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FPうなる完璧家計「家族4人で出費は月10万」

プレジデントオンライン / 2019年12月15日 9時15分

Getty Images=写真

リッチな老後を迎えるにはどうすればいいのか。家計をV字回復させる方法について「実物家計簿」を通して解説しよう。第7回は「FPがうなる完璧家計」――。(全7回)

※本稿は、「プレジデント」(2019年10月18日号)の掲載記事を再編集したものです。

■保険料・教育費ゼロゼロ家計で徹底節約

わが家は低所得ではあるものの、生活には満足している。それは現在は非常に少ない支出を実現しているからだ。その理由としては、食費や住居費など基本的な部分がとても安く済んでいることもあるが、保険料と教育費がゼロという部分が大きいだろう。

もし私や妻が怪我や病気で入院しても高額療養費制度で、自己負担は実質3万5400円(住民税非課税世帯の場合)しかかからない。子どもの医療費はそもそも無料だ。超過分は助成されるのだから保険料より安くつく。

1年以上仕事ができなくても困らないだけの貯蓄はある。妻が入院したら私が仕事を増やせばいいし、入院中にオンラインで稼ぐ方法もある。私か妻が死んだとしても残った1人で所得を月15万円程度にすることは難しくない。それで月々に貯金できる額は減るものの、現在の生活が維持できるのだから、わが家のような低コストの家計では必ずしも保険に入る必要性はないのだ。

教育費もかけない。2人の子どもは保育園に通っており、住民税非課税世帯では保育料はゼロだ。逆に児童手当は3歳未満が月1万5000円、3歳から小学校修了前までが月1万円もらえる。わが家の場合、子どもの衣類やおもちゃはほとんどが貰い物か個人売買で揃え、不要になれば転売しているので、かかるのはオムツ代程度。生まれてから子どもに関する収支はずっと手当のほうが多い。

私としても子ども時代は塾や習い事に行くより、遊びに行ってほしい。それでも子どもが勉強したいと言うなら、オンラインでは無料で学習する方法も多くあるので教育費をかける必要はない。小学校に上がったらこづかいは一切与えず、ネット等で小銭を稼ぐ方法を教える予定だ。お金を稼ぐ生きたノウハウを教えるほうが、将来の役に立つはずだ。

日本人は親が子どもの面倒を見ようとしすぎていると感じる。親はお金よりも情報や選択肢を与えれば十分だ。大学に関してもあまり行く意味がないと思っている。しかし本人が自分で進学するほうが、コスパがいいと考えるなら、奨学金を借りればいい。

■マスコミや企業の広告に惑わされるな、見栄と常識は捨てよ

現在住んでいる都営住宅の家賃は2万5000円程度で、所得が低いから入居ができている。都営住宅は抽選倍率が高いが、電車ではなくバス圏内の築古物件であれば定員割れしていることもある。40歳以下のファミリー世帯には当選しやすい優遇もあり、わが家もそれで当選した。低倍率の物件を狙って応募していればそのうち当たるものだ。

食費を月1万円に抑えられているのは、廃棄野菜を激安販売している野菜卸業者から買っている点が大きい。まともな青果店なら1000円近くはしそうな野菜が山盛りのかごで100円だから、1カ月の野菜代は2000円程度。米は田んぼを持つ実家から送ってもらうのでタダだ。普段行くスーパーでも惣菜や魚は一切買わないし、肉は価格の低い鶏ムネ肉の一択。食卓では基本的に野菜炒めや煮物をご飯にかけた丼と汁物のみだが、野菜はたっぷりなので栄養バランスは悪くない。

贅沢な暮らしに興味はないし、子どもとの時間や1人で過ごす時間も十分にあるので現在の生活に満足している。低所得にもかかわらず、毎月10万円の貯蓄はできているし、その一部は資産運用にまわしている。

マスコミや企業の広告にのせられるままにお金のかかる生活を当たり前に選択するのではなく、見栄や常識は捨てて、自分たちの幸せを考えて行動した結果が今のスタイルである。現在、妻は第3子を妊娠中だが、全く家計の不安はない。むしろ児童手当が増えることが楽しみだ。

■ここまできたら思い切って田舎で暮らそう

ここまで完璧な節約を実現している家庭を見たことがない。ファイナンシャルプランナーもお手上げレベル。主婦向けに「節約家計講座」でも開けば和田さんはそれなりに儲かるだろう。もっとも、本人は儲けるつもりもなさそうではある。

一般的な家庭が和田さんから学べることは保険料ゼロというポイントだ。和田さんの言う通り、保険というものは高い水準の生活を維持するために必要なもの。家族4人で月に10万円以下という低水準で生活が成り立っているのなら、たしかに保険などをかける必要がないのだ。

しかし、ひとつ疑問点を挙げるとすれば、なぜわざわざ都会に住んでいるのかという点だ。この収入で満足しているのなら、田舎に行っても仕事はいくらでも見つかるだろうし、家も都営住宅ではなく大きな一軒家に住むことだってできるはずだ。

都会というのは、生活するのにお金はかかるけどその分たくさん稼いで住むところだ。「子ども時代は塾や習い事に行くより、遊びに行ってほしい」というならなおさら田舎暮らしをするべきだ。都会ではそのような環境は整っていないように思える。

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藤川 太(ふじかわ・ふとし)
フィナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、2万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。

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■▼家族構成・収入・支出

(プレジデント編集部)

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