1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

海外の金融マンがべートーヴェンを聴く訳

プレジデントオンライン / 2019年7月22日 6時15分

▼好きな音楽を聞かれた

■「廊下」で話される、一流の会話の中身

クラシック音楽とは、18~19世紀にかけて、教会や宮廷、サロン、コンサートホールで演奏されたヨーロッパの音楽のこと。さらに18世紀後半からは、「クラシック音楽と言えば交響曲」と言われる時代に入りますが、その基礎を築いたのが、ウィーン古典派のハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン。交響曲がクラシック音楽界の「帝王」の地位を築いたのは、この三大巨匠の功績があってこそです。

なかでもモーツァルトとベートーヴェンは、世界で最もよく演奏される作曲家ランキングで常に首位争いをしているほどですから、グローバルなビジネスパーソンとして、この2人を押さえておきましょう。特に今熱いのはベートーヴェンです。というのも、2020年はベートーヴェンの生誕250周年という記念すべき年です。クラシック業界ではすでにカウントダウンが始まっていて、世界中で様々なコンサートが開かれるはずです。かつて私がニューヨーク・フィルハーモニックにいた頃、たまたま知り合った日本の某新聞社の記者は、上司からベートーヴェンの交響曲全曲集のCDを持たされたそうです。ウォールストリートのエグゼクティブから本音を引き出すには、ベートーヴェンの話にも対応できなければ、というわけです。

もちろんベートーヴェンに限りません。やはり自国の作曲家に思い入れのある人は多いですから、フランス人と話すならドビュッシーやラヴェル、イタリアならヴェルディやプッチーニのオペラなど、日本でも馴染み深いメジャーな作曲家を押さえておくといいですね。

ニューヨークでは、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった、錚々たる企業のエグゼクティブたちが、コンサートの休憩中にクラシック音楽の話に興じているのをよく見かけました。欧米では、一流のビジネスパーソンが一流の音楽に通じていることは常識。ディナーの席ではもちろん、いわゆる「コリドー・トーク」、つまり廊下での立ち話でも、クラシックを語れたほうがよいとされています。

東京のような大都市なら、立派なコンサートホールや新国立劇場のようなオペラハウスがありますから、ぜひ出かけて聴いてみてください。海外のビジネスパーソンを迎える機会があるなら、今どんな公演が行われているか調べておいて、紹介できるとポイントが高いでしょう。

品格を上げるポイント:交響曲全曲集のCDを聴いておこう

----------

松田亜有子
元東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部部長
活水女子大学音楽学部ピアノ・オルガン学科を首席で卒業。2018年、アーモンド(株)を設立、代表取締役に就任。著書に『クラシック音楽全史』。
 

----------

(元東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部部長 松田 亜有子 構成=小島和子 撮影=大沢尚芳)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください