イマドキ女子が元彼ママと親友になれる理由

プレジデントオンライン / 2019年8月23日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Yagi-Studio)

友達と同じように、親ともフラットに付き合う若者たち。中には、元カレの母親と友達付き合いを続ける女子もいるのだそう。立場も世代も越えた友人関係を、本人や周囲の若者はどう思っているのでしょうか。原田曜平さんが6人の若者の本音を引き出し、その実態を探ります。
座談会参加者
塩田 亜多夢くん/慶応義塾大学3年生。実家暮らし。父は日本人、母は米国人でともに50代。よく母親の服選びに付き合う。男性
山本 果林さん(仮名)/専修大学4年生。一人暮らし。父は50代、母は40代で幼い頃に離婚。元カレの母親と仲良し。女性
岩下 虎太郎くん/東京通信大学1年生。実家暮らし。両親ともに40代。親との外出や旅行には抵抗感ゼロ。男性
井上 雄仁くん/法政大学3年生。一人暮らし。両親ともに50代。昨年も今年も母親と2人で海外旅行へ。男性
橋場 芽衣さん/早稲田大学2年生。大学の寮で一人暮らし。両親ともに40代。家庭では母親が一番強い。女性
堀井 優香さん/関東第一高校1年生。実家暮らし。両親ともに40代。母親とは何でも話す「友達母娘」。女性

■息子も歓迎、母親と元カノの友人関係

【原田】一昔前に比べて、今は親子の距離が近くなり、価値観も似てきているようだね。じゃあ、恋人の親との関係はどうなんだろう。昔は、彼氏・彼女を親に会わせるなんて「結婚前提」という感じで気が重かったものだけど、今はもっとカジュアルに紹介し合っていて、家族ぐるみで付き合うことも珍しくないそうだね。

【塩田くん】今は、彼氏や彼女を親に会わせるのは普通ですよ。昔みたいに、結婚の前段階というイメージはないかな。僕自身も彼女ができたらすぐ親に紹介するし、相手の親にも紹介されますね。向こうの親も友達みたいなノリで登場してくるから、重いと感じたことはないです。

【山本さん】私は元カレのお母さんとすごく仲がいいんです。元カレは実家暮らしで、私もよく遊びに行っていたんですけど、彼よりむしろお母さんに会いたくて(笑)。私は自分の親とあまり仲が良くないので、元カレの家庭が居心地よかったんですね。付き合っている最中はよく泊まりに行っていたし、彼が家にいなくても行っていました。気持ちが冷めてからも、お母さんと離れたくなくてなかなか別れられなかったぐらい。結局、別れた今もお母さんからはよく連絡が来て、一緒に遊びに行ってるんですけど。

■“元カレ親デート”“カレ親デート”が普通に 

【原田】元カレのお母さんといまだに仲良し! 親と子供の関係が深くなっているだけじゃなくて、親と子供の恋人との関係も深くなっているんだ! でも、その元カレは山本さんとお母さんの関係を嫌がったりしていないの?

【山本さん】全然。元カレもすごく親子仲が良くて、お母さんと2人で旅行に行ったりしていたから、私が仲良くなったのも喜んでいました。今も特に抵抗はないみたいです。元カレのお母さんとの関係は、今は友達なのかな……。一緒に買い物に行ったりしていて、服もよく買ってくれます。

【原田】それって「元カレ親デート」だよね。そのお母さんにとっては、息子もその彼女も友達っていう感覚なんだね。自分が楽しいからそうしているんだろうけど、息子のほうもそんな母親に抵抗を感じていない。僕の価値観からすると不思議なことだらけだなあ。母親が自分の元カノと2人で遊びに行くなんて、想像もしたくないよ(笑)。「元カレ親デート」とか「カレ親デート」ってそのうちユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされそうだね。

■楽しさ優先の自由すぎる母親たち

【原田】山本さんのケースに関しては、元カレ側の意見も聞いてみたいところだね。男子の中で、当事者になった経験がある人はいるかな? 元カノと自分の母親とが友達だっていう人。

「元カレ親デート」は周囲でも聞くことがあると塩田くん。

【塩田くん】当事者ではないですけど、僕の友人の母親も、山本さんのケースとまったく同じで、友人の元カノとよく遊びに行っているみたいです。友人は男兄弟なので、母親からしたら娘ができたようでうれしいんじゃないかな。でも、別れた後に母親から一応確認されたそうですよ。「これからも元カノちゃんと遊びに行っていい?」って。別に嫌じゃなかったので「いいよ」って答えたそうです。

【原田】確認するってことは、息子の気持ちに配慮はしてるんだね。でも、僕にはやっぱり自分の楽しさ優先に見えるなあ。それって新しい母親像と言えるかもしれない。息子を友達のように捉えているから、その彼女とも友達感覚で付き合うっていう。でも、息子を持つ母親だけなのかな。シオダくんは元カノの母親と友達付き合いが続いたことはないの?

