自分の弱みを見せると相手も弱み開示する
プレジデントオンライン / 2019年7月20日 11時15分
■問題の種類によって頼む相手を替える
さんざん手を尽くしたものの、ひとりでは対処できないビジネスシーンの困った問題。
一口に「問題」と言っても、さまざまな状況が考えられます。重要度や緊急度、理由などを鑑みたうえで、適切な相手に相談する必要があるでしょう。
ここでは職場の人々を「饒舌な人」と「無口な人」にざっくりと分けて、それぞれの得意分野や彼らへの頼み方を考えます。
まず、饒舌な人は、明るくてポジティブ、サービス精神旺盛で、感情表現が豊かなタイプが多いです。新たな挑戦でも失敗を恐れません。良い意味で深く考え込まず、軽やかに動くタイプの彼ら。得意なのは、すぐに動き出し、突破口を開く必要のある問題です。
たとえば、取引先との間にトラブルを起こしてしまい、速やかに謝罪をしないといけないシーン。相談するときは「◯◯で困っています。助けてください!」と、状況を端的に、かつ感情を込めて伝えると、サッと動いてくれるはずです。
一方、無口な人は落ち着いた雰囲気があり、責任感が強く、感情表現は控えめなタイプが多いです。行動する前に熟考する慎重な性格で、過去のデータとにらめっこしながら考え込むことも。
このタイプはミスをしたくないと考える分、行動を起こすまでに時間がかかることもあります。そんな彼らが得意なのは、慎重に動く必要があること、用意周到さが求められることなどです。
相談するときは、今何に困っているのか、いつまでにどんな対応をしてほしいのか、熟慮するのに必要な情報を提示すると、しっかり腰を据えて問題解決に取り組んでくれるはずです。
たとえば、「上司に提案する新規事業の資料を作っています。綿密な戦略を立てたうえでプレゼンの場に臨みたいのですが、◯◯の部分で行き詰まっています。アイデアをいただきたいので明日30分、どこかでお時間をいただけませんか」と詳細を伝えながら依頼するのが良いでしょう。
■職場でのピンチは成長のチャンス
すべての人がそうだとは言い切れませんが、饒舌な人と無口な人は、正反対の特徴を持っていたり、それぞれに得意分野があります。問題の内容を見極めて、ベストな相手に相談することが大事です。
そうはいっても、仕事上の問題が発生しないに越したことはありません。これらは成長のチャンスと見ることもできます。問題解決能力の高い人から学べば、自分自身の実力も上がりますよね。
さらに、タイプの異なる人たちに頼ることで、人的ネットワークまでも拡大します。人は弱みを見せられると、相手にも弱みを開示しやすくなり、関係性が強まっていく「返報性の法則」があります。相談をすることでつながりが深まるメリットもあるのです。
仕事で問題が起きても、自分が成長する機会だと思って、悲観的にならずにしっかり向き合ってみてください。
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心理学者
著作家。メディアでの解説・監修実績多数。著書『人生には、こうして奇跡が起きる』ほか。
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(心理学者 晴香 葉子 構成=池田園子 写真=iStock.com)
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