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「年収240万→1500万」32歳6社目リーマンの鉄則

プレジデントオンライン / 2019年10月23日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/z_wei

32歳のmoto氏は、5回の転職で年収を240万円から1500万円に増やした。年収を増やせる転職のコツとはなにか。moto氏は「市場価値を高めれば年収は自ずと上がる。特に意識しているのは『5つの能力』だ」という――。

※本稿は、moto『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

■全国6350万人のサラリーマンの中で価値を出すには

僕は常に「市場価値」を意識して働いています。

しかし、世の多くのサラリーマンは、会社や上司の評価を重視していると思います。ヒラ社員から課長へ、課長から部長代理へ、部長代理から部長へと「昇進」することが、最も身近なキャリアアップ方法だからです。

たしかに、出世という手段は年収を上げる王道のルートです。しかし、自分の「価値」は、役職だけでは決まりません。役職はあくまでも「社内での役割」であって、社外に出たら、肩書き以上に「自分の実力」を見られます。

日本には、およそ420万という数の会社が存在し、約6530万人のサラリーマンが労働者として働いています。これは極端なたとえ話ですが、もし日本全国のサラリーマンが全員解雇され、約6530万人全員が一斉に転職活動を始めたらどうなるでしょうか。

多くの人は「自分は社内で評価されていたし、最悪でも今までと同じ仕事には就けるだろう」と考えてしまいがちですが、全国には自分よりも圧倒的に高い成果を出せるサラリーマンがたくさんいます。

つまり、転職活動では「上司の評価」や「会社からの評価」ではなく、自分よりも10倍、100倍の実績を出せる人と「転職市場における市場価値」で比較されることになるのです。

■市場価値を高める5つの力

もちろん、社内評価を大事にするのは前提としてありますが、それだけを基準に考えてしまうと、“井の中の蛙”になってしまいます。働くうえでは、上司の評価や会社組織からの評価よりも「自分に対する市場からの評価」に重きを置くことが大切です。

会社の評価は上司にゴマをすれば上がるかもしれませんが、市場からの評価はゴマをすっても上がりません。もちろん、自分のチャンスを掴むためのゴマすりは必要ですが、本質的には「自分で市場からの評価を上げていく」ことが重要です。

そして、この「市場からの評価」は「自分の生産性を高めること」で上がっていくと、僕は考えています。

生産性とは、「会社の業績を伸ばすための本質を見極めて、効率的に行動する力」を指し、5つの要素に分解することができます。

【市場価値(=生産性)を高める5つの力】

①論理的な思考ができる力
②構造的に物事を捉える力
③物事を俯瞰したうえで、課題を特定する力
④課題に対して仮説を立て、誰にでもわかりやすく話せる力
⑤ ①~④を用いて組織をマネジメントする力

字面だけをみると、とても意識が高いように感じますが、年収1000万円を超える求人の多くに、この5つの要件が求められます。

■ホームセンターにいながらでも実力は磨ける

しかし、これらは決して特別な能力ではなく、普段の仕事で誰でも身につけられます。少なくとも僕はホームセンターでレジ打ちをしていた時期に、試行錯誤しながら、生産性――つまり、市場価値を高める5つの能力を磨きました。

この5つの力は、ざっくり要約すると「自分の仕事をちゃんと理解したうえで、どんな人にでもわかりやすく説明できて、行動を伴っている人」を指しています。

少し話は変わりますが、世の中には本当にいろいろな人がいます。自分と同じ業界の人もいれば、まったく違う仕事をしている人や、働いていない人もいます。なかには「インターネットって何?」という人までいるわけです。

今後あなたに求められるのは、この「同じ業界の人」にも「インターネットって何?」という人にも、自分の仕事を「わかりやすく」伝えられる能力です。言い換えるなら、相手が誰であれ、同じ目線に立って物事を伝えられるかどうか、です。

