「ブログの記事なら、1スクロールで読み切れるくらいの長さがいいでしょう」。また、ブログやSNSで質問したり、意見を募集したりすると、読み手の反応を喚起しやすいという。
自分の持っているノウハウも、「出し惜しみせずに公開したほうがいいでしょう」というのが、戸田さんの考え。
「そのほうが、お客さまは『この人は親切で、信用できそう』と受け止めるんですね。料理の作り方にしても、スポーツのやり方にしても、個別指導が必要になるので、リアルの教室に誘導可能なんです。それに、『ライバルに真似されるのではないか』といった懸念も無用。手作りの商品でも、ハウツーの教え方でも、それぞれ個性があるので、ほかの人には代替できないんです」
前述のサーファーは、70万円ほどの月収を得られるようになったことで、会社を辞めて独立したそうだ。「なかには、趣味起業で月商300万円を稼ぐ人もいます」。
戸田さんによれば、「お金のかかる趣味で起業すれば、それだけお金を使うお客さまを集めやすい」ということになる。あなたも趣味起業によって、「金食い虫」から「金のなる木」に変身し、家族の鼻を明かしてみてはいかがか。
打つべき一手:趣味のこだわりポイントをネットで発信し、ファンを集めて起業・副業する
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趣味起業コンサルタント
全日本趣味起業協会代表理事。経済産業省後援ドリームゲートアドバイザー。趣味を生かした起業・副業を専門にコンサルティングを行う。著書に『決定版! 趣味起業の教科書』ほか。
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■▼浪費家からリッチに変わるための5ステップ
(ジャーナリスト 野澤 正毅 写真=PIXTA、iStock.com)
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