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小室圭さんも心配な「残念王子」の行く末

プレジデントオンライン / 2019年5月27日 9時15分

元「海の王子」小室圭さんの行く末が心配だ(イラスト=辛酸なめ子)

メディアで「○○王子」と取り沙汰された男性が、数年後に没落していくケースが相次いでいる。どこに問題があるのか、コラムニストの辛酸なめ子さんは「本物の王子様ではないので、時間経過とともにボロが出てくる。『海の王子』だった小室圭さんの行く末も心配です」という――。

■次々と没落していく「○○王子」の残念なハリボテ感

白馬に乗った王子様を待っていたいというのが乙女心ですが、はたしてスペックもルックスも内面も素晴らしい「本物の王子様」は存在するのでしょうか?

世の中のニュースを見ていると、むしろ残念な王子のほうが多いように思います。ずっと姫キャラを演じている女性がだんだん痛くなるように、見た目が良いだけで王子を名乗っている人にはいつか限界が訪れるのでしょうか。昨今の残念な王子について思い出してみます。

▼「ハンカチ王子」
ハンカチ王子、斎藤佑樹選手もはや30歳に。(イラスト=辛酸なめ子)

真夏の灼熱のマウンド上で、タオルハンカチで丁寧に汗をおさえる気品漂う姿はまさに王子でした……。北海道日本ハムファイターズ投手の斎藤佑樹さん(30歳)が13年前(2006年)、夏の甲子園で優勝した早稲田実業のエースとして大ブレイクした時、ファンブックを買ったり、その年の早実の文化祭まで行ったりした身としては、その後の彼の斜陽ぶりは切ないです。

早大を経て、プロ野球選手になり、レベルの高いところで思うような活躍ができない苦しみはわかります。ただ、「グラウンド」以外の活動で王子らしからぬ素顔がしばしば露呈しました。例えば、2012年にゲスト出演したあるテレビ番組内で発した「カイエン乗りてぇ」「青山に土地買うのってヤバいっすか?」という言葉。これにより流れは完全に変わってしまったように思います。ポルシェはその後、出版社社長におねだりしてゲット。彼なりに着実にほしいものは手に入れているのかもしれませんが、好感度は上がらないまま……。

2016年11月には、北海道でスリップ事故を起こした車の運転手の人命救助をした、という善行が報道されましたが、その後、参加した合コンにおいて「ボッボッボボッボッボッボ・勃起!」コールをしていたとの週刊誌報道のインパクトでかき消されてしまいました……。30歳となった王子様フェイスにギラギラした照りが加わっています。

▼「栃木のプリンス」

栃木県那須の温泉ホテルで演歌歌手として活動し「栃木のプリンス」として大人気だったものの、2017年6月、女子高校生に対する児童買春などの疑いで逮捕された宇都ノ宮晃さん(逮捕時44歳)。

出演料なし、おひねりのみで生活していた苦労人王子が、一度のあやまちで転落……というのが切ないです。本人はまた復活したいという意向をツイッターで示していましたが、逮捕映像は寝起きのような顔で、それが全国放送されたのは自業自得とはいえ残酷です。王子オーラを取り戻すのは難しいかもしれません。

■王侯貴族とコネ、フェラーリやタワマン所有、死刑囚の王子……

▼「社交界のプリンス」

男子高校生に不適切な行為をしたとして、2017年7月、児童買春・ポルノ禁止法違反などで逮捕された熊谷裕樹さん(逮捕時32歳)。

「社交界のプリンス」を自称し、自身の公式サイトによれば「世界の王侯貴族などの社交界の人脈を背景に、王皇族、要人、大使、文化人などとの親善や新世界秩序構築に勤める」(原文ママ)といった活動をしていたそうです。

とくに王侯貴族とのコネはなく、一般人も入れるワインイベントで一緒に撮影したモルドバ共和国元農業食品産業大臣との写真を、モルドバ共和国元大統領とのツーショットだと偽ったりしていました。

まだ事件にはなっていませんが、イタリアの貴族を名乗る日本人ピアニストなど、似たようなことをやっている偽王子は他にもいます。ヨーロッパの貴族に漠然と憧れている人など騙されやすいので要注意です。貴族を名乗る人が現れたら世界史の復習が必要です。