一見、すごく簡単なことのように聞こえますが、やってみると非常に難しい。僕は「小学6年生にもわかるように説明すること」を意識してきましたが、業界や職種が複雑であるほど、この伝える力が問われます。

■置かれた状況を「上流から下流まで」把握する

では、自分の仕事をわかりやすく伝えるにはどうすればいいのか。そのためにはまず、「全体像」を把握することです。「今、自分の会社にはどんな課題があるか?」を説明する際にも「そもそも、なぜそれが問題になっているのか?」という背景を伝えないと、相手には本意の2割も伝わらないからです。

背景まできっちり伝えるためには、自分が置かれた状況を「上流から下流まで」知っておく必要があります。

【業界の状況→会社の課題→部署の役割→自分のミッション】

と、広い視点で見る。そのうえで課題を把握し、解決策を考えて、自分で行動する。この能力が、年収に比例して求められるようになります。

では、これらの能力を日頃の仕事で身につけるにはどうしたらいいのか。

まずは自分の仕事を業界視点、会社視点、自分の仕事視点で人に話せるように「必要な情報」を集めてください。

「同じ業界が海外ではどうなっているのか」、「日本においてこの業界は数年後どうなるか」、「今の会社は業界の中でどんな立ち位置にいて、何をしようとしているのか」、「そのミッションが自分にどう関係してくるか」といった情報を集めていくうちに、自分が知らなかったことが出てくるはずです。

■「言われたことだけやった行動」は意味ない

この作業を繰り返すことで、自分の仕事を「高い位置」から見られるようになり、やっている仕事の先にある「本来の目的」まで捉えられるようになります。

「今まさに手元でやっている仕事にはどんな効果があるのか?」
「クライアントはなぜウチに依頼をして、本当は何を期待しているのか?」

まずはこうした「考え方の癖」を日頃から意識することが必要です。

日々の業務では、自分の目の前の仕事で精一杯になってしまいがちですが、目の前にある木だけを見るのではなく、その後ろにある森を見て、今度は遠くからそれが山であることを把握して、究極的には「山を見ている自分を、その隣で見ている状態」を目指すと、今の仕事の捉え方も大きく変わります。

そして、考えるだけでなく、行動してください。

転職で最も評価されるのは「考えたうえでの行動経験値」です。指示の裏にある背景を理解したうえでの行動ならば、しっかりと評価されます。

逆に、最も評価されないのは「言われたことだけやった行動」です。「なぜこれをやるのか?」を自分で考えないと、自分の思考が停止してしまい、市場での評価は上がりません。上司の指示であっても、「なぜこの指示が下りてきたのか」、「本当にこの指示をやるべきなのか?」という思考を回すことが大切です。

■未経験の仕事に宝の山が潜んでいる

moto『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)

能力を高めるための訓練の場は、「自分が経験したことのない仕事」のなかに潜んでいます。僕にとってそれは、ホームセンター時代の採用業務でした。

世の中で必要とされる「価値の高い能力」を得られる機会は、あなたにも必ずあります。そうした機会を目の前にしながら「どうせ同じ給料なら働かないほうがいい」とか、「上司に評価されないからやらない」と考えてしまうのは、大きな機会損失です。

僕は、会社で生産性を高める機会をもらい、自分の生産性を高めることで転職をして年収を増やす、というサイクルでキャリアを築いてきました。だから今でも、自分を高められる機会があれば、時給を問わずに飛び込んでいます。

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moto 副業リーマン
1987年長野県生まれ。地元の短大を卒業後、地方のホームセンターに入社。リクルートや楽天など、5度の転職を経て、本業年収1500万円、副業年収4000万円を稼ぐサラリーマン。現在は都内の広告ベンチャーで営業部長を務める傍ら、ブログ「転職アンテナ」などを運営。2019年には日本最大級のASP「バリューコマース」から年間MVPとして表彰。各種SNSを通じて、転職や副業、キャリアや営業戦略に関する知見を発信し、Twitterのフォロワーは1年で5万人を突破。

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(副業リーマン moto)

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