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別居後も元サヤに戻る夫婦"3つの共通点"

プレジデントオンライン / 2019年5月31日 9時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/RyanKing999)

別居後に夫婦関係を修復できた夫婦と、そのまま離婚してしまう夫婦は、どこが違うのか。夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は「これまで見てきた事例では、別居が半年以内の夫婦の場合、半数は『関係の修復』を選んでいる」という。実際のエピソードとともに解説しよう――。

■離婚まで「半年」かけた2人の未来は明るい

コミュニケーション不足が慢性的になると、多くの場合、夫婦はやがて危機的状況を迎えることになる。ただし、だからといってすぐに離婚を選択する夫婦は少ない。たとえパートナーから「別れてほしい」と切り出された場合でも、「はい、わかりました」と応える人はごく少数派だろう。

言うまでもなく離婚は、誰にとっても人生の大きな節目になる出来事。だからこそ、即決は禁物。たとえ夫婦どちらかの意志が固く、関係修復の可能性が限りなくゼロに近い場合でも、離婚という結論を出すまでにはある程度、時間の猶予を持たせることが望ましい。のちに「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、落ち着いて考えるために時間をつくる必要があるのだ。

経験上、離婚までに夫婦が互いに努力するための時間の目安は「半年」。半年間というリミットのなかで、お互いが今より幸せになれる方法についてベストを尽くして模索すること。それにより、その後「離婚」か「修復」のどちらかを選択することになっても後悔せず、前向きに生きていくケースが多い。

■別居が半年以内なら「元サヤ」の可能性あり

「夫婦でとことん話し合う」「夫婦でカウンセリングに通う」など半年間にすべき夫婦の行動はいろいろあるが、最もインパクトの大きい行動としては「別居」もある。別居とは、文字通り夫婦が別の家で生活をすることだ。

実は、この別居の期間についても「半年」は重要なキーワードになる。具体的には、別居の期間が半年間ならその夫婦は修復の可能性があるが、半年間より長くなるにつれ修復の可能性は低くなっていく傾向がある。これまでの経験では、半年以内の期間で別居を経験した危機的状況下にある夫婦の50%は、その後修復を選択している。つまり、離婚の危機がすぐそこに迫っている夫婦が別居した場合であっても、別居期間を半年以内にすれば「元サヤ」に戻れる可能性がある、ということになる。

実際にあったケースを参考に考えてみたい。

■【ケース1】SNSで不倫バレ「別れるまでは家に戻らない」

夫婦が別居をしたきっかけは、夫の浮気が発覚したこと。夫は妻に自分のSNSのアカウントを知られていることに気づかないまま、プライベートの画像を続々とアップしていたところ、あるとき「久々の合コン。超盛り上がった~」というコメントとともに複数の男女が楽し気に集う画像を妻が発見。つながりをたどっていったところ、そのなかのひとりの女性と親密な関係になっている様子が見てとれたという。

決定的だったのは、クリスマスの夜。妻が家で子供と夕食を食べようと提案したところ「残業があるから」と夫が拒否したのだ。

その日の夫のSNSには「表参道のフレンチでクリスマスディナー。忘れられない夜になった」と2つのシャンパングラスの画像が。さらに相手の女性のSNSにも、同じアングルの写真がアップされていた。

「相手の女性と別れるまで家には戻らない」と妻が出て行きスタートした別居だが、別居後も妻は毎日のようにかわいい盛りの子供の成長ぶりを撮影して夫の携帯に毎日のように送った。

すると、3カ月目になって「こんなにかわいい子供がいるのに別れるなんてできない。相手の女性とは別れるから、やり直してほしい」と、夫のほうから夫婦関係の修復を申し入れたのだった。

■【ケース2】育児をしない夫に愛想を尽かし、実家へ戻った妻

「世の中のイクメンブームが別居のきっかけ」と話す妻は、イクメンとはほど遠く、家事も育児も妻に任せきりの夫に愛想を尽かし、実家に戻ったという。平日は仕事を言い訳に家事や育児を妻に任せ、休日に協力を再三頼んでも「たまにはゆっくり寝ていたい」「疲れているから」となかなか動こうとしなかった夫。

