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肥満遺伝子検査でダイエットは楽になるか

プレジデントオンライン / 2019年4月20日 6時15分

35歳を過ぎると食べたものがそのまま身に……いざダイエットをはじめる前に、自分のカラダがどうできているかを知るべく、噂の「肥満遺伝子検査」を実施してみた。

■こんな簡単な作業で本当にわかるの!?

食べる量は減っているのに、年を追うごとに太っていくという矛盾に悩まされる日々……。重い腰を上げてダイエットしよう! と決意したものの、ここまでたっぷり成長してしまったぜい肉を削ぎ落とすことは、そう簡単でないのはよくわかっている。

巷ではやりのさまざまなダイエットは自分のカラダに合うのか。さらに自己流でトライして、結果時間を無駄にしたくもない……。まずは自分自身にとっての正しい生活とはどういうものなのかを考えることにし、自分自身の「肥満遺伝子」を確認できるという、遺伝子検査を受けてみることにした。

肥満遺伝子検査とは、ひと言でいえば、遺伝子レベルで自分の肥満傾向がわかるため、それに基づき、必要な栄養素と、控えるべきものを知ることで日々の食生活の参考にできるというもの。

今回チャレンジしたのは、ジェネシスヘルスケア社「ジーンライフ」の遺伝子検査。WEBサイトからキットを購入し送付する方法が一般的だが、提携するエステサロンなどで申し込むことも可能。この場合、サロンで施術するボディケアの効果をよりアップさせるため、自分に合ったダイエット法(食事改善等)を知ることを目的に、併せて遺伝子検査を実施できるプランを申込むと、サロンで検査キットを受け取れるという流れだ。

ライターTは、カラダへの直接的アプローチも同時に実施したかったため、提携エステサロンで痩身コースを申し込み、コースに付帯していた肥満遺伝子検査を実施した。とはいえ、遺伝子検査自体はWEBでの購入送付のものと方法も内容も変わらない。

まずは、近々1週間の、朝・昼・晩に食べたものを専用の書類に記入。これは、普段の食事の傾向を見るためのものだという。そして、食事の記録をとった最終日の翌日に検査キットを使って採取し、食事記録書類を同梱して送付する。

採取キットといっても、使い方は驚くほど簡単。綿棒状のものを、口内(頬の内側)に3、4回擦りつけてフタをするだけだ。

■両親の遺伝子型からわかる!! 細かい解説に思わず感心

1週間ほど経ち、いよいよ肥満遺伝子検査の結果報告書が郵送で届いた。検査結果というと、健康診断結果票のように、検査項目表に小さい文字が書いてあるような地味で堅い印象の紙がくるのかと思いきや――全16ページにびっしりと書いてあるにも関わらず、なんともわかりやすい報告書類だ! 子どもでもわかるような、カラフルでシンプルなイラスト入りのもので、情報がスルスルと頭に入ってくる。

結果、何がわかったか。1つは、そもそも自分の肥満遺伝子は両親の型傾向からどのタイプかということが明確になる。この報告書では、肥満遺伝子を、りんご型/洋ナシ型/バナナ型という、体型をイメージしやすいような3つのタイプに分けて解説している。両親それぞれの遺伝子がどのタイプであるか、そこから自分の型はどれになるのか。それに加え、日々の食生活傾向からなぜ太ってしまいやすいかということがわかる。

両親から受け継いだ1セットの遺伝子のうち、両方の遺伝子に変異がないタイプをワイルド型、片方の遺伝子に変異があるタイプをヘテロ型、両方の遺伝子に変異があるタイプをホモ型というそう。

*ここでいう「変異」とはDNAを構成する物質配列の入れ違いのこと。「異常」の意味ではない。

つまり、ホモ型(両方の染色体に変異がある)に該当する型が、両親双方から受け継いだ一番強いタイプであるということになる。

結果、ライターTの場合のホモ型は、洋ナシ型に該当。つまり、両親双方が“洋ナシ型”の遺伝子を持っていたことがわかる。報告書にはそのまま、「遺伝子型ダイエットタイプは洋ナシ型」と記載されていてるからわかりやすい。

