原油の中東依存度高い日本のタンカーの守り方
プレジデントオンライン / 2019年10月13日 11時15分
■有志連合とは何が違うのか
海賊出没やイランとの関係悪化を踏まえ、米国は友好国に有志連合の結成を求めた。各国がホルムズ海峡へ派兵し、自国のタンカーを護衛するという構想だ。ところが、ほとんど賛同を得られず、名称を「海洋安全保障イニシアチブ」に変更した。有志連合とは、賛同した国々が連携して取り組む軍事行動だ。PKO(国連平和維持活動)と違って国連安全保障理事会の決議が不要で、イラク戦争やイスラム国(IS)掃討作戦でも結成されたが、武力行使を伴うので日本は参加しづらい。双日総合研究所の吉崎達彦チーフエコノミストはこう指摘する。
「有志連合の名称では、物議を醸した集団的自衛権のことも連想させる。今度もなし崩し的に押し切るのかと痛くもない腹を探られかねない」
自国のみならず同盟国が攻撃された場合も反撃できる集団的自衛権に関し、歴代内閣は「憲法9条との関係で行使できない」と解釈してきたが、安倍政権は「一定要件を満たせば可能」として論争を招いた。「自発的」を意味するイニシアチブという名称なら、あくまで自国のための自衛隊派遣と説明しやすい。だが、その理屈だと、厖大な数が通過する中から日本のタンカーだけを護衛することになり「各国が協力し合うのと比べ非効率で現実的でない」(吉崎氏)。日本政府はどうするか。
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金融ジャーナリスト
出版社勤務等を経て1995年に独立し、金融経済の分野を専門に執筆活動を続ける。著書に『「株式新聞」のスゴイ読み方』(廣済堂出版)。
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(金融ジャーナリスト 大西 洋平 写真=時事通信フォト)
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