苦労するなら"育児より仕事を取る"女子の本音
プレジデントオンライン / 2019年10月27日 11時15分
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塩田 亜多夢くん/慶応義塾大学3年生。強い結婚願望も子育て願望もあり。男性
伊藤 光輝くん/法政大学3年生。結婚も子育ても「ぜひしたい」。男性
富山 連太郎くん/上智大学1年生。将来は結婚も子育てもしたい。男性
田中 雪菜さん/明治大学2年生。結婚はしたいが子なしでいたい派。女性
羽山 未来さん/専修大学4年生。結婚願望も子育て願望もゼロ。女性
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■共通の趣味や価値観、身長という意見も
【原田】最近は、結婚の形も家族のありかたも多様化しているね。でも、事実婚などの選択肢もある中で、将来はやはり結婚したいと考えている若者も少なくない。ではどんな人と結婚したいのか、皆の理想の結婚相手を教えてくれるかな。
【塩田くん】僕は映画や音楽が好きなので、趣味に共通項がある人がいいですね。同じ趣味の人となら、何歳になっても一緒に楽しみ続けられると思います。それと、自分の意見をきちんと言ってくれる人。意見が違っても、どちらかが我慢するのではなくて、2人で話し合って解決していきたいです。
【田中さん】理想は、自分の考えを言語化してくれる人です。「僕はこう考えているけど君はどう?」という姿勢であってほしいですね。結婚したら愛情は劣化していくものだから、一緒に暮らし続けるにはたくさん話して、互いに居心地のいい落としどころを見つけていくことが大事かなと思います。
【伊藤くん】僕は子どもがほしいので子ども好きな人。それと、身長の高い人がいいですね。僕は183cmなんですが、結婚相手も背が高ければ、子どもも高くなると思うので。身長が高いと、スポーツをやりたくなった時に有利なんですよ。
【富山くん】僕は映画を見たり絵を描いたりするのが好きで、自由時間がないとつらい。だから、1人の時間を尊重してくれる人がいいですね。あと、まめに掃除や片付けをする人。特に服の脱ぎっぱなしはNGです。
【羽山さん】結婚はしたくないので、付き合う相手ということだと、干渉し合わずに済む人がいいですね。お互いに自立していて、連絡が密でなくても大丈夫な関係が理想です。
■結婚相手と恋人に求めることは違うのか
【原田】田中さんの「愛情は劣化していくもの」発言にはびっくりだなぁ。いや、結婚の多くはまさにその通りなんだけど、それにしても現実的だね(笑)。伊藤くんは子どもの試合を応援するパパになりたいわけだから、理想の相手もそれを実現できる人ということになるんだね。ところで、今皆が言った理想は、恋人に求めるものとは違うの?
【塩田くん】違いはないかもしれないです。「一緒にいたいと真剣に思う相手」という点では恋人も結婚相手も同じ。大学生になると、中高生時代とは違って、付き合っている相手と一度は結婚を考えてみると思うんですよ。でも、僕は勢いで結婚したくはないですね。留学や就職で遠距離になる可能性もあるから、2人でよく話し合って先々のライフプランを決めていきたいです。
【田中さん】私は、結婚となると相手の家庭環境も考えますね。家族関係が良好かどうか、お姑さんになる人がどんな人か、そういうことは気になります。これが恋人の場合は気にしないと思うんですけど。
【伊藤くん】確かに家庭環境は大事かも。一緒にいて楽しいとか、価値観が似ているとかも重要だけど、結婚相手なら家庭環境も知っておきたいですね。
■“長男問題”はゆるくなってきている
【原田】今は核家族化が進んでいるから、相手の親と同居するケースは少ないだろうけど、それでも気になるんだね。相手だけでなく、その家族も自分の家族になるからということなのかな。意外と昔ながらの考え方というか、堅実なんだね。じゃあ長男はどうなんだろう。結婚したい派の田中さんは、親から「長男はやめておきなさい」って言われたことはある?
