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熱心にインスタをやる人ほど、不幸になるワケ

プレジデントオンライン / 2019年10月25日 6時30分

撮影=市来 朋久

東京大学とハーバード大学の両方に合格するなど、「知的不良」として知られる国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさん。今回、プレジデントファミリー編集部ではモーリーさんに「強く生きるための7つのコツ」を聞いた。そのひとつは「SNSには気をつけろ」。どうしてなのか——。

※本稿は、『プレジデントFamily2019年秋号』の記事を一部再編集したものです。

■1 好きなことをとことんやれ

自分の経験からもし若い人にアドバイスするとすれば、最も大事なことは、好きなことを見つけて、それを伸び伸びとやるということでしょう。壁にぶつかったりとか、苦手だけれどやらなければいけないことがあるときでも、好きなことを自分で選んでやっているという意識があれば、前に進む力が出る。

僕自身を振り返っても、小学生の頃、頑張れたのは、日本語を勉強して日本のカルチャーをもっと知りたい、という情熱が自分の中にあったから。逆にいちばんよくないのは、周りが強制すること。医者にしよう、オリンピック選手にしようと、小さい頃から型にはめることはよくない。

ハーバードの同級生で、すぐに燃え尽きてしまった学生がいました。その子はバレエが得意で、モスクワの劇場で踊るほどの才能があり、親に言われるまま帝王学的にいろいろなことを学ばされて、ハーバードに入ってきた。

でも、互いの意見をディベートでガンガンぶつけ合うような授業についていけなくて。その子は結局バレエもやめ、悲惨な感じでした。自分の意志でやっているわけではないから、心が折れてしまうんです。

一方で、数学の天才みたいな同級生もいて、1学期から大学院生を数式で言い負かすレベルで、他の教科の勉強も上手でした。子供の頃からパズルとかルービックキューブが好きで、難しい数学の問題を一人で解いたりしてきたと聞きました。そういうふうに楽しくやってきた子が、最後は伸びるんだと思いますね。

■2 彼氏・彼女をつくれ

もう一つは、コミュニケーション力を磨くこと。アメリカの教育がディベート中心なのは、リベラルと保守、黒人と白人といった、文化的なせめぎ合いが常にある社会ならではのやり方だと思います。

でも、そういう状況はこれから皆さんが生きるグローバル社会の状況そのもの。そこで仕事をしようとか、世界の現実を変えていこうとすれば、議論をし、相手を説得する能力が必要になります。

さらに、自分の苦手なことを克服したいとき、自力だけでなく、それが得意な知り合いの協力を得るという手がありますよね。研究や仕事の世界では当たり前のことで、そのためにもコミュニケーション能力は非常に大事です。

アメリカの高校生の多くが、異性関係を含む社交性のトレーニングにチャレンジするのも、社交性の高い人は人を説得するのも上手だし、将来、社交性が高い人が上に行くという認識があるからです。どうやったらモテるか考えたり、モテる子にコツを聞いて実践して、時には失敗する経験も大事です。

写真=iStock.com/MoreISO
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MoreISO

■3 ハードな奉仕活動をせよ

人を助ける経験も、おすすめしたいですね。ハーバードの学生の多くは、夏休みにインターンをしますが、その中で一目置かれるのは、きつい仕事をやった人です。勉強だけできる人はちょっとバカにされます。

土木工事とか、刑務所のボランティアとか。孤児院で貧しい捨て子を拾って、体を洗って引き取る仕事を手伝ってきましたとか。ハードな体験をしている人のほうが、人の苦労を知っているし、生きていることへの感謝もある。そういう人は、勉強へのモチベーションも高かったですね。

■4 外国のメディアを見ろ

幅広い視点を持つという意味では、欧米メディアのニュースに普段から触れておいたほうがいい。日本のメディアはすみ分けされていて、朝日新聞なら朝日新聞のファン、産経新聞なら産経新聞のファンに向けて書いている印象を強く受けます。

でも欧米のメディアは一般的に、固定ファン以外の読み手や視聴者を想定して、相手を説得しようとします。ディベートの授業と一緒ですね。その論理の組み立てや材料の揃え方は、自分で論理を組み立てたり、人と議論したりするときの参考になりますよ。

■5 SNSには気をつけろ

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とは、距離をおいてほしい。いじめの温床になったり、炎上したりということもありますが、人にどう見られているかを気にしたり、人の注意をひくためのテクニックばかり上達したりして、自分自身を見つめることがおろそかになってしまうから。

イギリスの王立公衆衛生協会(RSPH)は、インスタグラムが若い人の精神的な健康に悪い影響を及ぼしているという調査結果を発表しています。自分の顔写真をかわいく「盛って」アップしても、現実とのギャップは自覚しているので、自己評価がどんどん下がっていくのだとか。そんなものに縛り付けられているなら、外に出て友達と会ったり、いろんなところに行ったりしてほしい。

写真=iStock.com/WanderWomen
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/WanderWomen

■6 体を動かせ

あとは勉強だけでなく体を動かすこと。体の代謝を良くすると、脳の血流が上がるので、知的なパフォーマンスも改善します。ハーバードでも本当にトップクラスの学生たちはほぼ全員といっていいほど、カヌーや登山、ダンスなど、何らかの運動をしていました。

■7 大人の意見は聞くな

それから、大人の意見はあまり気にしないこと。東大やハーバードに合格したとき、それまで僕を問題児扱いしていた大人たちが、手のひらを返したときはがっかりしました。大人はいろいろ言うけれど、それがすべて正しいわけではない。

最後に親御さんに言っておきたいのは、子供の成績や学校のランクに、気をもむ必要はないということです。その子の中にインスピレーションがあることが大事。それさえあれば、パッとしない大学をかろうじて卒業する子でも、のちに目覚めて研究を始めるかもしれない。実際、ノーベル賞を受賞した人も、学部時代必ずしも成績が抜群だったわけではありません。いわゆるサラブレッドみたいな人は少ない。

息長く続くインスピレーションを起こしてくれるものに、本人が出合うことが一番です。そのきっかけ以上のものを、親は提供できないのです。

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モーリー・ロバートソン 国際ジャーナリスト、コメンテーター
1963年ニューヨーク生まれ、広島育ち。家族構成は、アメリカ人で医師の父親と、日本人でジャーナリストの母、弟。1981 年に東京大学、ハーバード大学、イェール大学、スタンフォード大学など複数のアメリカの名門大学に合格。東大は1学期で退学し、ハーバード大学へ入学。その後、ラジオパーソナリティー、ミュージシャン、国際ジャーナリスト、コメンテーターとして活躍。

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(国際ジャーナリスト、コメンテーター モーリー・ロバートソン 文=川口 昌人)

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