"1万円札に渋沢栄一"の驚くべき経済効果
プレジデントオンライン / 2019年6月23日 11時15分
■6.4兆円の経済効果
新元号が「令和」に決まって間もない2019年4月9日、2024年度上期をめどに紙幣のデザインが一新されることが発表された。1万円札には渋沢栄一、5000円札には津田梅子、1000円札には北里柴三郎の肖像が採用される。併せて、21年度上期をめどに500円硬貨の素材や製造方法も改められる。5年も先の話を新元号決定直後に発表したことに関して、麻生太郎副総理兼財務相は「たまたま重なっただけ」と回答。だが、何らかの思惑があるのではないかとの疑念も囁かれている。実際、発表直後から株式市場で両替機器メーカーの株価が急騰したように、相応の経済効果も期待できるようだ。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は指摘する。
「新札発行やATMの改修・買い替え、自動販売機の改良などといった直接波及額として1.6兆円、関連分野への生産誘発額として3.5兆円、付加価値の誘発額として1.3兆円の特需が見込まれる。過去の経験則から新紙幣導入の2年程度前から特需が顕在化し、その間の経済成長率を約0.1%押し上げる可能性がある」
新紙幣が刺激し、タンス預金と化した現金が流通し始めることも考えられる。ただ、「その程度の浮揚効果では景気にさほど影響を与えない」(永濱氏)ので、消費増税の悪影響のほうが大きいかもしれない。
(金融ジャーナリスト 大西 洋平 写真=時事通信フォト)
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