メモも名刺も写真も一元で管理する方法

プレジデントオンライン / 2019年7月29日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Cunaplus_M.Faba)

スマホで撮った写真を、どう管理するか。手軽に撮れる分、データはどんどん増えていく。必要な画像をあとから効率よく探すためには、工夫が必要だ。「超整理」シリーズなどで知られる野口悠紀雄氏は、「グーグルフォトと音声入力を使ってインデックスを作成すると、検索が簡単になる」と説く。そのやり方とは――。

※本稿は、野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■写真の保存先はグーグルフォトだけにする

フィルム写真の時代と比べればもちろんのこと、デジタルカメラが普及した時代と比べても、いまは写真を撮ることが著しく容易になりました。カメラを持ち歩く必要がなく、いつも携帯しているスマートフォンで、写真を撮ることができるからです。

その結果、写真の数の爆発的増加が生じています。そうなると、大量の画像データをどのように保存するのかという問題が起こります。そして、大量の画像データを保存すれば、どのように検索するのかということが、最大のテーマとなります。

大量の写真に対応する、検索のできる写真データシステムは、AI技術を用いることによって構築できるのですが、それに先だって、写真の保存法について述べておきます。

写真を保存する「ポケット」は、グーグルフォトだけにするのがよいでしょう。グーグルフォトとは、グーグルが無料で提供する写真の管理サービスです。グーグルフォトをダウンロードしてあれば、iPhoneで撮影した写真も、自動的にグーグルフォトに保存されます。こうして、写真について「ポケット1つ原則」(どこに入れたのか、分からなくなることを防ぐために、ポケットを1つだけ使うという考え方)が実現されます。

■スマホの容量を空けることにもつながる

なお、グーグルフォトでは、写真の簡単な編集ができます。また、写真を選択してGメールのボタンをタップすれば、自動的にメール送信画面に写真が添付されます。

そしてiPhoneからは写真を削除して、端末の容量を空けることもできます。noteなどのウェブサイトに写真をアップするには、クラウドにある写真をPCにダウンロードする必要があります。ウィンドウズの場合は、「ピクチャ」のフォルダに保存することになるでしょう。ここで編集作業を行うこともできます。

「ピクチャ」は、かつては画像ファイルの主たる保存場所でした。しかし、グーグルフォトが利用できるいまとなっては、ここに保存するのは、アップロードする必要がある写真か、ウェブからダウンロードした写真、あるいは、PCで作成した画像ファイル、ということになるでしょう。

■グーグルドライブの容量の空け方

グーグルフォトに格納する場合、グーグルドライブの容量が問題となりえます。無料サービスでは15GBの制限があるので、写真が容量を消費してしまうことは避けたいものです。幸いなことに、グーグルフォトでは、つぎの操作によって、写真の容量をゼロにできます。

野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す』(KADOKAWA)

ウェブブラウザでグーグルフォトを開き、左上の三本線マークから「設定」で「容量解放」を選び、「圧縮」を選択します(なお、圧縮した画像は元に戻せません。また、この処理に長時間が必要です)。ドライブの記録を見て写真がゼロになっているのを見ると安心します。

なお、グーグルドライブは、Gメールともシェアして使っており、長く使っていると、それによって容量がいっぱいになります。

グーグルフォトには、きわめて大量の写真が蓄積されていきます。すると、目的の写真を見いだすのが次第に困難になっていきます。

グーグルフォトでは、画像認識技術を利用して、人物については、人物ごとにアルバムに分類してくれます。したがって、家族の写真などをアルバムにまとめるためには使えるでしょう。

■検索方法は多彩だがデータを引き出すにはまだ不便

また、グーグルフォトは、写真を検索してくれます。例えば、「花」と指定すると花の写真を、「クレマチス」とか「バラ」とか「桜」と指定すると、それらの花だけを引き出してくれます。

グーグルフォトの検索方法は多彩です。撮影地で検索してくれますし、「新聞」「名刺」「領収書」「本」「QR」「スマートフォン」などの検索語に対しても検索してくれます。この機能は、ある程度は役に立ちます。

とくに、新聞については便利です。ただし、保存してある新聞の写真のすべてを取り出してくれるわけではありません。また、新聞に印刷されている文字は見てくれないようです。私が試した限りでは、「日本」という言葉には反応しましたが、それ以外はだめでした。したがって、資料やデータを引き出すという観点からすると、現在の検索機能は、あまり役に立ちません。

