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人生最後の友人ができる趣味習い事10選

プレジデントオンライン / 2019年7月20日 11時15分

■「大人の趣味」3つのポイント

「仕事一筋」もいいけれど、それだけでは人間の幅が広がらないのでは?

そんな懸念を持つビジネスパーソンは多いと思います。仕事以外の活動で器を広げる訓練をしてみましょう。

ポイントは3つあります。

①「目的」に応じて「手段」を選ぶ
②共通するのは「居場所」づくり
③予算を含め「無理なく続けられる」

例えば、①でスポーツ系を始めようとした場合、目的は「健康増進」(生涯スポーツ)なのか、ゆくゆくは「大会出場」(競技スポーツ)なのかで、選ぶ種目も変わります。

また、特に地域での活動は「職場とは違う人間関係」がベースになります。総じて女性は得意ですが男性は苦手。地域活動なのに「職業・社名・肩書」のマウンティングをちらつかせる人は、新たな世界でも孤立します。

②の「居場所」も欠かせません。将来、定年や退任で所属・肩書がなくなっても、趣味の活動は(1人で行う趣味であれ)自分の居場所となります。「仕事でへとへとになっても、趣味の仲間に救われた」と話す人もいます。

③の「無理なく続けられる」も大切です。例えば「寿司屋めぐり」を趣味にした場合、現役時代なら「これは」という店に行けても、年金生活になると厳しい。それなら定年後も続けやすいカフェやラーメン店がいいと思います。その点を踏まえて、具体的な趣味の選び方と事例を紹介しましょう。

ランニング・ウオーキングは、手軽に始められ、運動不足解消も期待できます。一方で、ピーク時に比べるとランニング人口は減っている(笹川スポーツ財団)というデータも。続かない理由は、例えば周辺に所属団体が少ないと仲間をつくりづらい、1人ならいつでもやめられる――というもの。

でも、1人でも続けやすい方法があります。それは「記録をつける」こと。最近はスマホの歩数計アプリやランニングアプリが充実、あらかじめ設定した目標値を超えると色が変わったりします。こうした機能を駆使すれば、心身を鍛えつつ1人でも楽しめます。

■「人生最後の友人ができた」

伝統武道の空手道は、意外にも未経験者が始めやすい種目です。「空優会」代表の高橋優子さん(元世界王者)は、都内などで教室を運営し、約400人の生徒がいます。

空優会代表の髙橋優子さん。チャーミングな笑顔だが、2006年船越義珍杯世界空手道選手権大会優勝などの戦歴を持つ。

高橋さんによれば「空手には『形』と『組み手』がありますが、『形』は1人でもできます。道場は仲間とつながる場所です。空手は伝統武道の中でもケガが少ないので、長続きする人も多く、『道場で人生最後の友人ができた』と話す人もいます」。また、「集中力がつくことで、仕事や学業にも効果が出る」一面もあるそうです。

「競技会に出場する子供には『勝ち負けがすべてではない』と教えます。空手道は体だけでなく、心も鍛えることができるのです」

「心も鍛える」とは?

「例えば、私の一番弟子は中小企業の経営者ですが、『ある年齢になると叱られることも減り、成長しない。でもここでは成長できる』と話していました。礼儀作法のほか、級位や段位があり、帯1つとっても白→黄→緑→紫→茶→黒と昇級につれて色が変わる。60代の黄帯の方が、茶帯の小学生に頭を下げることもあります」

生徒には社長に出世した人もいれば、弁護士や議員秘書もいるとか。

野球好きならアマチュア野球審判員もあります。炎天下や寒い時期でも立ち仕事ですが、現役選手とは違い、60代以降も活躍する審判員も目立ちます。

学生スポーツや学生演奏。こちらは「観る」趣味です。これを薦めるのは「思考の加齢臭」を洗い流す効果もあるからです。その種目に精通した人なら以前との違いを認識できますし、ひたむきな躍動感と若さから“情報のシャワー”を浴びられます。料金も手頃です。ただ、「器を広げる」には、偏狭な母校愛は捨てたほうがいいでしょう。

料理教室。各地にクッキングスクールはたくさんありますが、「お試し参加」などで雰囲気を確かめてから始める手もあります。最近は男性の姿も目立ち、現役世代でハマる人もいます。

■旅先でひと目惚れ、今や第一人者

昔ながらの「切手・コイン」をはじめ、何かを収集する人(○○収集)は男性に多いのですが、ここでは珍しい「モラ」を収集する鈴木誉志男さん(サザコーヒー会長・ひたちなか商工会議所会頭)の話を聞きましょう。

サザコーヒー会長の鈴木誉志男さん。パナマの先住民族がつくる「モラ」に魅せられ、その道の第一人者に。2018年、東京で収蔵品の展覧会を開いた。

「もともとモラはコーヒー産地の手芸布でパナマの先住民族・クーナ族の女性がつくるものが有名です。1974年、私はコーヒー屋として南米コロンビアに視察と商談に行き、コーヒー農園の応接間に額装されていた極彩色の布に出合い、ひと目惚れしたのです」

以来、産地訪問のたびに買い集めたモラは1200枚に達し、鈴木さんは今や日本におけるモラ収集の第一人者になっています。

「モラの魅力は日本の浮世絵に似ています。長年鎖国状態で世界に知られていなかったものが『再発見』され、モダンアートとして評価が高まったことです。サザコーヒーは世界中から良質のコーヒーを仕入れて販売しますが、モラだけは絶対に売りません(笑)」

単価の低いカフェ探訪で学生時代の思い出をたどる人もいます。そんなカフェめぐりには、地域に根づく個人経営の店がおススメです。筆者は今春、千葉県鴨川市の個人店を訪れました。今も美しい女性店主は「若い頃は大変な美人で、マドンナ的存在だった」(常連客)。海の近くの店で「磯トースト」という海苔を載せたトーストもあり、店内には、常連客が長年土産で渡したキーホルダーが多数飾ってありました。一人旅と同様、地域の風土に触れて、地域住民と交流する経験は、脳内活性化にもなりそうです。

最後に一言。人と交流する趣味でも、同じ仲間と長年……が心地よい場合と、マンネリ化する場合があります。交流のピークが過ぎたら、距離を置いてはいかがでしょう。人間は1人では生きていけませんが、群れないで1人を楽しむ意識も必要です。年を重ねるにつれて「孤独力を高める」のも、器を広げる意味では大切に思います。

(経済ジャーナリスト/経営コンサルタント 高井 尚之 撮影=永井 浩)

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