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明らかに非があるのに謝らない人の"言い分"

プレジデントオンライン / 2019年10月13日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Deagreez

Q. ついグチや不満が出てくる

■できる人か見極める“悪魔のバイブル”

仕事のグチや不満が出てきやすい人にお勧めしたいのが、『働く君に贈る25の言葉』です。この本に書いてあることを着実に行えば成果は確実に表れ、ストレスも軽減できるでしょう。ただし、平易に書かれているので、さらっと読んでしまうと、当たり前のことしか書かれていないようにも見えます。そのため、「そんなことはわかっている」と勘違いし、改善すべき点に気づかず素通りしてしまう人が意外と多いかもしれません。そういう意味では、この本は読む人を二極化してしまう「悪魔のバイブル」ともいえます。

例えば、この本には「相手を尊重する」ことの大切さが書かれています。仕事がうまくいかない理由のほとんどは、相手を尊重するという対人関係の基本ルールを守っていないことに起因しています。「そんなことは当たり前だ」と感じる人は多いかもしれませんが、私の感覚では、9割方の人ができていません。

相手を尊重しないという点で、わかりやすいのは明らかに自分に非があるのに謝らない人です。そういう人に理由を聞くと「下手に謝ると不利になる」というのですが、謝ったからといって、訴訟などで負けて大きな損失を被ることは100%ありません。本当は、プライドが高いために謝りたくないだけなのです。

■失敗して怒られたときほどビジネスチャンス

成功しているビジネスマンは皆、「失敗して怒られたときほどビジネスチャンスがある」といいます。取引先からクレームが来たときに、誠実に謝って対応すると、大抵相手は「怒りすぎてまずかったな」という気持ちになる。そこから仲良くなり、その後大きな契約に結びついたというケースは数多くあるのです。

佐々木常夫 著●著者が、甥の「遼君」(仮名)に向けて、これまで培ってきた社会人として幸せに働き、生きるために求められるエッセンスを説いた1冊。(WAVE出版)

こうした事実をしっかりと理解したうえで仕事に取り組めば、自分がクレームの矢面に立ったときに、「自分ばかり怒られて、上司は逃げてずるい」とグチをこぼすのではなく、「これをうまくチャンスに変えて相手との距離を近づけて、上司を出し抜いてやろう」と前向きに捉えることができるでしょう。

またこの本には、「1週間で営業先50社の販売状況をリポートせよ」という上司の指示に対して、どう仕事を進めるかという話も出てきます。上司が何を考えているのか配慮できない人は、完璧な資料を仕上げて期限の5分前に出そうとします。そして、万が一出来上がらなければ、締め切りギリギリになって不完全な資料を提出する羽目になります。

一方、上司の思いに配慮できる人は、途中で上司の判断を仰ぎます。例えば、30社は集められたが、残りの20社はよくわからないという場合、その状況を上司に報告します。それを聞いて上司が「雑でもいいから50社集めろ」というのか「その30社をもっと深掘りしろ」というのか、その判断によってその後の作業が変わってくるからです。こうした調整を繰り返して期限に到達したとき、上司にとって満足度の高いリポートを提出することができるのです。

この本に書かれている内容は、基本的なことばかりですが、それらを実行できれば、周囲の評価は確実に高まり、グチや不満が出る頻度は劇的に低くなるはずです。

▼上司が逃げたときほどチャンス

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加谷 珪一(かや・けいいち)
経済評論家
1969年、宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BP社に入社。野村証券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。その後独立。

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(経済評論家 加谷 珪一 構成=増田忠英)

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