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会議で承認欲求の強い発言がウザがられる理由

プレジデントオンライン / 2019年11月16日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Tomwang112

■会議で上司・先輩より目立つ発言

会議で積極的に発言し、意見や提案をすれば自分の能力をアピールできます。議論が活発になるほど会議は有意義なものになるので、そうした発言や意見は歓迎されて当然でしょう。しかし、あまり目立ちすぎると、それを快く思わない人がいるのも事実です。特に上司や先輩の嫉妬には気をつけなければなりません。

嫉妬は人間の防衛本能に由来する感情の1つであり、誰にでも生じますが、嫉妬心が強くなりすぎると理性が働かなくなり、陰湿ないじめのような行動に発展しかねません。陰で誹謗・中傷される懸念さえあるので要注意です。

嫉妬する側の心理として重要なのは、「喪失不安」です。上司や先輩からすると、優秀な後輩や部下は自分のポジションを脅かす存在に見え、自分を追い越して先に昇進するのではないか、自分のポジションが奪われるのではないかという不安に駆られるのです。

精神分析の用語に「現実原則」があり、現実をきちんと直視し、自分にとって不快なことでも受け入れようとする行動原理です。要は損得勘定に基づいて、損になるような行動はしないということです。上司や先輩は自分たちの地位が脅かされる不安にさいなまれ、感情を抑えられず、誹謗・中傷する。現実原則で行動できなくなるわけですが、それによって自身の評価が下がる可能性もあります。

■女性は要注意、男性からの嫉妬

嫉妬というと、どちらも「女」偏の漢字のため、女性に特有のイメージがありますが、実は男性の嫉妬のほうが怖いといっていいほどです。男性同士はもちろんですが、女性に対してはなおさら強くなる傾向が見られます。自分より下だと思っていた女性社員が、会議で目立った発言をしたりすると、激しく嫉妬します。「あいつは枕営業している」などと悪質な噂を流すケースもあるようです。

一方で、嫉妬される側としては、上司や先輩に喪失不安を与えていることを自覚しておいたほうがいいと思います。嫉妬はする側に100%非がありますが、嫉妬されないように心がけることも大切です。嫉妬されると不愉快ですし、誹謗・中傷などで実害を被るかもしれないからです。

まず自分自身を振り返りましょう。会議などで目立つ発言をする人には「承認欲求」が強い傾向があります。よい意見を述べて、周りに認められたいという気持ちが強い。そうした承認欲求は誰にでもありますし、それが努力につながり、成功に導くことも確かです。ただ、承認欲求が強すぎると、他人の鼻につき、嫉妬の対象になりやすい。ですから自分自身と向き合い、承認欲求をうまくコントロールして露骨に出さないようにすることが大切です。

会議で何か発案するときは、上司や先輩に配慮し、周囲の協力や助言、指導のおかげであることを言い添えるとよいでしょう。自分一人のアイデアではないことを示すのです。また、上司や先輩の実績を評価したうえで、「より発展させていくためにこういうやり方はどうでしょうか」というふうに提案するのもよい方法だと思います。

【対策】周囲に対する感謝の一言を添えてみる

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片田 珠美(かただ・たまみ)
精神科医
広島県生まれ。大阪大学医学部卒業。パリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。社会の構造的な問題を精神分析的視点から分析。『怖い凡人』『嫉妬をとめられない人』など著書多数。

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(精神科医 片田 珠美 構成=田之上 信)

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