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白血病の新薬「キムリア」承認の問題点

プレジデントオンライン / 2019年7月13日 11時15分

「キムリア」保険適用を了承した中央社会保険医療協議会(厚労省の諮問機関。2019年5月15日)。(時事通信フォト=写真)

■保険財政圧迫は本当か

一部の白血病の治療に極めて有効とされる新薬「キムリア」に対し、厚生労働省は公的医療保険の適用を承認した。キムリアはオーダーメード治療薬で、患者の血液から免疫細胞を抽出し、その遺伝子を操作する。そして、がん細胞への攻撃力を高めたうえで、それを患者に投与する。このように高度な技術と手間が必要なことなどから、その薬価(公定価格)は3349万3407円となった。保険適用で患者負担は抑えられるが、あまりにも高額な薬価が保険財政を圧迫すると批判される。

埼玉医科大学の山田悠史医師は「誰に何の目的で使うのかという視点で捉えないと、“木を見て森を見ず”という議論になりかねない」と訴える。キムリアを切望しているのは主に、ALL(白血病の一種)を患い、既存薬が効かなくて命の危険に晒されている小児患者。その数は多くても年間200人ほど(開発元試算)で、1回の投与で済むため約60億円の支出となる。

今後キムリアが他の治療にも用いられて保険適用が広がれば、一気に財政を圧迫するとも指摘される。が、高額だった免疫治療薬「オプジーボ」は適用拡大のたびに薬価が見直され、当初の4分の1に。2年に1度だった薬価改定も、年4回に短縮。今後どのような薬価改定が行われていくのかにも注目したい。

(金融ジャーナリスト 大西 洋平 写真=時事通信フォト)

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