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仕事を強引に押し付けてくる上司の"かわし方"

プレジデントオンライン / 2019年9月8日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/turk_stock_photographer

■職場のアドラー心理学で、しっかり断る勇気を持つ

「これ、やっといてね」。組織に所属していると、上司から仕事を押し付けられることはあるでしょう。上から振られた仕事だからといって、必ずしも自分がそれを担う必要はありません。

自分の課題だと思うなら自分がやるし、相手や他人の課題だと思うなら彼らにそれを渡す――これはアドラー心理学にある「課題の分離」という発想です。今の自分がやるべき仕事なのか自分の目標や興味関心と照らし合わせて考えたうえで、「自分の課題ではない」と思ったら断ったっていい。嫌われることを恐れなくていいのです。

アドラーは、愛のタスク・交友のタスク・仕事のタスクを「人生のタスク」と表現します。これらが自分のもとにやってくるたびに、今の自分にとって課題だと思うなら、やるときはやる精神で向き合おうとアドラーは伝えています。

ここからは、上司から振られた仕事が「自分の仕事(課題)ではない」と思ったときに、上司をかわすことを前提に話を進めていきましょう。

上司のタイプが「感情優位型」か「思考優位型」かによって、私たちの取るべき対応は変わります。感情優位型の上司は「これお願いね」というように直感的に指示を出します。思考優位型の上司は理詰めで丁寧に説明したうえで指示を出します。

ポイントは、それぞれのタイプに合わせた対応をすること。感情優位型には自分も感情優位になり、思考優位型には自分も思考優位になって話をするのです。このように感情や思考などの相手の要素に合わせるのは、良好な関係構築に効果的だとされ、心理学用語で「ジョイニング」といいます。

■感情優位型の上司には、感情で訴えかける

続いて、タイプ別の対応をご紹介します。感情優位型に対しては、その仕事を引き受けられない理由を、相手の気持ちに訴えかけるように、感情表現豊かに伝えることです。たとえば「実は今、家族が大変で」「このところ、早く帰らないといけなくて」など、やや大袈裟に身振り手振りを交えて話すくらいがちょうどいいです。

思考優位型に対しては、質問を重ねてふたりで確認作業をすることです。「私にこの仕事を振ってくださった意図は」「この仕事の目的は」など、質問をしながら話し合って一緒に考えます。すると、どこまでを自分が担い、どこからは自分以外の人が担うべき仕事なのか、境界線が見えてきます。「ここからここまでは私がやります。でも、ここからは誰々にやってほしいですね」というように落としどころが見えてきて、思考優位型の上司も納得します。

人は感情優位型か思考優位型かに分かれます。自分はどちらが優位なタイプなのか、知っておいて損はしません。もし自分が感情優位型なら、同じ感情優位型の上司には自然と対応できても、思考優位型の上司に対応するときは、少し無理をする必要があるかもしれません。逆も然りです。これらのタイプを意識したうえで、「自分軸」を大事にしながら、今自分がすべき人生のタスクを手にしてください。

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八巻 秀 臨床心理士
駒澤大学文学部心理学科教授。監修に『定年後の人生を変えるアドラー心理学』ほか。 毎日1万歩以上の散歩が日課。

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(臨床心理士 八巻 秀 構成=池田園子)

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