■母娘間で彼氏情報は筒抜け

【塩田くん】僕自身はないですね。周りでも聞かないな。でも息子と母親だけじゃなくて、娘と母親の関係もかなり友達に近いと思います。僕の知り合いの女性も、自分の母親を「○○ちゃん」って名前で呼んでいて、彼氏とのデート内容を全て母親に話していました。しばらくしてその子は彼氏と別れたんですけど、その理由が、○○ちゃんに「あなたの彼氏ビミョーじゃない? もっといい男いるよ」って言われたからだったんです。母娘で女子会みたいなノリで話してるんだなと思って驚きました(笑)。

【原田】典型的な友達母娘だね。男側からしてみたら、何でも話されるのって嫌じゃない? 2人の間のことが全部親に筒抜けって、昔の政略結婚みたいな印象を受けるな。

【塩田くん】うーん、別に嫌じゃないですね。僕も自分の親と仲がいいから、何でも話すほうが普通に思えます。

【岩下くん】今、「相手が親だからこうする」っていう固定観念はなくなっている気がします。僕の場合、何かを話すときも一緒に出かけるときも、親というより1人の人間として見て接する感じですね。何を聞かれても、親だから話したくないとか面倒だとか思わない。友達や先輩後輩に接するのと同じように答えています。

【原田】なるほど。相手が親だからって話題を選んだり、聞かれたことに対して何かを隠したりということがないんだね。それと、息子の彼女と友達になる母親はいても、娘の彼氏と友達になる母親はまだ少ないようだね。

■恋愛関係を親に“隠す派”も

【原田】じゃあ逆に、彼氏彼女を親に紹介しない、友達になんてなってほしくないっていう人はいるかな?

恋人ができても、親には言わない派の井上くん

【井上くん】僕は今まで、彼女ができても親に言ったことは一度もないです。もし言ったら、そのあと中間報告とか別れた報告とかしなきゃいけなくなると思うんですよ。それは面倒くさいから、だったら始めから言いたくない。もちろん友達にもなってほしくないです。

【原田】親に恋愛話を言うのが普通になっているから、逆に隠す子が出てきている、ということだね。昔だったら言わないのが普通だったけど。

【堀井さん】私も、母親には何でも話していますけど、彼氏ができてもそれだけは言わないと思う。絶対あれこれ言ったり聞いたりしてくると思うし、何よりも介入されたくないです。

【橋場さん】私も絶対言わない。きっと「写真見せて」とか言ってくると思うので、そんなの耐えられない(笑)。

■友人の母親を呼び捨てにする女子たち

【原田】やっぱり抵抗を感じる若者もいるんだね。君たち3人は親と仲がいいのに、彼氏彼女に関しては徹底して「隠す派」という点が興味深いな。じゃあ、友達は紹介するのかな。母親が自分の友達と仲良くなったことはある?

【橋場さん】それはあります。周りには友達の母親を、下の名前で呼んでいる子もいます。小さい頃から知っていて信頼関係が築けている間柄になっているからこそ、呼び捨てで呼べるのだと思います。

「友人の母親を下の名前で呼び捨てにする子もいる」と橋場さん

【山本さん】私が仲良くしている元カレの母親も、私だけじゃなくて元カレの友達皆と仲がいいですね。女子だけってわけじゃなくて、男子の友達ともサシ飲みしたりしています。

【原田】ずいぶん距離が近いなあ。母親の意識も僕が若い頃とはかなり違うみたいだけど、若者のほうもそれに抵抗感がなくなっているっていう点が面白いね。皆のご両親はいずれも共働きで、職業は教員、公務員、パートとさまざま。そこから考えると、働く母親が若者とうまく付き合えるようになってきたのかな。

これからは、「母娘ではない40〜50代の女性と20代の女性」という組み合わせが増えるかもしれない。現に、山本さんや塩田くんの友人のケースのように、息子の元カノを誘ってショッピングに出かけて、服を買ってあげたり一緒に飲んだりする母親たちがいるわけですよね。母親も元カノも、お互いに一緒にいて楽しいからそうしている。今後、女性を対象としたマーケティングでは、友達の範囲が年齢や親子関係を超えて広がっている点にも注目する必要があると思います。

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原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。

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(マーケティングアナリスト 原田 曜平 写真=iStock.com)

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