お金持ちはなぜパーティーが大好きなのか
プレジデントオンライン / 2019年4月19日 11時15分
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。シンガポールでの生活の楽しみの一つにパーティーが数多くあるということが挙げられます。
私の友人には、毎日のようにパーティーに招待され、顔を出しているシンガポーリアンの「パリピ」(パーティーピープルの略)もいます。今回はアジアでのパーティー事情をお伝えしましょう。
■日本でもバブル時代はよく行われたけれど
バブル時代には日本でも、企業主催のパーティーがたくさんありました。私は新卒で外資系の金融機関に入社したのですが、毎年ホテルのボールルームでパーティーが行われ、出席していました。
今思えば、オフィスで働いている時から夕方のパーティー用のワンピースを着ていて、ちょっとマナー違反だったと感じます。なぜなら、オフィスでは派手過ぎるし、パーティーには膝丈のワンピースはカジュアル過ぎるからです。
シンガポールのセレブリティ達はその都度、TPOに合わせて適切な服に着替えます。朝はランニングのためのジムウェア、出勤時には襟付きのワンピースに革のバッグ、夜は華やかな色のロングドレスにパンプスにクラッチバッグなどです。
通勤事情を考えると、一旦帰るのは難しいですが、オフィスに置いておいたり、コインロッカーなどを利用して着替えればよいかもしれませんね。
パーティーに出席するメリットの一つは、普段は知り合えないような様々な人に一気に出会えることでしょう。実は、パーティーでたまたま出会った人達が、ビジネスの太いパイプになったということもあります。また、一流のおもてなしを受けることによって、質の高いサービスを経験することができ、それが自分のビジネスに生かされるということが挙げられます。そのため、興味があるイベントには可能な限り参加するようにしています。
■シンガポールのパーティーはゴージャス
シンガポールでのイベントはとにかくゴージャスでインスタ映えします。今まで行ったイベントの中で印象に残っているものを挙げましょう。
例えば、「映画『クレイジー・リッチ!』の世界を体感」といった案内で、かの米中首脳会談も行われた有名ホテルで開かれたパーティー。ランボルギーニクラブにも声をかけていたようで、パーティー会場にはランボルギーニが飾られ、ランボルギーニで会場に来た場合は駐車場代が優待だったようです。見たことがない数のランボルギーニが並んでいました(自動車の税金が高いシンガポールでは、ランボルギーニなどの高級車は1億円超え)。
会場には、温かいローカルフードのほか、シャンパンなどの飲み物が振る舞われます。中には結婚式の二次会のように、着席のパーティーの場合もあります。スポンサーによる宣伝が入る場合もありますが、押し付けがましくなく、お土産と一緒に資料を渡し、後日案内が来るといった流れです。
ちなみに、お土産も豪華で自社商品や、スポンサーになっている高級ブランドの化粧品、高級文房具など、女性ももらってうれしいセンスのよいものが多いです。マーケティングに結構な予算をかけられる企業が多い印象です。
「インスタ映え」する写真スポット(ブランドや企業のロゴ入りの横断幕など)もきっちり準備されていて、そこで皆が写真を撮ってインスタグラムやフェイスブックにアップします。シンガポールでは顔出しOKの人も多く、インスタグラムも日本よりオープンです。
■パーティーが頻繁に行われるのは12月
シンガポールではこうしたパーティーが特に多いのが12月です。連日連夜パーティーが行われ、1日に2つも3つもハシゴをする人も多いようです。また、イベントは通常1人もしくは複数人と一緒に参加できるので、パリピとつながっていれば参加可能です。また、フェイスブックで告知されるイベントもあるのでパーティーによっては旅行客でも参加可能です。
シンガポールは人口の少なさや狭い国土の割に、こうしたパーティーが開催される頻度が高いようです。人が集まらないことも多くて、ゲストについて参加するのも参加人数が増えるので喜ばれる場合も多いそうです。国の要人が宿泊することが多いシャングリラ・ホテル、フラトンホテルなどは、こうしたイベントでよく使われるホテルの1つです。
これに対して、日本でもファッションショーなどのイベントはよくありますが、よほどの富裕層や芸能人などでないと招待されないのではないでしょうか。やはり、人口が多く、バブル時代ほどの予算もかけられないので機会も少なくなるのでしょう。
■香港での豪華すぎるイベント
また、2018年11月に香港で行われた世界で最も有名なオークションハウス、クリスティーズのオークションに前夜祭から参加しました。
そんなクリスティーズで最大規模の香港オークションは、年2回(例年、5月と11月)ほど行われ、計6日間で会場には約5万人が来場します。オークション開催中は誰でも無料で入場することが可能なので旅行がてら雰囲気を味わうのも手でしょう。
前夜祭から参加したのですが、東洋美術史上最高額の約68億円で落札された水墨画、世界一大きなサファイアや、巨大なダイヤモンドのネックレス、超高級時計、見たことがないほど大量のエルメス・バーキンコレクション(その多くはクロコダイルなどのレア物や超高級品)のほか、ピカソやモネ、ゴッホなどの有名絵画も勢ぞろいし、圧巻の光景でした。
サザビーズやクリスティーズのオークションは、自分には関係ないと思っている人も多いですが、クリスティーズのオークションの場合は高いものばかりではなく、下は約2万円から上は数百億円まで幅広く取りそろえているようです。世界10都市で1年間に約80回以上のカテゴリーで350回以上オークションが行われ、昨年の売り上げは過去最高の7兆円だったようです。
昨年の落札記録によると、絵画で約508億円、不動産で約406億円、宝石で約80億円、時計で約20億円、バッグで約4000万円、ワインで約3000万円(1ダース)などといった記録が残っています。最近は、ヴィンテージの時計やワインなどに人気が集まっているようです。
■衣装は無理せず、パーティー参加の敷居は低い
さて、パーティーに欠かせない華やかなドレスもあちこちのモールで安く売られています。知人は日本でレンタルをして衣装を調達したのですが、海外で購入すればよかったと言っていました。国によってファッションのトレンドも異なり、シンガポールや香港などでは赤やゴールドなど華やかな色も好まれます。
装いは男性の場合、ビジネススーツ、女性の場合は膝上のワンピースを着ている人もいて、無理のない衣装で参加する人も多く、敷居は低いのです。パーティーとは言わなくても、まずはイベントから気軽に参加してみてもいいかもしれませんね。
(1級ファイナンシャル・プランニング技能士 花輪 陽子 写真=iStock.com)
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