本の受け売りリーダーシップでは誰も従わない

プレジデントオンライン / 2019年10月14日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SetsukoN

Q. リーダーなのに自信がない

■自分の欠点を探した先に見えるもの

あなたには、理想のリーダー像があるでしょうか。自身のリーダーシップに自信がない人に共通点があるとすれば、それはかつての上司や有名な経営者、スポーツ選手や芸能人などを理想のモデルにしていることです。私もラグビーや仕事を通して、優れたリーダーを数多く見てきました。しかし私自身がリーダーを務めるときのスタイルは、その人たちとはまるで違います。

私は早大ラグビー部の現役時代には主将をやり、卒業後には早大ラグビー部の監督を務め、ラグビー20歳以下の日本代表監督になったこともあります。現在は、リーダー育成のトレーニングを提供する会社の代表も務めています。

しかし私は、いわゆるリーダーらしいキャラクターとは違います。みんなの先頭を走って旗を振るのは得意ではありません。メンバー一人ひとりに自主性をもってもらうのが、私が理想とするスタイル。

優れたリーダーたちをリスペクトする気持ちは大切です。しかし、他人のスタイルを真似する必要はありません。

■自分らしさを生かしたリーダーシップ

最近研究が進むリーダーシップ論として「オーセンティック・リーダーシップ」があります。自分らしさを生かしたリーダーシップこそ、本物だという考え方です。これまでリーダーシップ論の世界では、トップダウン型、カリスマ型、サーバント型など、いくつものタイプが紹介されてきました。そのたびに自分もそうありたいと努力したマネジャーはたくさんいます。しかし実際には、カリスマ型にもサーバント型にもなりきれなかったマネジャーが大多数でしょう。「自分には何か欠けている」と感じた人は多いと思います。

シェル・シルヴァスタイン 著●主人公は、自分に欠けている部分を探す旅に出ます。不完全な自分に納得できなかったから。その旅の先にあるものとは──。(講談社)

それは『ぼくを探しに』の主人公と同じです。私がこの本に出合ったのは、大学で現役を引退したあとでした。読み進めるうちに「ああ、これは私だ」と感じたのをよく覚えています。自分に欠けている部分とどう向き合うか、自分の劣性をどう愛するか、という問題が見事に描かれていると感じました。

早大ラグビー部の主将になったとき、私は1年生から4年生までの部員約150人に毎月レポートを提出してもらっていました。その中には、私への不満、チームへの不満等、何でもいいから書いてもらいました。私のスタイルは、いわばファシリテーター型です。問題が起きたら「集まろうよ」と話し合いの場をつくり、みんなの意見を募る。自分で解決策を示してチームを引っ張ることはほとんどありません。それが私にとっては、自分らしいスタイルなのです。

もう1つ、リーダーとして気をつけているのは、自分を繕わず正直になること。もしマネジャーの役割が果たせなくて、部下から突き上げられているなと思ったら、「自分にはできない」と正直に認める。それで部下の信頼を失うことはありません。部下が信頼しないのは、嘘をついたりごまかしたりする上司。もちろん、開き直るのではありません。「これから努力して、みんなの期待に応える」という約束とセットです。弱みを伝え、強みを生かして組織を動かす。自身のリーダー像を追い求めてみてください。

▼“理想のリーダー像”を捨てる

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中竹 竜二(なかたけ・りゅうじ)
チームボックス代表取締役
早稲田大学卒業後、三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー部監督として2年連続で全国大学選手権で優勝。2019年6月より日本ラグビーフットボール協会理事。

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(チームボックス代表取締役 中竹 竜二 構成=Top communication)

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