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「自分の味方がいない」と嘆く人に足りない力

プレジデントオンライン / 2019年10月22日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

Q. 相談できる人、味方がいない

■最後に「味方」になってくれる人とは

相談できる人、味方がいないということは、言い換えると信頼できる人がいないということの表れです。でも、誰かに頼りたいのなら、自分も頼られる人間にならないと、信頼関係は成立しません。

相互の信頼関係を構築するためには、こちらから一方的に話をするだけでは駄目。「相談できる人がいない」というとき、あなたはただ「愚痴を聞いてくれる人」を求めていませんか? 一方的に悩みを話すだけでは、相談とはいえません。互いに頼り頼られる関係のためには、あなたが「相談を受ける側」になれるように「聞く力」を身につける必要があるのです。

だからこそ、『プロカウンセラーの聞く技術』で、相談する力ではなく、「相談される力」を学ぶことをおすすめします。カウンセリングの基本は「聞く」こと。そのテクニックが詰まっている一冊です。

年次が上がったり、役職が付けば付くほど、「自分の話を相手が聞く」シチュエーションに慣れてしまうものです。そうして、味方がいないという悩みも抱きがち。そんなときにあなたが相談相手をつくるためには、「俺の話を聞いてくれ」ではなく「君の話を聞かせてくれないか」という姿勢が大切になってきます。本書で紹介される「話を聞く」技術は興味深く、役に立つものばかりです。

例を挙げると、あいづちが単純だと相手も「なんだ、ちゃんと聞いてないな」と感じてしまうので、「なるほど」「はい」「ええ」と何種類も使い分ける。「はい」と返すときでも、「はい」「はい、はい」「はーい」など1種類にしないというアドバイスが書かれています。

■「わかる」という返事は使わない

ほかにも、「わかる」という返事は使わないとも書かれています。理由は、目の前の問題について、そう簡単にわかるわけがないからです(笑)。共感を示すことは大事かもしれないですが、「わかる」と言った瞬間に相手はカチンとくるケースは多いものです。

東山紘久 著●プロのカウンセラーである臨床心理士の著者が「聞き方」のコツと、そこから得られるメリットをわかりやすく解説。(創元社)

そういう「聞く」コミュニケーションの勉強や練習を人と積極的にすること。それが、自分の味方を探す第一歩にもなることでしょう。

「味方がいない」という悩みについてですが、あなたにとっての味方とは、どんな存在なのでしょう。きっと単に「なんでも賛成!」と言ってくれる人という意味ではないでしょう。何か挑戦するとき「ここは大丈夫ですか」と声をかけてくれる。もし失敗しても変わらず接して話を聞いてくれる。そんな存在のことでしょう。そんな信頼を寄せてくれる人こそが、あなたが信頼できる人、味方なのです。

味方を増やすには、役割に応じた行動をきちんと取り続けられることです。上司ならば、部下の問題を解決できているか。励ますことが役割としてあるなら、きちんと励ませているかどうか。問題がそこにあるのに、きちんと対応ができていないことがあると、信頼は決して得られません。相手の話を受け止め、自分が行動を起こす。そうして役割を達成したときこそ、相互の信頼関係ができあがり、「味方」は増えていくのです。

▼あなたの「聞く力」を上げよう

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三谷 宏治(みたに・こうじ)
金沢工業大学虎ノ門大学院教授
1964年、大阪府生まれ。福井県立藤島高校卒。東京大学理学部卒業後、ボストンコンサルティンググループ、アクセンチュアを経て現職。著書に『経営戦略全史』『戦略子育て』など。2019年9月末に『新しい経営学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を刊行。

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(金沢工業大学虎ノ門大学院教授 三谷 宏治 構成=伊藤達也)

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