紀子様が文書で「眞子と圭」の結婚に触れた真意
プレジデントオンライン / 2019年9月25日 11時15分
■「次女の将来については、本人が深く考えること」
秋篠宮紀子さんが誕生日に出した文書が話題になっている。
53歳になった紀子さんが、記者たちの質問に対して、会見ではなく文書で回答した。質問は3点。1つ目は皇嗣妃という新たな立場になったことについて。2つ目は、3人のお子さんたちの近況について。3つ目が、婚約延期以来、世の耳目を集めている眞子さんの結婚問題についてである。
朝日新聞(9月11日付)によると、質問の内容は次のようなものだった。
「眞子さまと小室圭さんの結婚の延期について、母親として眞子さまのお気持ちをどのように感じられ、今後どのように進んでいってほしいとお考えか、現在の状況とともにお聞かせ下さい。結婚について何かアドバイスをされたり、話し合ったりされていることはありますか。佳子さまの結婚や将来についてはいかがですか」
それに対して、紀子さんからの回答は以下であった。
「延期のことも含め、現在、長女は、さまざまな思いを抱えていると思います。このような状況で、長女の気持ちを推測するなどして現状や今後についてお伝えすることは、控えたいと思います。また、次女の将来については、本人が深く考え、歩んでいくことを期待しております。そして、長女も次女も、それぞれがよき人生を歩み、これまで2人の成長を支えてくださった方々にも喜んでいただけるよう、将来を築いていってほしいと願っております」
昨年の秋篠宮の誕生日会見では、「このままでは婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」という発言が飛び出し、騒ぎになったが、今回は一見素っ気ないとも思える回答に、記者たちは失望したようだ。
では、眞子さんの婚約延期を競って報じてきた週刊誌は、この内容をどう受け取ったのだろうか。
■「婚約内定者」といういい方は“不敬”ではないか
『女性セブン』(9/26・10/3号)は、「秋篠宮ご夫妻の間では“まだ一歩も進んでいない”という認識なのではないでしょうか。慶事にかなり厳しい態度だといえるでしょう」(皇室ジャーナリスト)。
さらに加えて皇室関係者の間では、メディアは小室圭のことを「婚約内定者」と呼んでいるが、これは上皇陛下が天皇在位の時に与えられたものだ。もはや2年がたち、御代替(みよが)わりも終えたし、今の天皇陛下からは裁可を与えられてはいないのだから、内定者といういい方は“不敬”に当たるのではないかという声まであると報じている。
『女性自身』(10/1号)では皇室ジャーナリストが、これには重要なメッセージが込められているとしている。
「佳子さまの将来については、ご本人に(深く考え)てほしいと綴られていますが、これは眞子さまの現状を念頭に置いたお言葉ではないでしょうか。眞子さまは“深く考えていない”ために小室さんと決別できずにいる、と紀子さまはお思いなのでしょう。
そして(成長を支えて下さった方々にも喜んでいただけるよう)との一節は、誰よりも上皇陛下と美智子さまを思い描いて綴られたお言葉でしょう。
優しく見守ってこられた上皇ご夫妻をこれ以上悲しませてはならない——。それこそが眞子さまの“暴走”を憂慮する、紀子さまからの切実なメッセージなのです」
■「来年の2月には結婚問題に決着がつく」
行間を深読みし過ぎている気もするが、美智子さんが、秋篠宮家のことを気に懸けていることは間違いない。軽かったとはいえ、乳がんの手術を終え、わずか2日で東大病院を退院され、11日の紀子さんの誕生日を祝う夕食会に出席されたのだから。
「小室さん問題に悩む紀子さまを少しでもねぎらいたい、そして眞子さまとの親子仲を取り持ちたいというお気遣いから、夕食会に出席されたのかもしれません」(皇室担当記者)
これが『週刊女性』(10/1号)になるとガラッと見方が変わるのだ。「来年の2月には結婚問題に決着がつく」、そう秋篠宮家関係者がいっているというのだ。
それまでに金銭トラブルが決着していたらという条件はつくが、「目に見える障害がなくなるため、“再延期”を発表する可能性は低いと聞いています」(同)
来年4月には、秋篠宮の「立皇嗣の礼」が控えているため、その前に決着させたいという意向があるというのである。
今回の文書で、紀子さんがこの問題に深く言及しなかったのは、「ある意図が感じられる」と宮内庁関係者はいう。「結婚問題に関しては、秋篠宮さまと同じように“娘の意志に任せたい”という母親の想いが感じられる」というのだ。
■小室さん側から「解決金」が渡ることで決着する
『週刊女性』は、小室圭の母親・佳代と元婚約者との間に金銭トラブルがあるとスクープした週刊誌である。そのスクープを他誌が後追いして婚約延期という事態に至ったのである。
したがって、元婚約者とのパイプは他誌より太いと考えるのは自然だろう。その『週刊女性』が今回、こう書いているのだ。
8月上旬に佳代の代理人と元婚約者・竹田(仮名)、彼の代理人とが会ったことは、すでにいくつかのメディアで報じられている。多くは進展はないということで一致しているのだが、『週刊女性』の見方は違う。
「竹田さん側の要望は、佳代さんの代理人に伝えられており、次回以降は、さらに具体的な話し合いになることでしょう。双方が“借金”と“贈与”で意見が食い違っている以上、話し合いを重ねて“落としどころ”である金額を決定し、小室さん側から竹田さんに“解決金”などの名目でお金が渡ることで決着すると思われます。トラブルが解決に至るのは、早くて年内なのでは」(皇室ジャーナリスト)
最大の障害が取り除かれれば、両陛下の即位関連儀式が済んだあたりの、来年2月頃に結婚へのスケジュールが発表される可能性が高いと見ているのである。
