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「半年でダイエット」がほぼ失敗する理由

プレジデントオンライン / 2019年7月6日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/turk_stock_photographer)

■1年間続けても、元の体重に戻る

ダイエットをはじめたものの長続きせず、三日坊主で終わってしまう。そんな悩みを持っている人は少なくありません。しかし、その人たちの多くは勘違いをしています。

つまり、「ダイエットにかけるべき期間」を知らずに、すぐ痩せたい、痩せる方法があるのではと期待している。そして、「ダイエットとは孤独な闘いだ」と思い込んでいる。この誤解を正さなければいけません。

まず、期間についてです。ダイエットが続かない――そう思っているあなたは、どれくらいの期間を想定していますか? もしかすると、3カ月や半年間、と考えていませんか? しかしながら、数カ月間のダイエットは「失敗する」と最新の研究でわかっています。食事制限によって一時的に体重を落とすこと自体は可能なのですが、長期的にみれば、必ず元の体重まで戻ります。もしくは以前よりもっと太ってしまうのです。

どういうことかというと、満足な食事を摂らずにいると、体はもっともっとと、栄養を欲します。そうして、栄養を吸収しやすい体質に変化するのです。ダイエット後に食事制限前と同じような食事に戻ると、どんどん体重が増えるようになるというわけです。これが、短期間でのダイエットがおすすめできない理由です。

ある調査では、1年間ダイエットをしても、それで終わらせた人は、3年後には元の体重に戻るという結果が出ています。ある体重を目指してダイエットを行うなら、5年程度は期間を定めてマネジメントする必要がある。「三日坊主」どころか、「一年坊主」で終わってもいけないのです。すぐに結果を出したいという期待は、心理的には継続の邪魔です。

■「意志力」にすがっても、よいことはない

5年と聞くと、続けるのが難しいと思われるでしょう。そこで大事なのが、「ダイエットは孤独な闘いだ」という思い込みを脱すること。「セルフ」マネジメントは、ほぼ失敗するからなのです。なぜなら、「本人の意志の強さ」と「何かを継続すること」は、ほとんど無関係だからです。逆に、その「意志力」という神話にすがることで、さらに自己評価を下げることにもつながり、よいことはあまりありません。

そこで、ダイエットを長続きさせるには「独り相撲」をやめて、誰かの力を借りて、「チームで行う」ことが大事です。医師や心理専門職、栄養士、トレーナーなどと組めればよりよいでしょう。裏を返せば、いくら権威があるとされるダイエット法の紹介本や商材を使っても効果が出にくい理由は、他人の力をうまく利用できていないからなのです。ダイエットに「うまい話」はありません。5年は続ける無理のないやり方を、自分以外の人と話し合って決めることが大切です。

食事の内容や、体重の増減について記録して意識を高める、レコーディング・ダイエットをご存じの方も多いでしょう。このダイエットの利点は、増減をグラフにしたり、SNSで発信したりすることで、ダイエットを「見える化」し、それを「他人と共有できる」ことにあります。そうすることで、医師やトレーナー、家族や友人からも注目・助言・励ましを得られるからなのです。

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武藤 崇
同志社大学心理学部教授
専門は行動分析学(臨床行動分析)、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)。

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(同志社大学心理学部教授 武藤 崇 構成=伊藤達也 写真=iStock.com)

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