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"引きこもりの子供を動かす"親のスゴい声かけ

プレジデントオンライン / 2019年11月9日 15時15分

デール・カーネギー 著、山口 博 訳●相手の理を認める「人を動かす三原則」に始まり、議論を避けたりしながら「人を説得する十二原則」などを紹介。(創元社)

■子どもが自立できない、親離れしない

2019年3月、内閣府が「40~64歳の引きこもり人口は推定約61万人」という調査結果を発表しました。読者の皆さんの身近にも、「成人したのに、家に引きこもっている」という悩みを抱えている人が、少なからずいるかもしれません。

親としては引きこもっている子どもに、「何とか立ち直ってもらいたい」と願うのは、無理もないことです。しかし、結論からいうと、子ども自身に「このままではいけない」と気づかせ、自発的に行動を起こさせるしかないのです。

そのことを理解するために、一読していただきたいのが米国の作家で教育者のデール・カーネギーが著した『人を動かす』です。本書は、人間関係の改善に主眼を置いたハウツー本の古典で、日本だけでも累計500万部を突破したという、世界的な名著です。

私は、「誤解は当然、理解は偶然」と、よくいっています。人間同士がわかり合うのは、とても難しいことなのです。それは、血を分けた親子でも同じこと。とりわけ、日本人は、「子どもなら、以心伝心で自分の気持ちや考え方をわかってもらえる」と考えがちですが、それは幻想にすぎません。子どもは、別人格であり、親とは価値観が全く異なるかもしれないのです。

したがって、親も、子どものことをよく理解し、子どもの気持ちや考え方を受け入れられるように、心がけなければなりません。本書でカーネギーも、次のように述べています。

「人を非難する代わりに、相手を理解するように努めようではないか。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみようではないか。そのほうがよほど得策でもあり、また、面白くもある。そうすれば、同情、寛容、好意も、自ずと生まれ出てくる」

■命令を質問に変え、受け入れてもらう

人間は、きわめて自尊心が強い生き物です。たとえそれが相手のためであっても、押さえつけようとすれば、必ず反抗してきます。たとえ親でも、子どもを動かしたいのなら、力ずくで動かそうとしてはいけません。カーネギーは、こうもいっています。

「議論に勝つ最善の方法は、この世にただ1つしかないという結論に達した。その方法とは――議論を避けることだった」「他人の間違いを指摘するような真似は、いっさいしないことに決めた」

つまり、まず相手の立場を尊重することこそ、相手の心を開かせ、聞く耳を持ってもらうための最善策だと、カーネギーは説いているわけです。さらに、「命令を質問の形に変えると、気持ちよく受け入れられるばかりか、相手に創造性を発揮させることもある。命令が出される過程に何らかの形で参画すれば、誰でもその命令を守る気になる」と述べ、相手の心を傷つけずに自然な形で「気づき」を与えるノウハウも、カーネギーは本書のなかで披露しています。

最後に、読書で1つ注意していただきたいのは、「善は急げ」ということです。『人を動かす』で紹介された方法で、何か自分で試したいやり方があれば、どんどんトライしてみてください。あとは子どものことを信じて、辛抱強く働きかけていくのです。

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小宮 一慶(こみや・かずよし)
小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO
京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学、東京銀行などを経て独立。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』など著書多数。

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(小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO 小宮 一慶 構成=野澤正毅)

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