グーグルフォトの写真検索は、山、川、公園、海、雲、道路、着物、靴、船、自動車、ワイン、テーブル、水などといった対象はかなり正確に識別しますが、これは、写真を資料やデータとして使うという観点からは、ほとんど役に立ちません。

■現時点で最強の写真データシステム

では、資料用の写真については、どうしたらよいでしょうか? 何の手がかりもなしに、すべての写真を対象にして捜索をするのは大変な作業です。そこで、つぎのようにして、写真のインデックスファイルを作ることにします。

グーグルフォトでは、正確な日付さえ分かれば、目的の写真を容易に引き出せます。つまり日付は、写真の検索における最も重要なキーなのです。

このキーを「超」メモ帳に残すことで、強力な写真検索システムを構築できます。以下は構築法です。

まず、現在グーグルフォトに保存されている写真について、「インデックス」を作成します。これは、写真の日付とキーワードです。例えば、運転免許証の写真であれば、「2018年11月20日免許証」などとします。

インデックスの作成は、すべての写真について行う必要はなく、将来参照する可能性が高い写真だけについて行います。私の場合、保険証、免許証、車検証、旅行、庭の花、新聞・雑誌等に掲載されたインタビュー記事、その他の重要な新聞記事の写真などが、そうしたものです。

同種類のカテゴリーの写真と考えられるもののインデックスは、1つのファイルに記載します。このファイルのことを「インデックスファイル」と呼ぶことにします。

このようなファイルを作っておけば、キーワードを検索することによって、求める写真のインデックスを見いだせます。例えば、「免許証」というキーワードで「超」メモ帳を検索することによって、「2018年11月20日免許証」というインデックスを引き出せます。すると、その写真の日付「2018年11月20日」が分かるので、グーグルフォトからその写真はすぐに引き出せることになります。

■インデックス作成は音声入力で

インデックスファイル作成の作業には、PCに写真を映し出し、音声入力をスマートフォンで用いてメモを取ります。非常に簡単にリストができます。ストックしてある写真の量によって違うでしょうが、普通は、1時間もあればできると思います。

このようにして、写真を(間接的な方法で)検索できることになります。この仕組みによって必要な写真を簡単に検索できると分かったので、今後、メモのために写真を撮影することが増えるでしょう。

将来は画像認識能力が発達して、写真をただ蓄積しておくだけで、AIが直接に目的の写真を取り出してくれるでしょう。しかし、そうした技術を一般の人々が使えるのは、かなり将来のことになるのではないでしょうか?

現在では、ここで提案した方法が、最強の写真検索法だと言えます。

■名刺の写真を保存すればアドレス帳になる

いったんこのシステムを確立したら、つぎのように運用します。

写真を撮った後で、それを参照する可能性が高いと思えば、その都度、あるいは一定期間でまとめて、前記のリストに追加します。

会った人で、後で連絡するようになると思う人は、名前(できれば会社名も)を、「超」メモ帳に残しておきます。そして、名刺の写真を撮っておきます。

連絡の必要が生じたときには、名前を覚えていれば名前、忘れてしまった場合には、およその日付や会社名をキーワードにして、「超」メモ帳のファイルを検索します。すると、目的の名刺の写真を容易に見いだせます。

■写真の容易な検索がビジネスを変える

誰かと対談しているときに、あるいは会議中に、何かを思いつくことがあります。これは、紙にメモするしかないでしょう。こうした状況で音声入力をするのは、いかにも礼儀に反するからです。

このメモは、ただちに写真に撮って残しておくことにします。内容が重要であれば、キーワードを音声入力で「超」メモ帳に残しておくことにします。どのようなテーマについてのメモかという記録が残っていれば、後になってから、検索で引き出せるでしょう。「超」メモ帳の記録で正確な日付が分かれば、グーグルフォトから目的のメモの写真を見いだせます。

音声入力機能と画像認識機能は、現時点で個人が利用できるAIの代表格です。その2つを組み合わせた写真データシステムは、AI時代の画期的かつ身近なイノベーションと言えるでしょう。ビジネスにおいても、きわめて役に立つはずです。

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野口 悠紀雄(のぐち・ゆきお)
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。近著に『入門 AIと金融の未来』『入門 ビットコインとブロックチェーン』(PHPビジネス新書)など。
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(一橋大学名誉教授 野口 悠紀雄 写真=iStock.com)

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