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物件価値"駅から1分ごとに100万円下落"

プレジデントオンライン / 2019年6月8日 11時15分

相続、家・土地の価値
不動産トレンドは3極化、ベストな売りどきは

■駅から1分ごとに100万円の下落

これからの不動産トレンドは大きく3極化します。

マンションの価値を維持または上昇する物件は、上位10~15%のみ。徐々に価値を下げるものが70%、無価値またはマイナス価値になるものが15~20%となります。

物件が駅に近ければ近いほど、不動産価値の下落は抑えられます。逆に駅から遠い物件は、速いスピードでとことん弱くなっていくでしょう。

具体的にいえば、駅から1分離れれば平米あたり1万8000円価値が下がります。

たとえば、65平米3LDKのマンションならば、駅から1分離れるごとに約100万円ずつ下がっていきます。10分で約1000万円、ものすごい下落率ですよね。

売りやすい家と、そうでない家の境目。マンションだと駅から徒歩7分、一戸建てだと15分が目安です。それを超えると、途端にニーズがなくなります。

駅から距離がある物件は、空き家になったら一日も早く、一秒でも早く売りに出しましょう。

間取りについては、オーソドックスな物件が売りやすいです。デザイナーズや注文住宅は、往々にして売りづらかったりします。

不動産は人気投票。あまりに個性的な間取りやデザインの家は、刺さる人には刺さりますが、多くが求めるものではありません。

団塊の世代は、変わった間取りの注文住宅をがんばって造っていましたが、残念ながら売りづらいのが現実です。

では両親の死去などで、空き家を抱えた場合はどうすればいいか。

実は今、日本では恐ろしいペースで空き家が増加しています。総務省が発表した「住宅・土地統計調査」によると、2013年の空き家率は13.5%で過去最高水準。

時間が経つほど空き家のライバルは増え、3カ月~半年もすると売りにくくなってしまいます。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/hikesterson)

空き家が出たら、売るか貸すか、あるいは管理するかの3つの選択肢があり、早急な判断が求められます。

まず貸すパターン。これはしっかりした賃料をとれないと採算が合わないでしょう。貸す前に、一定の修繕やリフォームが必要になります。

たとえば30坪の4LDKだと、床壁天井を一通りやるだけでも150万円ほどかかります。さらにキッチンや洗面台など設備系一式で150万円くらいです。

リフォームに300万円かけて貸し出すとしても、それを何年で回収できるのか。仮に月5万円で貸し出せば、年間60万円。そうすると300万円回収するのに5年はかかります。

実際は経費もあるから6~7年かかるでしょう。さらに租税も払って……などと考えると割に合わないですよね。

■建物が古くなったら修繕も必要

続いて管理するパターン。換気やポスト回りを掃除してくれる管理サービスもあります。でも結局、月5000~1万円くらいの費用や固定資産税を払う必要がある。建物が古くなったら修繕も必要になってきます。

そう考えると、将来住む予定がなければ、空き家は思い切って売ったほうがいいでしょう。

長期的に見れば、今が一番高値で売れます。

駅近のマンションのように、中長期的なニーズが見込める物件でない限り、一分一秒でも早く売ることをおすすめします。

令和元年のポイント:空き家が出た。いつ売るか、今でしょ!

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長嶋 修
不動産コンサルタント
1967年、東京都生まれ。業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」創業者・会長。マイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウの提供や、業界・政策への提言を行う。
 

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(不動産コンサルタント 長嶋 修 構成=プレジデント編集部 撮影=渡邉茂樹 写真=iStock.com)

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