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富裕層に共通する「重要人物」との会い方

プレジデントオンライン / 2019年6月7日 9時15分

執事 新井直之氏

■執事は見た! 必ず会えるアポ取り

私の記事をお読みくださいまして、誠にありがとうございます。執事の新井直之と申します。

私は「大富豪」と呼ばれる超一流の方たちを専門に執事サービスを提供しています。執事サービスとはご依頼主に代わり、日常生活のお世話からビジネスのお手伝いまであらゆるご要望にお応えする仕事です。私どもの顧客は、保有資産50億円以上、年収5億円以上という富裕層の中でもトップクラスの方々が中心です。彼らには多くの共通点があり、ビジネスパーソンの方々が学べることも多いと実感しています。

たとえば、アポイントメントの取り方。初めての営業をかけたり、重要人物に面会を求めるとき、大富豪の方たちは相手の迷惑にならないよう十分に配慮されます。いきなり電話をかけることはありません。依頼やお願いは手紙が基本。最低でもメールです。手紙は手間がかかりますが、そのぶん相手に特別感を与えられ、非常に効果的です。文字数は多すぎず少なすぎず、便箋1枚(A4用紙1枚)程度に収めます。

文面には、その方になぜ会いたいのかという明確な理由を記します。その際に気をつけるのは、相手が自分と会うことでどんなメリットがあるのかを押しつけがましくなく、謙遜して説明することです。加えて、その企業や経営者のことを念入りに調べ、それにも触れて熱意を示します。これは実際の面会のときにも大事になりますので、企業情報や経営トップのインタビュー記事などをできるかぎりチェックしておきます。

手紙の最後には念のため、後日アポイントメントのお電話をさせていただく旨をつけ加えます。電話をかける前にご連絡をいただけることもありますが、こない場合は1週間後くらい、手紙が読まれた頃合いを見はからって電話をします。よほど忙しい方や超大物経営者という例外を除き、会ってもらえるはずです。

面会に臨むにあたっては、手紙のとき以上に入念に調査をします。最近の経営者はSNSで情報発信していることも多いので、それらにも目を通しておきます。さらに、訪問予定の企業に出かけ、立地や会社の雰囲気、従業員の様子などを確かめます。商品やサービスを実際に使ってみたり、飲食店経営をしているのであれば、食事するなどの体験をしておきます。大富豪はこの事前準備にエネルギーの8割を費やします。

■長い関係を結ぶ裏技テクニック

初対面の印象は「7秒」で決まるとも言われます。そこで大切になるのが、身なりです。服装選びには万全を期しましょう。男性の場合は図で示した点にご注意ください。

初対面では、具体的な商談の話はあまりしないほうが得策です。挨拶が終わるや否や、営業トーク全開でこられたら相手は辟易します。超一流の方たちも最初は雑談から入ります。話題は天気や最近のニュースでもいいのですが、彼らは意外なことに子どもの頃の話を持ち出します。ビジネスの将来ビジョンなど未来の話ではなく、過去の話をする。出身地や育った環境、好きだった遊びなど。その理由は単純に興味があるということもありますが、そうした話をすることで親近感がわき、初対面でも距離が縮まりやすくなるからです。超一流の人は相手がビジネスをするうえで信頼できる人間かどうかを最重視しますので、そうした会話を通じて相手の人柄、人間性などを見極めているのです。

長期的な信頼関係を築くためには、相手と定期的に接点を持つことが不可欠です。とはいえ、特段の理由もなく、毎回「近くに寄りましたもので……」という理由では会い続けるのは難しい。そんなときに役立つのが、それまでの会話です。相手の困り事や探しものをそれとなく聞き出しておき、日頃からアンテナを張って役立ちそうな情報を得ておく。自分のビジネスとは直接関係がなくてもいいのです。「そういえばこの間、○○のお医者さんを探しているとおっしゃっていましたが、知人にその分野の先生を紹介いただいたので、お話しにうかがってもいいですか」などと話を持っていく。相手の困っていることを気にかけていると、無意識に探し続けるものです。雑誌などを読んで、「これだ!」とピンときたりすることはよくあります。

「宿題」をもらうというのも1つのテクニック。商談で相手に質問されたとき、その場で答えられたとしても、あえて「申し訳ございません。詳しいことは今はわかりませんので、次回の宿題にさせていただけませんか」と言って、次につなげるのです。

そのほか、裏技的なテクニックとして、偶然を装うという手もあります。相手との関係をより深めたい場合など、その人がよく利用するレストランで自分も食事をしたり、行きつけのバーで飲んだりする。通っているスポーツジムに入会するのもいいと思います。情報は会話の中や、相手の方がSNSにアップした写真などを手がかりにしてもいい。無駄足になることもありますが、何度か顔を出せば意外と会えるものです。「あ、○○さんもいらっしゃったんですか!」と声をかけられます。

■超一流は、接待後60分以内にお礼のメール

ビジネスでの接待についても、超一流の方々から学べることがあります。超一流の方たちは、接待をうけたとき、お礼を欠かしません。特に超一流の方たちは、接待後60分以内にお礼のメールを送ります。早ければ早いほどよい。なぜなら、接待した側は不安を抱えているからです。「今日の接待は大丈夫だったかな、満足してもらえただろうか」と。そういうときに「本当においしかったです。ありがとうございました」とひと言でも連絡が届けば安心します。

今回ご紹介した大富豪の方たちの振る舞いや行動はさほど難しいものではないと思います。ぜひ取り入れて実践してみてください。

Q:仕事のパートナーを組みたい人がいたらどうする?
A:行きつけのレストランやジムに通い偶然を装って挨拶

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新井直之(あらい・なおゆき)
執事
日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長。自らも執事として大富豪を担当するかたわら、企業向けにコンサル業務、講演などを行う。著書に『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』など多数。

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(執事 新井 直之 構成=田之上 信 撮影=石橋素幸)

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