【田中さん】ないです。同世代の間でも、そんな話が出たことはないですね。長男が家や墓を継ぐべきとか、地方だとちょっと残っているのかもしれないですけど、周りでは聞いたことがありません。
【原田】実際、今は長男と結婚しても、女性のほうに負担がかかるケースは少なくなっていると言われているよ。親子関係も友達に近いフラットなものになってきているから、一昔前にいた「意地悪な姑」みたいなお母さんも減っているのかもしれないね。
■共働き希望の男子、専業主婦志望が根強い女子
【原田】次は、共働きしたいかどうかを聞いてみたい。昭和の時代は「男は仕事、女は家庭」が主流だったけど、今は共働き家庭も増えているね。男子は、奥さんには働いてほしいと思っているのかな?
【塩田くん】僕がリスペクトする女性はアクティブな方が多いので、仕事で頑張っている女性には結婚相手としての魅力も感じます。ただリスペクトという点では、専業主婦も一緒。本人が専業主婦を希望するなら、その気持ちを尊重して、支えたいです。
【富山くん】高校では、僕も含めて男子の大部分が共働き希望でした。でも、女子の8割は専業主婦希望。大学生になったら、女子のほとんどが働きたいって言っていて、地元との違いにびっくりしました。
【伊藤くん】僕も、地元の愛知県では女子のほとんどが専業主婦希望だったのに、大学では働きたい人が多数派でした。僕自身は、仕事がその人にとって生きがいや自己実現につながるのなら、ぜひ働いてほしいですね。専業主婦希望ならそれもOK。でも、奥さんと子どもを養える自信は今のところないです。
【原田】女性の意見は二極化しているようだね。全国統計では、男性は共働き、女性は専業主婦を望む人が一番多くて、これは「結婚のミスマッチ」と言われているんだ。じゃあ女子は共働きについてどう考えているんだろう。田中さんと羽山さんはずっと働きたいのかな?
■両立がうまくいかなかったら専業主婦に
【羽山さん】私は結婚願望がないので、1人で生きていけるように働き続けるつもりです。この前、女子6人でその話をしたら、専業主婦になりたいのは1人だけでした。他の人は、仕事が優先で結婚は後回しという意見でしたね。でも、それも「仕事しすぎると出会いがなくなるかも」とか、「子どもはほしいけどキャリアアップ中の妊娠は困る」とか、将来の不安とセットでした。
【田中さん】私は結婚後もずっと働きたいです。外部の人と接触して成長したいし、自分が稼げなかったら、夫が失業した時に何もしてあげられなくなっちゃう。それと、自分に仕事と子育てを両立できるとは思えないので、子どもはほしくありません。周りには「働きたい、子どももほしい」という女子が多いんですが、両立がうまくいかなかったら専業主婦になろうと考えているみたい。
【原田】日本はまだ、女性が仕事と子育てを両立しにくい社会。残念ながら、国や会社、夫のサポート次第でキャリアが決まってしまう部分もある。結婚後も働き続けたいという女子は、それを覚悟した上で共働きを望んでいるんだね。男性は共働きを望むなら、女性のそうした覚悟にも目を向ける必要があると思うよ。
近年は、リーダーとして活躍する女性が増える一方で、一般職の人気も再燃しています。将来の結婚や子育てを見据えて、始めから一般職を希望する女子学生も少なくありません。中には、東大卒や慶應卒といった高学歴の女性もいます。彼女たちは、学歴を生かしてバリバリ働くよりも、「どう生きたいか」を軸に進路を決めていると言えるでしょう。共働きを望む男性と、仕事と子育てを二択で考える女性。このミスマッチは、今後ますます広がっていくのかもしれません。
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マーケティングアナリスト
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。
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(マーケティングアナリスト 原田 曜平 写真=iStock.com/kokouu)
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