日本のサンマ不漁は台湾や中国の乱獲が主因か
プレジデントオンライン / 2019年9月5日 17時15分
■枠が大きすぎるとの批判も
水産資源の漁獲規制を協議する北太平洋漁業委員会(NPFC)が日本で開かれ、サンマの漁獲総量を年間約55万トンに制限することで加盟国が合意した。サンマの不漁が続く日本が提案してきたものの、2018年までは中国などの反対によって2年連続で決裂。それだけに、今回の合意を歓迎する報道が目立った。
だが、北大西洋における漁獲総量が55万トンを超えたのは1995年以降で2回のみ。近年は35万トン以下のケースが多く、乱獲抑制にはつながらないとの批判も。東京大学大学院の八木信行教授は指摘する。
「枠組みが設けられただけでも、大きな前進。加盟国が遵守するという確証はないものの、ルールが定まれば、それに沿った勧告も行えます」
日本の不漁は台湾や中国の乱獲が主因との見解もあるが、それは正確さに欠ける。主に自国沿岸で漁を営む日本に対し、台湾や中国は北太平洋上の公海で操業。そこで、日本到達前に根こそぎ捕獲していると批判するわけだが、海水温上昇で回遊ルートが変化し、あまり日本に接近しなくなっている側面もある。
「水産資源の増減には様々な要因が関わり、解明されていない点が多い」(八木教授)のが現実。90年代前半まで日本が独占してきたが、回遊魚のサンマは世界で分かち合うべき水産資源である。
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金融ジャーナリスト
出版社勤務等を経て1995年に独立し、金融経済の分野を専門に執筆活動を続ける。著書に『「株式新聞」のスゴイ読み方』(廣済堂出版)。
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(金融ジャーナリスト 大西 洋平)
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