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米国の「健康意識が高い層」が選ぶサプリとは

プレジデントオンライン / 2019年11月30日 6時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/kate_sept2004)

多数の企業が参入し、現在の市場規模は320億ドル(約3.5兆円)といわれるアメリカのサプリメント業界。そこで、現地の事情に詳しい日本人医師に取材しました。

■不正表示問題が表面化。健康意識の高い人はよりお金をかけるように

アメリカでは年齢や性別に関係なく、ほとんどの人が何らかのサプリメントを摂取しています。なぜなら日本と比べ、栄養バランスのよい食事を摂るのが困難で、料理をする人が少なく、脂質や塩分の多い外食に頼らざるをえないからです。アレルギーや宗教、食の嗜(し)好(こう)が多様で変えられないことも背景にあり、サプリメントで栄養を補うのが手軽な健康ケアの道となっています。

一般的には、3種類ほど摂取している人が主流。不足している栄養素を全般的に補う「マルチビタミン」と、魚は体にいいけれど頻繁には食べないので「フィッシュオイル」、そして自分の悩みでプラスもう1種類という人が大多数。残念ながら、多くの人が値段やパッケージデザインでサプリメントを選んでいます。

■表示されている成分が一切入っていない

ただし最近では、サプリメントを摂る人の二極化も顕著に。きっかけは、2015年のニューヨークタイムズの記事。米国司法省がニューヨーク州で販売されているサプリメントをランダムに調査したところ、80%の製品に、表示されている成分が一切入っていないことが判明。さらに、35%の製品には、表示されていない成分が含まれていました。

これを受け、サプリメントに対する不信感が募り、健康意識の高い人たちと、一般的な人たちとの間に大きな差が生まれました。それを表したのが、図のピラミッドです。前述した3種類ほどのサプリメントを摂取する一般的な人は図の下の部分にあたります。ピラミッドの上に行くほど健康意識が高く、中レベルまでの人は、食事で足りない栄養を補給するのが目的。

この中・下レベルと、上レベルとの格差が広がっているのです。上レベルの人は、栄養素を補うのはもちろん、医師や有識者の指導をもとに病気予防やアンチエイジングのためにサプリメントを取り入れています。なかには、大きな病気を経験した人や、西洋医学の薬で治らなかった症状を栄養療法で治療する人も。

さらに、上レベルのなかには“エクストリーム”層があり、ここは常に120%のパフォーマンスができるように体を完璧な状態に調整する人です。経営者や芸能関係など、自分の健康が会社の運営に大きく影響するような人々です。ピラミッドの上に行くほど、質の高いサプリメントを求め、目に見える効果を期待し、医師などプロのサポートを受けてサプリメントを選び、健康維持にかける金額も大きくなっていきます。

アメリカで医師からサプリメントのアドバイスを受ける場合は、「Integrativemedicine(統合医療)」または、「Alternative medicine(代替医療)」の知識がある医師にかかる必要があります。こういった医師が処方するのが、ドクターズサプリメント。第三者機関が検査(原料、製造段階、製品、不純物など)をしたもので、審査を経たという証明書とエビデンスがあるものです。サプリメントは薬ではありませんが、質の良い体にあったものを摂れば同様の効果が期待できます。

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小澤 栄治(おざわ・えいじ)
自然療法専門医
米国ロサンゼルス在住。ハーブや栄養学に精通し、病気の原因を取り除き根本的に改善する医療を行っている。

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(自然療法専門医 小澤 栄治 構成=YOKO KOYAMA 写真=iStock.com)

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