"バタンキューで寝落ち"は深睡眠できていない

プレジデントオンライン / 2019年10月3日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Morsa Images

Q. ソファで寝る夫は健康に悪いか?

■あなたも「隠れ不眠」では

お酒を飲んでいたり、仕事でひどく疲れていたりすると、ソファのような本来は睡眠に適さない環境でも、朝まで眠ってしまうことがあります。ですが、これが「良い睡眠なのか」と問われれば、答えはNOです。

そもそも「ぐっすり眠れている」とは、「深睡眠」がよく取れている状態のことです。深睡眠の間は、途中で目が覚めにくく、脳内に蓄積された疲労物質の除去が行われ、体の機能を修繕したり、免疫力を高めたりする成長ホルモンの分泌が活発になります。そのため、この時間が長いほど疲れが取れ、病気になりにくい体になります。

では、この深睡眠とはどんな状態のことでしょうか。睡眠には大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠があり、そのふたつを繰り返します。レム睡眠は、眠りに入ったタイミングや起きる間際のうとうとと眠っている状態です。その間、筋肉は緩み、体は休息状態になりますが、脳は覚醒に近い状態です。一方、ノンレム睡眠は体を揺すっても起きないほどの深い眠りで、このときは脳も体も休息状態にあります。ノンレム睡眠は眠りの深さによって3つのステージに分かれ、「ステージ3」のもっとも深い眠りが深睡眠です。

■睡眠の質や健康を左右する

深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生し、時間が経つにつれて短くなります。レム睡眠とノンレム睡眠は約90~120分間隔で一巡するので、4時間の間にノンレム睡眠が起きる回数は2~3回。ここでしっかりと深睡眠が取れていないと、脳や体が回復しないまま朝を迎えてしまいます。つまり、眠りの初期の4時間を良いものにすることが、睡眠の質や健康を左右するのです。

しかし、「すぐ眠れる」「睡眠時間は十分」という人の中にも、「隠れ不眠」は存在します。「昼食後に必ず眠くなる」「電車で席に座ると居眠りしてしまう」「毎晩ベッドに入るとバタンキューで寝てしまう」などの人は、十分な深睡眠が取れていない可能性が高いでしょう。「バタンキューで寝る」というのは、ソファでの寝落ちに近いと思いますが、実は気絶に近い状態で脳がシャットダウンしているだけ。「寝入りがいい=よく眠れている」というわけではないのです。

質の高い睡眠のためには寝具選びも重要です。いびきをかく、睡眠時無呼吸症候群であるなどの場合を除き、基本的におすすめしている寝姿勢は、仰向けです。仰向けで寝転んだとき、頚椎から肩にかけてS字のカーブが自然に維持できるのが、自分に合った枕。寝返りを打っても頭が枕から落ちないよう、頭3個分程度の大きさのものを選びましょう。とはいえ、ベストな状態を保てるかはマットレスとの組み合わせ次第です。寝転んだときに体の軸が一直線になるような、ある程度弾力性のあるマットレスを選びましょう。

▼ソファでの寝落ちは、実は気絶に近い状態

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白濱 龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
医学博士・日本睡眠学会認定医
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合呼吸器病学修了。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年6月からRESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長。

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(医学博士・日本睡眠学会認定医 白濱 龍太郎 構成=大高志帆)

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