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糖質制限にチャーシュー麺やタンメンがいい訳

プレジデントオンライン / 2019年8月5日 17時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Fertnig)

■砂糖の塊である、缶コーヒーは要注意

中高年の多くの人が肥満に悩んでいます。肥満は30代から増え始め、特に働き盛りの40~50代の男性に多く、体調不良のほか、糖尿病、高血圧、脳疾患、心疾患など数多くの病気の引き金になるため、ダイエットをして予防することが大切です。

食事による体重コントロールは、これまで摂取するカロリーが重視されてきました。医師や管理栄養士の間でもそれが常識でしたが、近年、カロリーと肥満はほとんど関係がなく、太る原因は糖質の摂取であることが明らかになっています。

ゴハンやパン、麺類、果物、お菓子、清涼飲料水などに糖質は多く含まれ、炭水化物は糖質とニアリーイコールの関係にあります。糖質は人間の活動に必要な3大栄養素の1つで、大事なエネルギー源ですが、摂りすぎると余ったブドウ糖が脂肪として蓄えられます。また、血糖値が上がって、すい臓がインスリンを出して抑えようとします。しかし、それが過度になるとすい臓が弱って、糖尿病を引き起こします。

そこで、糖質の制限が重要なポイントになるのです。実際、糖質制限を唱える医師は増えており、外食チェーンやコンビニなどでも糖質を抑えたメニューが広がるなど、ダイエットには糖質制限が効果的であることが浸透してきています。

その一方で、糖質制限とともにカロリーが高い肉の脂身や揚げ物を控える人もいます。しかし、先述したように摂取したカロリーと肥満は関係がなく、体重にはほとんど影響しません。タンパク質も同様に太りません。むしろこの2つの摂取制限は体に悪影響を及ぼします。

ダイエットしたい人の血糖値は、空腹時も食後も常に70~140mg/dlの範囲をキープするのが理想です。ゴハンやパンは食後1~2時間で血糖値が120mg/dlくらいまで緩やかに上昇してから下降するのでさほど問題はありませんが、清涼飲料水は30分程度で150mg/dlほどまで急上昇した後、急降下します。

これは「血糖値スパイク」と呼ばれる現象で、血糖値の短時間の急上昇・急下降は体へのダメージが大きく、肥満にもつながります。特に砂糖入りの缶コーヒーは「砂糖の塊」で、血糖値は一気に200mg/dlくらいまで上がるので要注意です。

■本気で痩せたいなら、糖質は60グラム以下

では、ダイエットでの糖質の量ですが、一般的な成人男性が現在の体重を維持するための糖質摂取量は1日・120グラム、成人女性の場合は110グラムが基準です。それ以上摂ると太ります。本気で減量を目指すならば、男女ともに糖質を60グラム以下に抑える必要があります。糖質を60グラムというのは、ゴハン1膳、6枚切り食パン2枚、ざるそば1枚が、それに相当します。確かにかなり高いハードルですが、量が少なくなった分は肉や魚、野菜などで補いましょう。

食べ方にも注意が必要です。ゴハンやパン、麺類などの炭水化物は、肉や野菜と一緒に食べることで、血糖値の上昇が緩やかになります。パンにはバターやオリーブオイルをつけると同様の効果があります。糖質を摂るのは朝か昼が鉄則です。食後に活動するので、摂取した糖質がエネルギーとして使われるからです。夜は睡眠で脳や体の活動が休むため、糖が脂肪に変わるので避けます。

ダイエットのためにお酒を控えている人も多いと思います。飲みすぎはよくありませんが、適度な飲酒は問題ありません。むしろ、ワインや焼酎などは血糖値の上昇を抑える働きがあり、特に辛口の白ワインは減量効果が明らかになっています。ポリフェノールを含む赤ワインは動脈硬化の予防につながります。

※編集部註:初出時、「ワインや焼酎などの蒸留酒は血糖値の上昇を抑える働きがあり」とありましたが、正しくは「ワインや焼酎などは血糖値の上昇を抑える働きがあり」でした。訂正します。(2019年8月6日14時22分)

ただし、ビールは糖質が多く、血糖値が缶コーヒー並みに急上昇するので注意が必要です。その一方で日本酒は糖質が多いものの、アミノ酸が含まれており、肌の老化予防におすすめです。

糖質制限は私も実践しています。身長162センチメートルの私の体重は57.5キログラムで若い頃とほとんど変わっておらず、理想的な水準を維持しています。しかし、太りやすい体質のため炭水化物を減らしています。そんなある1日のメニューを別掲したので、ぜひ参考にしてみてください。

朝は全粒粉のパンにオリーブオイルをたっぷりつけて食べます。パンは精製された小麦粉ではなく全粒粉で、かつ天然酵母で発酵されたものを選んでいます。牛乳は糖質が含まれていることと発がん性が疑われているため、豆乳を飲んでいます。

昼は家から持ってきたサラダで野菜をたっぷり摂取。サンドイッチはハムを挟んだものなどを選びます。時にはチャーハンを食べますが、肉や野菜に油が含まれ、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。

■ラーメンならチャーシューメンを

夜は自宅と外食が半々で、基本的にお酒を飲みます。ダイエット効果のある白ワインがメインで、ときどき赤ワインや日本酒を楽しみます。量は1~2合程度。つまみはもちろん糖質を避け、肉、魚、野菜、豆腐、チーズなどの料理です。そのときに水も十分に飲むようにしています。

また、日曜日の夜はウナギを食べるのが習慣です。実はウナギには近年、老化現象の真犯人として注目されている「AGE(終末糖化産物)」に対する予防効果がある「カルノシン」という物質が豊富に含まれているからです。

AGEはタンパク質や脂質がブドウ糖と結合してできる悪い物質です。そのAGEを抑制するカルノシンはウナギのほかに、マグロ、カツオ、カモなど長距離を移動する回遊魚や渡り鳥に多く含まれています。これらを積極的に摂ることをおすすめします。

糖質制限は継続することが最も重要で、がんばりすぎて途中で断念するようでは意味がありません。昼食にラーメンやカツ丼などの炭水化物をガッツリ食べたいときもあるでしょう。

そんなときはラーメンならばチャーシューメンやタンメンにするとか、ざるそばなら天ぷらをつけるなど、タンパク質や野菜を一緒に摂るようにしましょう。また、食後すぐに15分程度の運動をすれば血糖値の上昇が抑えられるので、軽めのウオーキングもお忘れなく。

仕事帰りの一杯はリラックスできて、ストレスの解消になります。飲み物やつまみに気を配りながら楽しみましょう。もちろん“〆のラーメン”は禁物です。

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牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。2003年、生活習慣病や肥満治療のため、東京・銀座に「AGE牧田クリニック」を開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。
 

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■▼代表的な1日の食事メニュー

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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。2003年、生活習慣病や肥満治療のため、東京・銀座に「AGE牧田クリニック」を開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。

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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二 構成=田之上 信 撮影=渡邉茂樹、加々美義人 写真=iStock.com)

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