読書家が注目する「8月のビジネス書」ベスト20
プレジデントオンライン / 2019年9月5日 13時15分
第2位:『学び効率が最大化する インプット大全』(樺沢紫苑、サンクチュアリ出版)
第3位:『一瞬で人生を変えるお金の秘密 happy money』(Ken Honda著、本田健訳、フォレスト出版)
第4位:『問い続ける力』(石川善樹著、筑摩書房)
第5位:『Think clearly』(ロルフ・ドベリ著、安原実津訳、サンマーク出版)
第6位:『共感SNS』(ゆうこす著、幻冬舎)
第7位:『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』(ジェームズ・ブラッドワース著、濱野大道訳、光文社)
第8位:『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(中野ジェームズ修一著、田畑尚吾監修、日経BP)
第9位:『凡人起業』(小原聖誉著、CCCメディアハウス)
第10位:『ランキングのカラクリ』(谷岡一郎著、自由国民社)
第11位:『データ・ドリブン・エコノミー』(森川博之著、ダイヤモンド社)
第12位:『プリンセス・マーケティング』(谷本理恵子著、エムディエヌコーポレーション)
第13位:『社長の条件』(中西宏明/冨山和彦著、文藝春秋)
第14位:『学びを結果に変える アウトプット大全』(樺沢紫苑著、サンクチュアリ出版)
第15位:『「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する Peachのやりくり』(井上慎一著、東洋経済新報社)
第16位:『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング/アンナ・ロスリング・ロンランド著、上杉周作/関美和訳、日経BP)
第17位:『思い邪なし』(北康利著、毎日新聞出版)
第18位:『長友佑都のファットアダプト食事法』(長友佑都著、幻冬舎)
第19位:『メモの魔力』(前田裕二著、幻冬舎)
第20位:『仕事に効くオープンダイアローグ』(鈴木隆著、KADOKAWA)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2019年8月の閲覧数ランキング
■「脳」を鍛えて片づけを得意にする
今月の1位は『片づけ脳』でした。本書がユニークなのは、片づけができない理由を「脳」に見いだし、脳の特性に合わせてアドバイスしている点です。
私たちは「片づけができない」のを、ついつい意識の問題だと思ってしまいがち。ですが、脳内科医である著者によれば、脳の弱い部分を鍛えることで、片づけができる脳=「片づけ脳」になれるといいます。
たかが片づけ、されど片づけ。片づけが得意になれば、心に余裕が生まれ、それ以外のこともテキパキとさばけるようになるはずです。
■「10年後」を見据えてインプットする
記事の公開から11日間の集計期間にもかかわらず、2位にランクインしたのが、『学び効率が最大化する インプット大全』です。ベストセラー『学びを結果に変える アウトプット大全』(14位)の著者・樺沢紫苑氏の最新作であり、注目度の高さが伺えます。
「最終的に重要なのはアウトプットである」という主張は前著から引き継ぎつつ、本書はよりインプットのやり方にフォーカスしています。アウトプットの質を高めるうえでも役立つ内容です。
吸収したさまざまな情報をうまく扱えるかは、日々の心がけ次第。「私たちの心や脳は、10年前のインプットでできている」とは著者の言葉ですが、10年後をよりよくするためにも、今から何をインプットするべきなのか、しっかり考えていきたいものです。
■「あなたのお金は笑っているか」
3位は『一瞬で人生を変えるお金の秘密 happy money』でした。『ユダヤ人大富豪の教え』など、累計700万部のベストセラー作家として知られる本田健氏による、初の英語による書き下ろし作品。本書はその日本語訳です。
お金というと、「どうやって稼ぐか」「どう効果的に使うか」といった表面的なところばかり気になってしまうものですが、本田氏によると、大事なのは「そもそもあなたのお金は笑っているか」という観点を持つことなのだそうです。
お金とどんな関係を築きたいかを考えることは、自分自身の生き方について考えることにもつながります。どうやってお金と向き合うのかを見つめ直すうえで、示唆に富む一冊だと言えるのではないでしょうか。
■よりよい人生を送るための「思考の道具箱」
ここからは4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
4位の『Think Clearly』は、よい人生を送るための方法は「わからない」としたうえで、よりよい人生を送るために使える52の思考法を紹介した、いわば「思考の道具箱」です。何かに行き詰まった時、判断が鈍りそうな時、間違った道を選びそうな時は、まず本書に書かれている思考法を試してみてはいかがでしょう。
そのまま通読するのはもちろん、気まぐれにページをめくり、「気になった思考法を実践してみる」という読み方をしても、得るものは多いと思います。普段は本棚に忍ばせておき、必要に応じて適切な思考法を見つける、という使い方もできそうですね。
■アマゾンに潜入取材したノンフィクション
7位『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』は、低賃金労働者の実態を明らかにするため、著者自らが潜入取材したノンフィクション。取材先にはアマゾンやウーバーも含まれています。
アマゾンやウーバーは先進的な企業として知られていますが、実際の労働環境は好ましいものではないと著者は言います。例えばアマゾンでは正社員になることはおろか、契約期間を満了することさえ難しいとか。一見すると自由な働き方ができるウーバーも、契約によって縛られている部分が非常に大きいそうです。
本書の舞台はイギリスですが、日本でも重なる部分は多いはず。低賃金とされる各業界の現状を理解するために、お読みいただければと思います。
■変化に対応できる経営者の条件とは
最後に紹介するのが、13位『社長の条件』。経団連の中西宏明会長と経営共創基盤の冨山和彦代表取締役CEOによる、まさに骨太の「プロ経営者論」です。経団連会長の考えが書かれている本としても貴重なのですが、今後の日本経済を「自分事」として考えるうえでも、極めて重要な一冊といえるでしょう。
平成時代は、多くの企業が経営不振に陥りました。それは「変化に対応できない経営者が多くいたから」だと著者たちは指摘します。日本はもはや、何もしなくても経済成長の恩恵を受けられる国ではありません。令和をどのような時代にしていくかは、企業のトップがどれだけ強い目的意識と正しい見識を持っているかにかかっています。令和時代の経営戦略を描くためのヒントがここにあります。
今月は『学びを結果に変える アウトプット大全』(14位)、『FACTFULNESS』(16位)、『メモの魔力』(18位)と、ロングセラーが再びランキング入りしました。この3冊は、年間ランキングにも間違いなく入ってくるでしょう。まだお読みでない方も、ぜひご注目いただければと思います。
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(flier編集部)
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