睡眠時に「エアコンつけっぱなし」は是か非か

プレジデントオンライン / 2019年9月27日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MonthiraYodtiwong

Q. 熱帯夜は、エアコンをつけっぱなしでいいか?

■夜中に寝苦しさで目が覚めるなら

2019年の夏も「酷暑だ」と言われていますが、気温が30℃に迫るような寝苦しい熱帯夜は、扇風機の風で我慢するのではなく、クーラーをつけましょう。

睡眠に影響を与えるもののひとつに「自律神経」があります。自律神経は私たちが生きていくうえで欠かせないもので、全身に巡らされ、各臓器の働きや血圧、呼吸、代謝など、心身のすべての活動を24時間休まず調整しています。

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」というまったく異なる働きをする2種類の神経があります。交感神経は、日中、仕事などの活動をしているときや、緊張やストレスを感じるときに活発に働きます。一方、副交感神経には、体や脳を回復させる力があり、リラックスしているとき、特に眠っているときに活発に働きます。つまり、質の高い睡眠を得るためには副交感神経が優位な、リラックスできる環境をつくらなくてはいけないのです。

しかし、暑さは交感神経を刺激し、快適な眠りを妨げます。「クーラー病」という言葉もあるほどで、もちろん部屋の冷やしすぎには注意が必要ですが、気密性の高い現代の日本の家では、暑さ対策をしないほうがリスクが高いです。寝苦しさを感じるほど暑ければ、熱中症対策の意味でも、迷わずクーラーをつけてください。

■睡眠と密接な関係にある「深部体温」

睡眠と密接な関係にある「深部体温」は、夜中にかけて日中より1℃ほど下がります。その1℃の差を計算に入れて、日中のクーラーの設定温度より少し高めの27~28℃にするといいでしょう。クーラーの風が体に直接当たらないよう吹き出し口を調節するか、スウィング設定にするのをお忘れなく。

クーラーをつけっぱなしにするのを嫌ってオフタイマーをかける人がいますが、酷暑の場合、タイマーが切れたら室温が上がって寝苦しくなり、結局夜中に目が覚めて、もう1度タイマーをかけて眠り、数時間後にまた目が覚めて……ということを繰り返すよりは、寝やすい室温で眠りにつき、中途覚醒なしで朝を迎えたほうが睡眠の質が高まります。

クーラー同様、「1カ所に直接風を当て続ける」などの極端な使い方をしなければ、扇風機やサーキュレーターの使用も体に悪いわけではありません。風を直に体に当てるのではなく、壁に当てて部屋の空気を循環させたり、体に当てる場合も首振りに設定するなど、適宜クーラーと併用してください。ベッドに敷く冷却パッドなどの冷感寝具も、劇的な効果が得られない代わりに、体への影響もわずかです。賢く使っていきましょう。

ちなみに、副交感神経優位の状態をつくるには、入浴も有効です。暑い時期はシャワーだけで済ませがちですが、40℃以下のぬるめのお湯にゆっくり浸かってください。入浴により血行が良くなると、心身共にリラックスして、副交感神経が優位に働きます。また、体温よりも高い温度のお湯に浸かることで深部体温が上がり、その後体温が下がる過程で自然と眠気が誘発されます。ただし、寝る直前の入浴はかえって目が覚めてしまいます。寝る1~2時間前の入浴を習慣づけてください。

▼扇風機や冷却パッドも、適宜クーラーと併用して

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白濱 龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
医学博士・日本睡眠学会認定医
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合呼吸器病学修了。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年6月からRESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長。

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(医学博士・日本睡眠学会認定医 白濱 龍太郎 構成=大高志帆)

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