■「佳代」という名前をつけた新興宗教との蜜月関係
では、『週刊文春』と『週刊新潮』はどうか。このところ『文春』は、眞子&圭情報が少ない。小室圭の奨学金問題も一段落し、2人の結婚への意志も変わらないと見て、報道する意欲をなくしたのかもしれない。
一方の『新潮』は、まだまだ2人の恋路を邪魔するぞと、今度は新手を繰り出してきた。それも、もし事実なら再び厄介な問題になりそうな話だ。
圭の母親、佳代の宗教問題である。以前、佳代の母親と新興宗教との蜜月関係は何度か報じられたが、その後は立ち消えになっていた。
ここへきて、宮内庁関係者によると、佳代の母親が入っていた新興宗教に、彼女も帰依していることがわかったというのである。
「『佳代』という名前はこの教団の関係者が名づけ親のようです。『圭』はもちろん、『佳』から取られたもの。ただ、最近は行事に顔を出す機会はないようです。婚約が暗礁に乗り上げているせいで、表立った活動は控えているのでしょうね」(同)
■公称80万人「大山ねずの命神示教会」の教義
その新興宗教は「大山ねずの命(みこと)神示教会」という。1946年2月、横浜市西区で風呂屋を営んでいた男性が咽頭がんに苦しんでいたところ、「おおやまねずのみこと」なる神が現れ、命を救われたという。その後彼は、神の使者として「供丸斎」と名乗り、現在は集団指導体制を敷いているという。
小室家とこの宗教団体との関わりは40年以上になるというのだ。教団は北海道から鹿児島まで計13の支部を持ち、公称80万人の信者数を誇る。文化庁によると、この教団は、「神道、仏教、キリスト教いずれにも属さない諸教の系統」と規定しているそうである。
この教団は過去に、女性絡みの不祥事や、元信者たちが起こした殺人事件、信者だった元警視総監が当事者になったお布施トラブルなどが起きているそうだ。
『新潮』の筆先は、ここから、1960年代から70年代にかけて、昭和天皇のお后である香淳皇后の絶大な信頼を得ていた女官の話へと広がっていくのである。
この女官、周囲には“魔女”とまでいわれて恐れられていたという。オカルトのようなもので皇后の寵愛を勝ち取り、皇后は、この女官が一緒でなければ訪欧にはいかないとまでいったそうである。昭和天皇は「そんなにいうことをきかなければやめちまえ」と、この女官の罷免を強い口調で求めたと、当時の入江相政侍従長の日記に記してあるという。
結局この女官は、失意のうちに追放されたそうだ。
■「国民が眉を顰める類であれば、問題がないとは言えない」
そんなトラウマが宮内庁にはあるというのだが、これも『新潮』がよくやる牽強付会的手法である。
圭の母親がこの新興宗教に入信していた場合、圭の結婚に支障は出るのだろうか。
皇室ジャーナリストの山下晋司は『新潮』で、「信教の自由は憲法が保障するところです。結婚相手やその家族が宗教に関わっていたからと言って、一概に悪いと決めつけることはできません」といいながら、「その宗教の性質、その宗教との関わり方が、多くの国民の目から見て眉を顰(ひそ)める類であれば、問題がないとは言えないのだろうとは思います」と付け加えている。
どのような宗教団体か、私に判断する材料はないが、もし佳代が信仰しているのであれば、彼女が秋篠宮家側にきちんと話しておくべきだろう。
宮内庁は、元警視総監の西村泰彦次長から、警視庁警備局、神奈川県警を通じてこの宗教団体の情報を得て、秋篠宮にも伝えられていると、『新潮』は書いている。
その流れで『新潮』は警察筋からリークされたのだろうか。
■秋篠宮夫妻は事態が落ち着くことを待っている
話は少し変わるが、『新潮』だけではないが、佳代の写真が他にないのだろうか。『新潮』に掲載されている写真を見ていると、安倍首相のよくいう「印象操作」という言葉が浮かぶ、
このような意地の悪そうな写真が印象付けた彼女のイメージが、眞子&圭の結婚問題に与えた影響は少なくないと思うのだが。
ここで私が何度も書いているように、元婚約者との金銭トラブルは、小室母子が少しだけ歩み寄ることで、解決できるはずである。
その際には必ず、元婚約者から、小室母子のプライバシーを週刊誌にしゃべって迷惑をかけたことを詫びる文書をもらっておくことだ。
秋篠宮夫妻は長女・眞子さんの幸せを願い、事態が落ち着くことを待っているはずだ。今回の紀子さんの文書に表れているのは、静かに娘を見守っていてほしいという母の思いである。
■批判を浴び続けるくらいなら、“結婚”を認めたほうがいい
あれほど2人の結婚に懐疑的だった『新潮』も9/20・27号で、紀子さんが眞子さんの結婚を容認したという記事を掲載していた。
秋篠宮家の事情を知る関係者によれば、紀子さんは、国民が現在、秋篠宮家をどう見ているのかを重々ご承知だという。その上、宮内庁の中にも、秋篠宮夫妻の結婚問題への対応を疑問視する向きもあり、「もはや耐えられない」といった様子だというのである。
思いつめた紀子さんは、「『このまま批判を浴び続けるくらいなら、いっそ“結婚”を認めて発表してしまった方が、まだ良いのかもしれませんね』などと口にされているのです」(同)
娘を思う母親の心は千々に乱れる。だが最後には、娘の望みをかなえさせてやりたい、そこに行き着くのである。
母と娘が、笑って、過ぎ去った日々を懐かしく話し合う日が必ず来る。その傍らには小室圭がいる。そう私は思っている。(文中一部敬称略)
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ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)
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