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動かない警察に"確実に"動いてもらう方法

プレジデントオンライン / 2019年7月27日 11時15分

佐々木保博●危機管理コンサルタント、セーフティ・プロ代表取締役。埼玉県警察官として28年間勤務。退職後は「民間警察」として困っている人に解決策を提供するセーフティ・プロを設立。

■警告か、逮捕か、してほしいことを明確にする

「警察の敷居は高いものではありません」

そう語るのは、元埼玉県警の警察官で危機管理コンサルタントの佐々木保博氏。警察は民事不介入だと思う人も多いが、それは過去の話だとか。

「警察が民事不介入を理由に動かなかったことが原因で、殺人事件を含む刑事事件に発展するケースもあります。それを未然に防ぐため、民事でも動くのです」

ただし警察に「動いてもらう」ためのポイントはある。1つは「目的」だ。「ストーカー被害者に多いのですが、『嫌な思いをしている』と訴えるだけでは警察も動けません。ストーカーは警察からの『警告』でも効果があることが多い。警告なのか、逮捕なのか、してほしいことを明確にすれば動きやすくなります」

「時間帯」も重要だ。夜間や休日に相談に行くのは避けよう。警察は24時間活動しているが、平日17時以降と休日、祝日は当直体制で人手が足りていない。当直の警察官の「専門」も、まちまちだ。

「緊急時以外は、平日昼間に警察署に電話予約して行ったほうがいい。#9110(警察相談専用電話)は夜間も受け付けますが、平日昼間がベター。夜間はいたずら電話が多くて、110番なのに『話し中』になるぐらいですから」

また、「証拠」を集めることも大事だ。警察は法的証拠がなければなかなか動けない。だからといって警察自身が証拠を集めるのも、時間的・物理的に難しい。そのため、「できる限り自分で証拠を集めることが重要」だという。

ストーキング被害なら、スマホの履歴画面を撮影しておくなど加害者からのメールや電話の履歴をとっておけば、立派な証拠になる。経緯が明確にわかるように、何時何分に何が起きたのか、事実関係を紙にまとめよう。「何か言われたのか、後をつけられたのなら、いつ、どんな様子だったのか。A4で1枚程度でも書いてもらえれば十分です」

騒音やゴミ屋敷など近隣トラブルでも証拠がモノを言う。

「法律には、騒音なら『社会通念上、相当以上と思われる音』と書かれています。これではどうにでも解釈されてしまい、『そのぐらい我慢して』と言われておしまいになるかもしれません。しかし、騒音は継続的に聞くと大きなストレスになることもあります。その場合は医師の診断書も有効になってくる。もし、近隣の人も迷惑を被っているなら、仲間を集めましょう。多くの人からの訴えとなっては、警察も放ってはおけません」

■ポイントは“犯罪が誘発される”可能性を示すこと

警察も人の子、親身になりたくなるような「好かれる」被害者を目指したい。

「警察署でパイプ椅子を出したら、『こんなのには座れない』と言った方がいました。被害者でも、傲慢な態度を示されると、警察も『なんだよ』となります。『税金泥棒』なんていうのも禁句です(笑)」

※写真はイメージです(写真=iStock.com/akiyoko)

では「今すぐ」動いてもらいたいときはどうするか。

「緊急で、本当に『今困っている』なら、遠慮せず110番しましょう。変な物音がする、子供が泣いている。友達に助けを求めるような感覚で結構です。『彼氏にふられた。これから死のうと思う』と110番があったときは、受理している間に警察が到着し、無事救済できました」

動いてもらうポイントは“犯罪が誘発される”可能性を示すこと。「邪魔なゴミ」では動けないが、「不審物」なら動かざるをえない。「子供が泣いている」では大変な状況かわからないが、「虐待されているのでは」と通報者が感じた犯罪の可能性を補足すれば、警察は事件性を感じ、必然的に動くという。

(エディター/ライター 東 雄介 写真=iStock.com)

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