読書家が注目する「9月のビジネス書」ベスト20
プレジデントオンライン / 2019年10月9日 15時15分
第2位:『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(星渉著、KADOKAWA)
第3位:『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル著、大和書房)
第4位:『突破力』(メンタリストDaiGo著、リベラル社)
第5位:『ニュータイプの時代』(山口周著、ダイヤモンド社)
第6位:『論理的思考のコアスキル』(波頭亮著、筑摩書房)
第7位:『学び効率が最大化する インプット大全』(樺沢紫苑著、サンクチュアリ出版)
第8位:『世界で学べ』(大谷真樹著、サンルクス)
第9位:『心を強くする』(サーシャ・バイン著、飛鳥新社)
第10位:『Being Management』(渡辺雅司著、PHP研究所)
第11位:『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』(スティーヴン・マーフィ重松著、サンマーク出版)
第12位:『EQ2.0』(トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス著、サンガ)
第13位:『FUTURE INTELLIGENCE』(スコット・バリー・カウフマン/キャロリン・グレゴワール著、大和書房)
第14位:『転職と副業のかけ算』(moto著、扶桑社)
第15位:『YouTubeの時代』(ケヴィン・アロッカ著、NTT出版)
第16位:『サブスクリプション2.0』(日経クロストレンド編、日経BP)
第17位:『天才とは何か』(ディーン・キース・サイモントン著、大和書房)
第18位:『Think clearly』(ロルフ・ドベリ著、サンマーク出版)
第19位:『ビールの教科書』(青井博幸著、講談社)
第20位:『人生100年時代の稼ぎ方』(勝間和代/久保明彦/和田裕美著、アチーブメント出版)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2019年9月の閲覧数ランキング
■思考の軸を作れば「動ける人」になれる
今月の第1位は『0秒で動け』でした。著者の伊藤羊一氏は、ベストセラーになった『1分で話せ』の著者でもあります。
「動きたいのに動けない」「動かなくてはいけないのに、どこから動くべきなのかわからない」……こうした経験は、誰しも身に覚えがあるでしょう。その一方で、「なぜかわからないが、おもしろいように動ける」という経験をしたこともあるはず。「動けるとき」と「動けないとき」の違いは、どこにあるのでしょうか。
伊藤氏も若い頃、自分から動くことができず悩んでいたそうです。しかし36歳での転職をきっかけに、約10年かけて自分の思考の「軸」を形成していったことで、自ら率先して動けるようになったといいます。
とっぴなアイデアではなく、極めて普遍的な考え方やスキルをまとめている一冊。特に「最初の一歩」を踏み出したい方が読むと、多くのものが得られるでしょう。
■「相手を動かす」コミュニケーションの方法
第2位にランクインしたのは『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』です。「ちゃんと伝えたはずだったのに、なぜ相手はわかってくれないのか」「この相手には話が通じそうにない」と悩んだことはないでしょうか。
本書には「相手を動かす」ためのコミュニケーションのコツが満載です。伝え方や振る舞いを変えるだけで、相手にポジティブな感情を抱かせることができ、思い通りに動かすこともできるといいます。どの方法も納得感があり、著者が「科学的に裏付けされた手法」と書いているのにも、合点がいきます。キーワードは「安心感」と「自己重要感」。具体的な会話例が多く掲載されているので、すぐに応用できるはずです。
ビジネスシーンにおいて、価値観や考え方の違う相手と意思疎通するにあたり、大きな助けとなってくれるに違いありません。
■「ほんとうの自分」に悩んだら読みたいロングセラー
第3位は『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』です。発売は2016年ですが、いまでも読まれているロングセラーで、今回のランキングにも入りました。
著者は「パーソナリティ心理学」の分野で世界的に有名であり、ハーバード大学など多くの有名大学で教鞭(きょうべん)をとっています。ジョークを連発するその授業スタイルから、外交的な振る舞いが得意だと受け取られやすいそうですが、もともとは内向的な性格だといいます。登壇する時は、いつもと違う自分を演じるスイッチを入れているそうです。
「仕事ではいつもと違う自分を演じている」という人は少なくないでしょう。時には「本当の自分とは一体何なのか」と疲れてしまうこともあるはず。本書はそんな人に、すっと手を差し伸べてくれます。他者や自分を深く理解し、よりよく生きるためのヒントが書かれた一冊です。
■新時代を生き抜く「ニュータイプ」になる
ここからは4位以下の中から、注目の書籍をご紹介します。
第4位は、これからの時代に活躍する人材の資質を描いた『ニュータイプの時代』。著者の山口周氏はベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』でも知られる、今注目の著作家です。
本書ではこれまでエリートとされた「オールドタイプ」と比較しつつ、ニュータイプの思考・行動様式を、24の観点から描き出します。ニュータイプの要件の1つは、「プロブレムソルバー(問題解決者)ではなく、アジェンダシェイパー(課題設定者)へ」ということ。「問題を発見し、提起する」ことが、今後ますます重要になってくるといいます。
24の思考・行動様式を1つでも多く頭と身体に染み込ませて、自分なりの「ニュータイプ」を見つけていこう——。新時代をしなやかに生き抜くための、人生戦略の書です。
■「心の知能指数」を高めるテクニック
第12位の『EQ2.0』にもご注目ください。EQ(心の知能指数)とは、自分自身と他者の心の動きを理解し、自分の行動や人間関係を上手にマネジメントする力のこと。仕事で高い成果を上げている人の90%は、EQが高いといいます。
本書はEQを高める66のテクニックを紹介。英語版だけで200万部を突破し、16カ国語に翻訳されています。EQは「自己認識スキル」「自己管理スキル」「社会的認識スキル」「人間関係管理スキル」の4つのスキルに分かれており、自分がどのスキルを重点的に補強すべきかが、本書の診断でわかるようになっています。
こうした認識スキルを伸ばすことが、EQを向上させるには欠かせません。本書は人生にポジティブな変化を生み出すうえで、大きな力になってくれるでしょう。
■「転職」と「副業」を成功させるための戦略
最後に取り上げるのは、第14位『転職と副業のかけ算』。今や、転職も副業も身近なものになりつつありますが、やみくもに転職活動をしたり、副業を探したりしても、なかなかうまくいきません。成功させるためには、やはり戦略が必要です。
この本では「転職」と「副業」をテーマに、今の時代におけるキャリアップや稼ぎ方のコツが具体的に紹介されています。著者のmoto氏は地元の短大を卒業後、新卒でホームセンターに就職したあと、転職を重ねるごとにキャリアアップし、今ではベンチャー企業で営業部長を務めつつ副業を行うことで、総年収5000万を稼ぎ出しているそうです。これぞ徹底したセルフ・マネジメントと行動力の賜物(たまもの)でしょう。
そのまま真似(まね)をしても同じ結果が得られるとはかぎりませんが、本書で紹介されるノウハウのいくつかを真似してみるだけでも、将来のキャリアは違ったものになるはずです。
今月は『学び効率が最大化する インプット大全』(7位)、『Think clearly』(18位)の2冊が、先月に続きトップ20に入りました。来月のランキングにどのような書籍が入るのか、引き続きご注目いただければと思います。
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(flier編集部)
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