「こっそり上司の席に座る」といい部下になれる

プレジデントオンライン / 2019年10月19日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

Q. 上司と折り合いがつかない

■上司とウマが合うことはない

若手社員向けの研修で「上司の立場で考えましょう」と教えることがあります。これは、指示した上司の意図を汲んで業務を進めるという意味ですが、実は簡単なことではありません。

第一に、上司と部下では組織のなかで見えている景色が違います。一般的には上司のほうが重いミッションを与えられ、社内の重要な情報にアクセスでき、多くの社内リソースを使えます。この違いを想像力で埋めるのは至難の業です。

ただし、手がかりがないわけではありません。私がおすすめするのは“上司の疑似体験”です。例えば、残業や休日出勤で職場にいるのが自分1人というときに、上司のデスクに座ってみてください。そこから職場全体を見渡してみる。上司のポジションになったつもりで、その責任や重圧をイメージする。職場の風景が違って見えるはずです。

次に、上司の人間関係を紙に書き出す。上司が中間管理職なら、さらに上司がいる。あなたたち部下がいる。他部署には利害が対立する相手がいる。昇進を競うライバルもいる。もちろん、会社を出れば、家族がいて、友人や仲間がいる。あなたが知らないところは想像で埋めていいでしょう。上司を中心とした相関図を描くのです。

■上司の話し方やしぐさを真似してみる

さらに上司の話し方やしぐさを真似してみるのも1つです。部下への態度、会議中の態度、怒っているときや笑っているときを真似る。ここまでやれば「上司の立場で考える」ことが少しできるようになります。

このように疑似体験をすると、上司の話が以前とは違って聞こえるはずです。さらに、より深く理解するために自分から上司に問いかける。

エドガー・H・シャイン 著/金井壽宏 監訳/原賀真紀子 訳●よい人間関係を築くために「問いかける」ことの大切さを教えてくれる。特に「謙虚に問いかける」ことの鮮やかな効果と人間心理の奥深さに気づくことができるだろう。(英治出版)

「あの上司に質問するのはちょっと……」という方にはいい参考書があります。

ご紹介する『問いかける技術』は、人間関係において「謙虚に問いかける」ことがどれだけ大切かを教えてくれます。上司を声をからして説得するより、1つの問いかけが相手の態度を変えることもあるのです。上司を疑似体験して、謙虚に問いかける。ただし、上司のデスクに座るときは、誰にも見られないようにくれぐれもご注意ください(笑)。

最後にもう1つおすすめしたいことがあります。それは、上司と同じポジションになった自分を想像すること。つまり、未来のあなた自身です。

上司への不満が多い人ほど、自分がマネジャーになると同じことをやりがちです。「あの人は話を聞いてくれない」と陰口を叩いていた人が、実際に自分が上司になると部下の話を聞かない。そして、「あのとき上司が何を考えていたか、この立場になってわかった」としたり顔で言います。これはシミュレーション能力の欠如で、ポジションを利用した卑怯な人だと周りの人には映ってしまいます。

自分が正しいと思うことは、相手が上司だろうと伝えつづける。周りの人たちはずっと見ていますから、「あの人は一貫している」と信頼されます。ウマが合わない上司から学ぶことはたくさんあるのです。

▼こっそり上司の席に座ってみる

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中竹 竜二(なかたけ・りゅうじ)
チームボックス代表取締役
早稲田大学卒業後、三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー部監督として2年連続で全国大学選手権で優勝。2019年6月より日本ラグビーフットボール協会理事。

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(チームボックス代表取締役 中竹 竜二 構成=Top communication)

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