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ずっと"きれいな姿勢"だと、ぎっくり腰になる

プレジデントオンライン / 2019年11月11日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Motortion

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第1回は「座り仕事と立ち仕事」――。(全10回)

■ずっと同じ姿勢だとぎっくり腰になる

当院に腰痛や肩こりで診察に来られる患者さんの多くが、長時間のデスクワークによって発症し、悪化させています。

腰や肩を痛める一番の原因は、姿勢の悪さ、もっと言えば「猫背」です。猫背のまま長時間の業務をしたせいで椎間板を傷め、腰痛や肩こりを患う方が一番多いんです。

腰痛や肩こりのしくみを簡単に言うと、背骨の骨と骨の間には椎間板という軟骨があります。そこがズレることで、腰痛や肩こりを発症するわけです。椎間板はもともとは痛みを感じにくい組織で、少しズレるくらいでは、違和感があるくらいで大きな問題はない。しかし、小さなズレが大きくなって、椎間板の中にある「髄核」が飛び出した瞬間、強烈な痛みが起こるのです。

「ぎっくり腰」と呼ばれるような強い痛みは、重いものを持ち上げるような大きな力によって起こると思われがちですが、猫背のような姿勢をずっととり続けることでも、髄核がズレることがあります。髄核がズレていき、髄核を取り囲む線維輪が破断した瞬間に、急激な強い腰痛が起こるのです。そして、ズレた髄核が背骨の神経を圧迫すると、痛みや痺れが足に及び、坐骨神経痛といわれる症状を引き起こします。このように椎間板の髄核がズレて神経に触れた状態を「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。

■首から肩にかけての筋肉が緊張して、肩こりになる

肩こりも、デスクワークでパソコンを覗き込んだり書類を読んだりすることで起きます。首が前に出る姿勢によって頸椎(頭を支える骨)の椎間板の髄核がズレると、そのズレた椎間板を守ろうとして首から肩にかけての筋肉が緊張して、肩こりになるのです。

では、どうすれば腰痛や肩こりを緩和したり、悪化を予防できるのか。まずは「体を後ろに反らしたら痛みがとれるのか」「体を前に屈めたら痛みがとれるのか」を試してください。約6割の方は、後ろに反らしたときに楽になる「後屈改善型」で、痛みの原因は悪い姿勢、つまり猫背です。前屈すると痛みがとれる人は「前屈改善型」で、原因は後屈改善型と反対に、腰を反らした姿勢をとっているから。どちらも、長時間同じ姿勢をとっていることが原因です。

腰痛の予防にはデスクワークなら、1時間に1回は立って歩いたり、姿勢を変えたりすること。すでに腰痛持ちの場合には、30分ごとにタイマーをセットして、定期的な体操をすることも効果的です。

一方、立ち仕事は腰に負担がないかというと、そんなことはありません。例えば販売、接客のため背筋を伸ばした立ち方を長時間続けると、腰が反りすぎな姿勢によって椎間板の髄核のズレが起きてしまいます。立ち仕事でも、1時間に1回は腰を曲げる動作を行うことが肝要です。

【結論】1時間に1回は立って歩いたり、姿勢を変えたりすること

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銅冶 英雄(どうや・ひでお)
1994年日本医科大学卒業後、千葉大学医学部附属病院などで勤務。米国ウィスコンシン医科大学留学などを経て、2010年お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開設。

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(銅冶 英雄 構成=伊藤達也)

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