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認知症の親が入る施設に事前に聞くべき"質問"

プレジデントオンライン / 2019年9月14日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dean Mitchell

2025年には700万人に達するといわれる認知症患者。家族はどんな準備をしておけばいいのか。今回、7つのテーマに分けて専門家に聞いた。第3回は「入れる施設」について――。(全7回)
▼入れる施設
グループホーム、特養、サ高住……受け入れてくれるのは?

■退所を迫られる可能性も視野に

親がもし認知症になったら、どのような施設に入居できるのでしょうか。

認知症の診断を受けた人なら、特別養護老人ホームか認知症に特化したグループホーム、もしくは「特定施設」の指定を取っている介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅(サ高住)、ケアハウスなどが選択肢となります。「特定施設」とは、介護型の施設で、施設の職員が24時間態勢で介護を行います。

このうち特別養護老人ホームは、介護保険で入居できる公的な施設で、低コスト。しかし、入りたい人が多く入居待ち期間が長くなるのが難点です。

認知症グループホームは認知症の人が少人数で暮らす施設。自宅のような家庭的な環境のもと、それぞれの役割を分担しながら暮らします。

認知症の懸念がある場合、施設に入居を決める際に注意すべきことがあります。軽度の認知症なら住宅型でも当初は受け入れてもらえるのですが、入居後に認知症が進行すると「出ていってください」といわれることがあるからです。今後認知症が進行するかもしれないという場合は、介護型を選んだほうがいいでしょう。もっとも、介護型の施設の場合も、認知症の症状で暴力的になるとか、他の入居者とトラブルを繰り返す、ということになると入居し続けることが難しくなることもあります。

■個々の施設に見学に行くなどして、確認することも重要

同じ種類の施設でも、施設ごとに運営方針や運営状況、行っているサービスなどが違うため、個々の施設に見学に行くなどして、確認することも重要です。検討する際には、どこで(場所)、どのようなケアを(介護)、いくらで(費用)望むかなど、親本人や兄弟姉妹を交えてしっかり話し合う必要があります。

Getty Images=写真

入居を決める際には、認知症になったときの対応をどうしているかということも確認します。施設長や施設のケアマネジャーに、認知症への対応の仕方を聞いたうえで入居しましょう。今は減ってきていますが、暴力に対して薬でコントロールする、徘徊防止のために部屋に鍵をかけるなど、高齢者虐待と紙一重の対応をとるところもあるので、対応方針をしっかり聞くべきです。私は「もし、認知症による問題行動が起こったときにどうしていますか?」と、今までの事例を聞くことをお勧めしています。

また、認知症の対応に慣れているかどうかという点もチェックしたいポイントです。施設の入居者の中で認知症の方の割合なども聞いておきましょう。

認知症に特化したグループホームは地域密着型で、本人の住民票がある住所地でないと入れないので、原則、親の暮らす地域で探すことになります。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに聞いて、候補にあがった施設へ見学に行ってみましょう。

もし、子供が親を呼び寄せて近くのグループホームに入れようと思う場合は、親の住民票を一定期間、子の自治体に移す必要があります。住んでいる場所によって件数も空き状況も違うので調べてみましょう。

▼施設の対応はこれまでの実例から推測を

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太田 差惠子(おおた・さえこ)
介護・暮らしジャーナリスト/NPO法人パオッコ理事長
遠距離介護、仕事と介護の両立、介護とお金などの視点で情報を発信。『親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版』など著書多数。

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(介護・暮らしジャーナリスト/NPO法人パオッコ理事長 太田 差惠子 構成=生島典子)

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