怒りの感情をポジティブに変えるコツ
プレジデントオンライン / 2019年5月3日 11時15分
■「いつもうまくいかない」にはワケがある!
仕事上の予期せぬトラブル、上司とのコミュニケーションのズレ、満員電車での小さなイライラ。毎日忙しくしていれば、ちょっとのストレスなんて誰にだってあるもの。けれど、このストレスを当然のこととして、自分にガマンばかりさせていると、いつしか小さなイライラは増幅し、蓄積してしまいます。
さらに、それを放置することで、ダメージはジワジワと広がり、いつの間にか「沸点に到達して怒りを噴出させなければ、本音を言えない性格」ができ上がっていたりするものです。
ストレスが積み重なれば当然、人間関係もギクシャクするし、仕事にも影響がでる。帰宅してからもイヤなことが頭から離れず、ちゃんと寝たはずなのに朝がだるい……。みなさんにも少なからず、似たような経験があるのでは?
けれど、誰かのためにガマンしているという被害意識の下、勝手に限界を迎えて感情的に本音を言うのでは、いくら正しいことでも相手に伝わりにくいですし、なにより自分自身が苦しいですよね。
そもそもイライラした気持ちを相手にそのままぶつけるのは、エレガントな大人がする行動とはいえず、マナーに反しています。
では、どうすればストレスを溜めずに、自分も他人も心地よい仕事の進め方ができるのでしょうか?
■まずはやるべき意外なこと
「つらくても弱音を吐いてはいけない」「人生は修行だ」などと、苦労=美学のような側面のある教育を受けてきたわれわれは、どうもツラいことをガマンするのが当たり前のような風潮にありますが、結果的にどうするかは別としても、エチケットを守るうえでまず大切なのは、自分の気持ちを受け入れること。
なんだか遠回りのように感じるかもしれませんが、これがとっても重要。日ごろ仕事に邁進している表の自分から見たら、どんなに不届きで怠惰な本音だと思えても、まずはイライラやモヤモヤが存在することを認めてあげましょう。
この“認める”という行為だけでも実は、ストレスはだいぶ減るんです。ネガティブな感情は、つい考えないようにして忘れようとしがちですが、実は逆効果。かき消そうとすればするほど増幅し、認めれば消滅するようにできているのです。それができたら、今度は相手の立場に立ってみる。
あなたが前日から引きずっている怒りをいきなりぶつけられたら、相手はどう思うでしょう? 気づいていないことをいきなり感情的に指摘されたら?
当然ながら、自分と他人は、まったくもって別の思考の持ち主。どんなことでも第一に相手を尊重する気持ちは忘れずに、どうすれば大切な仕事仲間に自分の意図が伝わるか、どんな言葉が適切かを丁寧に吟味する必要がありますよね。それが本物のマナーなのです。
では次に、それを実践するためのコツをお伝えしましょう。
■ストレスを溜めず、即フラットな状態に戻るには
そもそもイライラやストレスを継続させないために、私たち大人は「自分で自分の機嫌をとる」ことがもっとも重要! 「私の機嫌を直して」とパートナーや友人に期待するのではなく、自分ですべての責任を持つことが、素敵な大人が自分に対して守るべきマナーなのです。
機嫌をとるといっても、大それたことでなくてかまいません。仕事帰りにお気に入りのカフェに立ち寄ってみたり、時間がなければ、いつものバスタイムに、ちょっと贅沢な入浴剤を使ってみるだけでもいい。
そう、大人なら、誰かに何とかしてもらうのではなく、自分で自分のすべてを引き受ける覚悟と余裕が必要なのです。それでも怒りが収まらない場合は、相手に伝える前にひと呼吸おいてみましょう。無言の時間ができたって、必死に取りつくろう必要はありません。乱暴な言葉で不本意に気持ちを伝えるよりは、完璧でなくてもいいから、相手の立場を思いやる伝え方が必要です。なかでも動作、口調ともに少しだけスローダウンしてみるのは効果的。
「言いにくいことほどエレガントに」が、大人のマナーの基本なのです。
(執筆家 乙部 アン 写真=iStock.com)
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