"若返りホルモン"が出やすくなる習慣とは

プレジデントオンライン / 2019年5月2日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/PRImageFactory)

いよいよ夏のはじまりの「立夏」。緑まばゆく、すべてが活発に動く季節とは裏腹に、心身の不調を訴える人が多くなるのもこの時期の特徴。その不調の原因と、養生法を教えます。

■動植物が成長し輝き出すのと同じく、カラダの内部も活発に

5月6日~5月21日は立夏(りっか)です。立夏とは、新緑がまぶしく、五月晴れが続くさわやかな季節です。この季節には端午(たんご)の節句があり、鯉のぼりを上げたり、柏餅を食べたりする風習があります。柏の木は新芽が出るまで葉が落ちないことから、家系が絶えない縁起が良いものとされています。田んぼにも水が入り、カエルなどの動物たちも動きはじめる時期です。

一方、この季節は動物や植物が輝きはじめるのと同じように、カラダの内部も動きはじめます。ホルモンが活発に分泌されるぶんカラダは疲れますし、ホルモンの分泌が悪いと逆に体調をくずしやすくなってしまいます。そのため、食事のバランスをとるなど、規則正しい生活が重要となります。

立夏は、新緑まぶしく、まさに成長の初期段階。季節のはじまりの初候には、田んぼの水辺でカエルが鳴き始めるとともに、フジが咲き乱れ、ニンジンや金目鯛が旬を迎えます。端午の節句では、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る風習がありますが、菖蒲の茎には保温や血行促進の効果があるので、立夏とはいえまだ冷えやすいカラダを温めるための風習といえます。

季節が進む次項では、ミミズが土の中から出てきたり、ホオジロの鳴き声が聞こえたり、イチゴやイサキが旬を迎えます。

終わりである末候にはタケノコが芽を出し、ボタンの花が咲き、アサリが旬を迎えます。この時期になると田んぼに水を張り、苗を植える準備をはじめることになり、いよいよ夏が深まっていきます。

■皮膚トラブル、動悸・不整脈、めまいに注意を!

立夏は夏のはじまりであり、紫外線がとても強くなります。この時期の肌はとても弱く、皮膚が弱い人は皮膚のトラブルを起こしやすくなることから、UVケアはもちろん、保湿剤や乳液を塗るなどの肌を乾燥させないよう対策をとりましょう。端午の節句に入る菖蒲湯は、保温・保湿効果があることから、まさに紫外線対策としても有効です。

また、新芽が芽吹くようにカラダの内部も活発に動き始め、ホルモンのバランスが乱れやすくなる時期です。とくに若返りホルモンとして知られる成長ホルモンは、就寝から2時間経過するころから分泌されはじめ、夜中の3時ごろにピークを迎えるため、遅くても深夜0時までには寝るようにして、カラダの新陳代謝を高めましょう。

立夏には、心臓の動きも活発となり、動悸や不整脈が起こりやすい時期でもあります。そのため、疲れやすく、めまいやふらつき、物忘れが多くなります。

その一方、気候が良くなり、周りの人が活発に動き始めることから、自分だけがついていけないことに焦りを感じてしまう人も。「頑張らなければ」思うほど、かえってカラダも、ココロも疲れさせてしまうので、この時期は焦らず、心身を落ち着けることが大切です。

■ホルモン安定には、生活習慣改善で十分な睡眠を確保しよう

「カラダとココロの養生法」

この季節は、生活のリズムを整えて、規則正しい生活を行うことが大切です。なぜなら、各種ホルモンの分泌は生活習慣と大きく関係しているからです。例えば、幸せホルモンとして有名なセロトニンは気分を安定化してくれますが、豆類などに含まれるトリプトファンが合成原料であり、日光に当たらないと合成することができません。睡眠ホルモンであるメラトニンは、セロトニンから合成されますが、光が抑制されないと合成できません。そのため、夜遅くまでスマホやパソコンを使用していると睡眠ホルモンが合成されないのです。また、成長ホルモンは就寝後2時間前後で分泌され、夜中の3時にピークを迎えること、ストレスに打ち勝つ副腎皮質ホルモンは起床の直前である、朝方に高まってくることから、眠りに入る時間がとても重要なのです。

このように、カラダの成長・修復は各種のホルモンにより行われるため、ホルモンが分泌されやすい生活リズムをつくることが大切なのです。

「食養生」

この季節に効果的な食材は赤色の食材。例えば「クコの実」は畑のルビーとも呼ばれ、栄養価も高く、元気が出やすい食材です。また、トマトは酸性でカラダを冷やす作用があることから、暑い夏にぴったりな食材なのです。