 

■具体的な指導が、やる気をアップさせてくれる

報告書類には、りんご型/洋ナシ型/バナナ型の特徴傾向が細かく書かれ、また、自分の遺伝子型と普段の食事報告から、体質の詳細、そのためにどう食事に気をつけるといいかという分析が記載されている。

例えばライターTの場合で一部抜粋すると、下記のように分析されていた。

理想の1日の摂取カロリー目安1570kcalに対し、実際の数字は1377kcalと不足している。
【タンパク質】報告時の総摂取量51.9g→理想量78.5g
【脂質】報告時の総摂取量39.4g→理想量34.9g
【糖質(炭水化物)】報告時の総摂取量188.7g→理想量235.5g
脂質の代謝が苦手。太る時はヒップ・太ももから、肉や揚げ物、クリームが好きな傾向にある……など。

好き嫌いもせずいろいろなものをたくさん食べていたので、栄養摂取量が足りていないことに驚いた(が、摂取食品数は目標数を超えていて“good!”の記載。これは素直に嬉しかった!)。そして、もっとバランスの良い食事を心がけるように、と指摘され、さらに、傾向にあるように、まさにヒップ・太ももばかりが大きく成長してしまっていたので、非常に頷ける結果となった。

 

■自分のカラダに適した食事や運動を見直すことから!

ライターTに適したダイエットは「低脂質ダイエット」とのこと。つまり、脂質を吸収しやすい体質のため、摂取時に脂質の多い食材を減らすよう気遣うことが大切ということだ。はやりの低糖質ダイエットは自分にはまったく合っていないことが判明した!

この報告書を見れば過不足が一目瞭然で、自分はどの食材を摂って、何を控えればいいかが表になっている。食材だけに留まらず食べる順番など細かく個人の食事改善ポイントを教えてもらえるうえ、併せてどんな運動が向いているか(自分の体質で脂肪燃焼しやすいか)も書かれているので、食生活だけでなく、効果的なカラダの動かし方を知ることもできる。

肥満は体重の重さで決まるのではなく、重要なのは体脂肪率。つまり、何をどれくらい摂取し、どう燃焼しているかという“内容”ですべて決まってしまうということがよくわかった。

おかげでライターTは、摂取していいもともと好きなものは食べ続け、好物だったチーズなどの乳製品は豆乳製品に代替。別の美味しいものを新しく発見することができたうえ、つらくない食生活を送ることに成功している(課題は運動量をどう増やすかだが、それは自分の意識次第だということはよくわかっている……)。

ストイックなダイエットをするわけでなくとも、食事のメニューを決める際に何が入っているかをいつも以上に見てみることや、その日の運動量を意識するだけでも、かなり生活を変えることはできるだろう。何より自分の意識に変化があったことを実感した。

■新しく何かを始める前の「遺伝子検査」は有効かも

ジーンライフが提供する遺伝子検査には、今回紹介した自分に合ったダイエット法を知るための肥満遺伝子検査だけでなく、肥満タイプ含め疾患のリスクなど約360項目を解析できる検査や、肌老化に関連する遺伝子分析で肌タイプがわかる美容意識の高い人におすすめの検査。メタボ予防に特化した検査や、速筋・遅筋の発達について遺伝的傾向を分析するスポーツマン向けの検査なども。さらに「自分らしさ」を知ることのできる自己分析遺伝子検査やミトコンドリアDNA解析で自分のルーツを辿れる検査といった、なんだかマニアックで興味深いものまで揃う。こんなに簡単な遺伝子検査で予想以上にさまざまなことがわかるようだ。

特に忙しいワーキングウーマンは、日々の生活で簡単に気をつけられることが望ましいと思うので、まずは自分自身の振り返りとして、手軽な遺伝子検査で行ってみるのも手かもしれない。

(田村 サチ)

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