▼「木嶋佳苗死刑囚の"王子"」

今、私が最も気になっている王子は、ブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」に"王子"としてたびたび登場し、獄中結婚していた週刊誌の編集者の男性。木嶋さんは交際していた3人の男性を殺害したとされる「首都圏連続不審死事件」で死刑判決が確定しています。

ブログ内ではその編集者のことを「理知的で英邁な人傑の王子」(2017年5月29日付)などと書いています。イケメンでおしゃれで仕事ができるという噂ですが、モテすぎて普通の女性では物足りなくなったという説も……。しかしそんな夫も、妻に振り回され、賞賛されたかと思ったら、もらったシルクの靴下に化学繊維が混じっていたとかで「夫が憎い」と罵倒されたりしていて気の毒です。全てが新鮮なプレイなのかもしれませんが……。

▼「青汁王子」
約1億8000万円の脱税で東京地検特捜部に逮捕された青汁王子。(イラスト=辛酸なめ子)

今年2月、健康食品の通信販売会社の若き社長、三崎優太さん(29歳)が約1億8000万円を脱税したとして、東京地検特捜部に逮捕されました。

自社製造の「すっきりフルーツ青汁」が大ヒットし会社は年商130億円にまで成長。「青汁王子」のニックネームで知られていました。東京・赤坂の高級タワーマンションに住み、ファーストクラスで海外旅行、高級外車に乗って競走馬を4頭も買うなど、ベタでバブリーな成金生活を送っていましたが、部屋は乱雑だったそうです。付け焼き刃感が漂う残念王子です。

■「つるセコ」の一面も「小室圭さん」も残念王子なのか

▼「Happy Prince」

そしてやはり外せないのが、秋篠宮眞子様の婚約者である小室圭さん(27歳)です。「海の王子」としてデビュー(注)してから本物の王子になるため虎視眈々とステップアップし、眞子様との結婚を目指しています。

※編集部注:2010年度の神奈川県藤沢市観光課の「湘南江の島海の女王&海の王子コンテスト」で「海の王子」に選出された。

藤沢市観光課・藤沢市観光協会ウェブページ「湘南江の島 海の女王&海の王子 2010年度」から

今や、米フォーダム大学に特別待遇で留学。現地では「Happy Prince」と呼ばれているそうです。王子の呼び名も出世魚のように変化。好青年だと同級生からの評判は良いようですが、一方で、無料でピザが配られる授業に出てピザだけ食べるとしばらくして出て行く、つるセコ(細かくてみみっちい)な姿も目撃されています。

米紙ニューヨーク・タイムズに「ボサボサ頭の求婚者」と書かれるなど、品格がまだ王子レベルに達してはいないようです。オスカー・ワイルドの小説の「幸福な王子」のように本来の王子は、ノブレス・オブリージュの精神で自分の富を貧しい人に分け与える存在ですが、彼の場合はどちらかというともらってばかりです。

ただ、小室さんの話題がワイドショー番組に取り上げられると視聴率が上がると言われていて、数字を持っている小室さんは、関係ないところで大金を生み出しています。

小室圭さんは本物の王子になれるのか(手前)。右奥はハンカチ王子、左奥は青汁王子(イラスト=辛酸なめ子)

■後世も考え一族の名に恥ずかしくない行動をするガチ王子たち

以上、最近の残念な王子について書き連ねてまいりましたが、ちょっと前にNHKで放映されたドキュメンタリー番組『イギリス 白馬の王子さま様に会いたい!』には本物の王侯貴族たちが出ていて、彼らの責任感や気品や威厳に圧倒されました。

広大な屋敷や、庭園、財宝を保つために努力と支出を惜しまず、後世のことも考えて一族の名に恥ずかしくないように行動するガチ王子たち。貴族は謙虚であるべきとか、国家に尽くす責任があるとか、本物の王子精神は崇高です。「貴族にとって爵位とは、それに見合う人間になれと言われているようなものです」という貴族の男性の言葉にシビれました。

このような代々受け継がれてきた責任感や使命感などはなく、表面的に王子を名乗っている人は、王子という称号の重さに耐えきれなくなってしまうのかもしれません。

王子になったら誰よりも謙虚にならなくてはならないのですが、残念な王子たちはその反対で、調子に乗ってしまいがちで、それが転落の第一歩なのです。いつか日本に本物の王子様が現れることを切に願います。

(漫画家/コラムニスト 辛酸 なめ子 イラスト=辛酸なめ子)

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