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100均よりも「300円ショップ」で買うべきモノ

プレジデントオンライン / 2019年10月4日 11時15分

撮影=プレジデントオンライン編集部

100円均一ショップと300円均一ショップは、どう使い分ければいいのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「300円ショップでおすすめなのが、インテリアグッズだ。100円ショップが“便利”を売るのに対し、300円ショップは“世界観”を売っている。賢く使えば、お金をかけずに部屋をセンスアップできる」という――。

■増税で頼りになるのが「均一価格ショップ」

消費税率の引き上げで、日本中にますます節約スイッチが入っている。キャッシュレス支払いでのポイント還元等の景気浮揚策はあるが、別に懐の収入が増えたわけではなく、じゃんじゃん使ってくださいと言われても限界はあるのだ。そして、これまで以上に「安く買える店」を求めて人は動く。その一つが100円ショップや300円ショップといった「均一価格ショップ」だろう。

100円ショップが日本中に根を下ろしたのは、バブル崩壊後の平成デフレ期のことだった。消費が冷え込む中でも手を出してもらえる価格が100円だったといえるだろう。しかし、人件費や材料費などコストがアップする中、あのダイソーですら店頭に200円300円500円の商品を並べ出した。また、2018年には300円ショップ「THREEPPY(スリーピー)」も立ち上げた。令和の時代は、300円ショップの時代になるのだろうか。いや、そもそもわれわれは300円ショップでは何を買えばいいのか。

■300円ショップは「世界観」を売る

100円ショップと300円ショップの明らかな違いは、価格というより戦略の差だ。「個」VS「空間」であり、「便利」VS「世界観」でもある。

シンプルに言えば、暮らしの必需品を売るのではなく、暮らしに彩りや潤いを付加するアイテムを扱うのが300円ショップだ。得意とするのは機能よりもデザイン性で、生活感をなるべく消したい時にこそ威力を発揮する。300円ショップの代表格と言えば「3COINS(スリーコインズ)」。シンプルな生活雑貨が得意なブランドだ。このほかに、よりキュートな雑貨ラインアップが特徴の「CouCou(クゥクゥ)」や「ミカヅキモモコ」などがある。

300円ショップの「世界」はインテリアづくりに威力を発揮する。特にそれを感じるのは3COINSの店内だ。収納グッズやランドリー関連、カーテンやクッションなど生活周りのアイテムが多く、全体的にはナチュラルテイストで、飽きの来ないデザインのものが多い。

また、価格帯も幅広い。300円以下のものもあれば、500~1000円の値札が付いた商品も多く並ぶ。他の300円ショップと比べても、3COINSは300円以外の商品が多いと感じる。

■コスパよく、センスよく、インテリアを整えられる

筆者がいつも感心するのは、収納グッズのクオリティーの高さだ。ふた付きの衣装ケースや、カラーボックスにセットできる収納ボックスなどが充実しており、100円ショップの商品よりサイズや造りがしっかりしている。

100円の収納ケースといえばプラスチックかごの印象があるが、こちらは布張りや自然素材を使ったものが多く、安っぽさを感じない。また、収納グッズの場合、同じアイテムが複数必要になることが多い。1個300円という価格はそれを容易にかなえてくれるのだ。

300円でコスパよく、かつセンスよく暮らしたい消費者は、3COINSでアイテムをそろえればいい。パンチが効いた1個の商品を買うのではなく、同じシリーズを「空間」を作るようにそろいで買う。それができるのが300円ショップの魅力だ。

それを強く感じたのが、ハンガーの売り方だった。プラスチック製のハンガーは10本組、服が滑りにくい加工を施したハンガーは5本組で、どちらも1セット300円となっている。クローゼット内に服が何着あるかは家それぞれだが、10本あるいは5本同じハンガーを使っていれば、買い足すハンガーは同じものがいいと考えるだろう。こうして、クローゼットの「空間」は一気に3COINSの“陣地”になるというわけだ。

金をかけずにインテリアをセンスアップさせたいなら、300円ショップに頼ればいい。それがひとつの正解だと思う。

■傘、保冷バッグ、スマホ関連グッズはお得感がある

300円ショップのもう一つの強みは、300円とは思えない雑貨のクオリティー。3COINSはシンプルな生活雑貨がメインだが、よりキュートさを強めたアイテムの「CouCou(クゥクゥ)」、ティーン女子が喜びそうな雑貨がそろう「ミカヅキモモコ」の商品は、インスタでも華やかさを振りまいている。

しかも「カワイイ」だけでない、300円ならではのお買い得品もある。例えば傘。さすがに100円では入手が難しい傘も、300円ショップなら種類が多い(デザインはかわいらしいのだが)。また、バッグ類のサイズも一回り大きい。アウトドアに役立ちそうな保冷バッグは、2リットルのペットボトルが3本入るビックサイズだ。ランドリーケースは高さ50センチ以上もあり、デザインもなかなかなので服をポンポン投げ込んでもサマになる。女性ものの帽子やスカーフなどのファッションアイテムは、100円ショップより確かにセンスがいい。

また、スマホ関連グッズも人気のようだ。スマホリングやケースなど、女子好みのアイテムが300円で買えるのはお値打ちだろうし、気軽に買い替えられる。液晶保護強化ガラスフィルムも見かけた。家電量販店に比べればかなり財布に優しいと言えるだろう。

■原則は「機能の100円、デザインの300円」

ただし、気を付けるべき点もある。300円ショップで購入後に100円ショップに行くと、同じ機能で価格が3分の1のアイテムを見つけて、がっかりすることがあるのだ。

筆者は300円ショップで珪藻土のスプーンを購入したのだが、その直後に100円ショップで同じようなものを発見した。サイズは若干違ったものの、同機能の商品を3倍の値段で買ってしまったことにかなり落ち込んだ。やはり、「機能の100円、デザインの300円」を原則に、機能重視の商品を買うならまず先に100円ショップをチェックすると、後悔せずにすむだろう。

また、100円のアイテムよりもサイズが大きいものが買えると書いたが、このところ100円ショップでもビッグサイズの収納アイテムやバッグを見かけるようになってきた。雑貨としてのクオリティー面では及ばないが、デザイン面にいっそう力を入れているのがわかる。今や200円300円の商品も同列に並べるようになってきた100円ショップは、今後ますます300円ショップを猛追していくに違いない。

消費税10%で、100円商品は税込み110円に、300円商品は税込み330円となった。値上がり感は否めないだろう。100円ショップで買うべきもの、300円ショップで買うべきものを使い分け、うまく節約に生かしたいものだ。

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松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術 』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。著者公式サイト→【消費経済リサーチルーム】

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(消費経済ジャーナリスト 松崎 のり子)

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