なお、赤色の色素であるリコピンは抗酸化力が強く、ベータカロテンの2倍の効果があることが知られています。そのため、シミやソバカス、シワなどの改善や若返りにも効果的です。

「お勧めのツボ」

この時期にお勧めのツボは、神門(しんもん)です。神門は手首の横ジワの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボで、精神的な緊張を緩め、イライラなどのストレスを治めてくれる役割があります。また、心臓を落ち着ける作用があるツボでもあります。

神門をイタ気持ちいい程度に5秒圧迫し、3秒離すという刺激を、左右10回程度行いましょう。自律神経が整っている人は押しても痛くはないので、痛い人や押して気持ちがいいと感じる人は、自律神経が乱れ、心臓に負担がかかっているのかもしれません。自律神経のバロメータとして、一日何回か押して確認することが大切です。

■立夏の時期に多い「ホルモン異常」の対処法

「タイプ別・ホルモン異常の原因」

カラダの内部が活発に動き成長するためには、各種ホルモンが必要となり、ホルモン分泌はこの時期とくに活発になります。ホルモンはある程度一定に分泌はされますが、分泌しやすくなる状態があるので、極力その状態をつくるように心がけましょう。

とくに、一生懸命頑張りすぎている頑張り屋さんタイプの人は、リラックスができないため、カラダは硬く、ゆっくり休めません。まずは、心を落ち着かせ、全身の力を抜き、カラダのスイッチをOFFにしましょう。

生活リズムが乱れることによっておこる生活習慣タイプの人は、生活リズムが悪く、ホルモンが分泌されやすい状態ではありません。そのため、生活習慣を見つめ直す必要があります。

最後に年齢による加齢タイプは、成長ホルモンを分泌させてくれる筋肉量が低下しているため、筋肉を鍛えて刺激し、成長ホルモンの分泌を促すようにしましょう。

なお、自分のカラダのタイプに関しては、カラダの状態を入れるだけで簡単にわかる無料アプリYOMOGIを利用すると便利です。

「タイプ別・ホルモン異常の対処法」

頑張り屋さんタイプの人は、カラダが硬くなりリラックスできていない可能性が。アロマを活用してリラックスし、深い睡眠を心がけましょう。とくにラベンダー系の精油は、ストレスや筋緊張を取り除き、リラックスさせてくれます。また、ローズ系の精油は血行促進を促し、カラダを温めてくれる作用があり、同時に沈んだ気持ちを和らげてくれます。

生活習慣タイプの人は、生活リズムが悪いことが原因。とくに睡眠はホルモンの分泌に大きな影響を与えることから、睡眠時間に注意することが大切です。23時にはベッドに入り、0時までには眠りましょう。そのためには、睡眠前のルーティンが大切。ベッドに入る1〜2時間前にお風呂に入り、体温を一過性に上げ、その後ストレッチなどを軽く行いましょう。すると上がった体温が下がり、深い眠りへと導きます。

加齢タイプの人は、筋肉を刺激しましょう。とくに伸張性収縮運動といわれる、収縮した筋肉が引き延ばされる運動が効果的。具体的には、階段や坂道の“下り”の運動です。下りの運動は一見ラクそうに見えますが、筋肉にとってはかなり強い負荷がかかり、筋肉の成長を促すのには、とても効果的です。もし階段がない場合は、踏み台昇降でも構いません。意識的に1日何回かは“下り”を意識的に行ってみましょう。

階段や昇降台で上り下りをする。

立夏は、夏のはじまりで、植物も動物も、そして人間も活発に動きはじめる時期です。そのため、カラダを動かすための各種ホルモンが必要となり、そのホルモンの分泌が少ないと、疲れたり不調が現れたりしてしまいます。ホルモンが分泌されやすい状態を意識的につくり出し、生活を整えることが大切です。

夏が進むにつれて、カラダへの負担が大きくなります。夏のはじまりのうちにカラダをつくることが、1年の健康を決めるといっても過言でないことから、しっかりと生活習慣を整えることが最重要となります。

「穀雨」の特徴

●心身の症状
カラダ:紫外線トラブル、ホルモン異常、疲れ、物忘れ
ココロ:頑張りたくても頑張れないジレンマ

●季節に多い症状
不安感、ホルモン異常

●心身の養生法
ストレッチ、リズム歩行

●食養生に効く食材
赤い色の食べ物(トマト・クコの実)

●ツボ
神門(しんもん)

(明治国際医療大学大学院/養生学寄付講座教授 伊藤 和憲 写真=iStock.com)

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