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企画への"ダメだし"がそのままビジネスに

プレジデントオンライン / 2019年6月8日 6時15分

「ニューヨーク」と名付けられた会議室にて。会社ではカジュアルな服装。

■ビジネスへのダメ出し、この1時間がほしかった!

ビザスクCEO 端羽英子(はしば・えいこ)さん

東京大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券などを経て、アメリカの名門マサチューセッツ工科大学でMBAを取得、と輝かしい経歴に彩られた端羽英子さん。日本に帰国後は、ファンド会社に就職し、5年働いた後に現在のビザスクを起業した。

「ECサービス事業を考えていたのですが、アドバイスがほしくて、同様にEC事業を立ち上げた方をご紹介いただいたのです。そうしたら1時間こってりダメ出しをされました。でも当事者ならではの意見の連続にお金を払ってでも、もっと早く聞きたかったと思って。その経験から、モノを売るのではなく、仕事をしてきた中で培ってきた知見、専門性、知識そのものが価値になる、それを求めている人とマッチングさせるサービスでいこう!と考えました」

自身の実体験から1時間の「スポットコンサルティング」のマッチングを始めた端羽さん。起業当初、フルタイムで働いていたのは彼女だけでかなり大変だったが、2013年に経済産業省の事業の1つに採択されたことをきっかけに、徐々に経営は軌道に乗っていった。

起業時に使っていたMac。「それまでWindowsのPCでしたが、初めてのMacにワクワクしました」

「最初は、私のように子育て中の女性も空いた時間で知見を活用してくれるといいと思っていましたが、実際には登録アドバイザーのほとんどが男性。中心は35~45歳の働き盛りの会社員。自分が持っている知見の市場価値を知りたいという気持ちも登録動機の大きな要素になっています。女性もそうあってほしいですね」

ビザスクではアドバイザーへのQ&Aを繰り返すことで、自分でも気づいていなかった強みや専門性が顕在化する。そのキーワードがデータベースに蓄積されることでオンライン上でより効果的に探すことができる。それゆえマッチングが成立する可能性も高くなるというわけだ。また、報酬は受け取らずにNPOなどに寄付することもできる。月によってバラつきはあるが、思ったより寄付する人が多いという。

順調に業績は伸びているが、端羽さんはやりたいことの1%ぐらいしか達成していないと分析する。

「毎日学びがある中で、ゴールがよりクリアに、より遠くに、より大きくなるので常に1%。例えばアドバイザーから『自分の知見を提供して、相手の方から感謝されると、明日からの本業も頑張ろうと思えるようになりました』と言われると、さらに知見の価値を広められるようなサービスを考えたいと思います」

■40歳になった今、穏やかな性格を目指す

ビザスクの“6つのバリュー”の1つに「初めから世界を見よう」がある。そして会社のビジョンは「世界中の知見をつなぐ」というものだ。社内のミーティングルームにもそれぞれニューヨーク、ロンドン、香港など世界の国や都市の名前が付けられている。

会社のオープンスペースで仕事をすることも。社内は木の温もりにあふれ、忙しい中でも心がホッとする。

「日本の会社がグローバルに強い、日本の知見がグローバルで求められる、そういったことに役立てるような会社でありたいと思っています」

この一年で26カ国のアドバイザーと日本の企業とをつないだ実績がある。マッチングの成立数はアメリカが圧倒的に多いが、パラグアイ、ミャンマー、イラクといった国などでも。

「あれもやリたい、これもやりたい」と、アグレッシブに仕事をしている端羽さんだが、40歳になったのを機に、「穏やかな性格になりたいんです(笑)」。30代は自分が前に出ることが多かったが、40代からは若い世代がもっと活躍できる仕組みを考えたいという。端羽さんの“満足度1%”はまだ続きそうだ。

【趣味】
茶道。たまに自分で着付けもする。
【尊敬する人】
DeNA代表取締役会長の南場智子さん。
【美容と健康のためにやっていること】
週1回のランとマッサージ。
【好きな本】
『シェア〈共有〉からビジネスを生み出す新戦略』レイチェル・ボッツマンほか共著/NHK出版

(東野 りか 撮影=キッチンミノル)

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