「ママ友たちの夫はみんなイクメンなのに、なぜウチの夫は何もしてくれないんだろう」「なぜ、こんな夫と結婚してしまったんだろう」と、妻には結婚したことを後悔する気持ちが募っていった。

一方、妻の実家は娘が子供を連れて帰ってくることに好意的で、「孫の世話は私たちが全面的に引き受けるから心配しなくていい」と家事と育児に強力なバックアップ体制を約束してくれていた。

「仕事が忙しいのはわかるけれど、これ以上私と子供のことを大切にしてくれる気持ちがないなら、実家に戻ります」と別居して2年。「夫と別居後、両親と娘だけでなく、私自身も満足した生活を送れるようになった。最近就活を始めたが、仕事が見つかったら経済的にも安定することもあり、夫とは本格的に離婚の話を進めようと思っている」という。

■別居を始めるときは「期間を設定する」

危機を迎えた夫婦が別居をする目的は2つある。ひとつは、「結婚生活をやり直すため」。もうひとつは、「離婚の準備を進めるための冷却期間」。いずれの場合も半年以内であれば、お互いに傷は浅い状態での関係修復、あるいは努力の末の離婚の話し合いができるので、納得のいく結果がもたらされる可能性が高くなる。

ただし、もしも「結婚生活をやり直すための別居」の場合、「半年以内」という目安があっても、できるだけ早いタイミングで自宅に戻るほうが「元サヤ」に収まりやすい。別居が長引くと、相手の気持ちも離れやすくなり、出ていったほうも戻りにくくなるものだからだ。

そのほかにも別居をする際には次のようなポイントがある。

Point1 自宅から近い場所を選ぶ

自宅から離れている場所に別居先を構えると、物理的に相手と顔を合わせ、話し合う機会が少なくなるのは当然のこと。もしも子供がいる場合、子供の幼稚園や学校の問題なども出てくるケースもある。とくに夫婦関係の修復を望む場合、自宅から近い場所を選ぶのがベター。

Point2 初めに期間を限定する

別居を始める際、期間を限定しておくと強制的な締め切りができるため、お互いが今後のことを考える時間を持ちやすくなる。

具体的には「お盆の休暇まで」「年末まで」「次の結婚記念日まで」「子供が夏休みの間だけ」「子供が幼稚園を卒園するまで」というように、相手の印象に残りやすく、なおかつなるべく家族全員の負担が少なくなるような設定にしたい。

Point3 別居中はなるべく連絡をとる

別居したからといって、相手と疎遠になるのは間違いのもと。「少しゆっくり考えたいから、もう少し時間がほしい」「元気でやっているか心配だけれど、お互いのために今は距離をおこう」といった形で、さりげなくフォローを入れておくことが大事だ。

こうした細やかなフォローがあることで、それ以上夫婦の関係がこじれることなく、その後の話し合いもスムーズに進められるようになる。

■借金、浮気、DVがあれば「公正証書」を

ほかにも、パートナーの借金や浮気、DVといったことが原因で別居を決めた場合、単に別居をするだけでなく、公正証書を作っておくことも大事なポイントになる。

公正証書とは、一般的には金銭的なトラブルを未然に防ぐため、当事者同士が公証役場に出向き、合意した内容を公証人に書面として作成してもらうことを指す。「パートナーの問題行動についてきちんと取り決めを行った内容を、夫婦間で正式な文書として残す」という意味で、別居をスタートさせるタイミングで作成することも可能だ。

別居したのち「元サヤ」に収まった場合、同じようなトラブルが起こっても公正証書があれば、以前と同じ状態になるリスクは避けられるはず。もしも公正証書を作ることを相手に持ち掛けて拒まれた場合、相手が夫婦関係を改善し、修復しようと考える意思があるかどうかを見極めるバロメーターにもなるだろう。

「元サヤ」に収まる方向での別居と、離婚をスムーズに進めるための別居。同じ別居をするにしても、「半年間」という目安が大切になることを覚えておこう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家
NPO日本家族問題相談連盟理事長。株式会社カラットクラブ代表取締役立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに25年間、3万件以上の相談を受ける。『最新 離婚の準備・手続きと進め方のすべて』(日本文芸社)『再婚で幸せになった人たちから学ぶ37のこと』(ごきげんビジネス出版)など著書多数。

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(夫婦問題研究家 岡野 あつこ 写真=iStock.com)

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