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筋トレで健康対策「腹筋より背筋が重要なワケ」

プレジデントオンライン / 2019年12月3日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/baona

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第3回は「肥満と痩せ型」――。(全10回)

■骨格が違えば太り方も違う

一口に肥満と言っても、骨格の違いにより脂肪のつき方には特徴があります。前述のとおり、男性は女性と比べて、肋骨の前面下部で左右の弓状の部分(肋骨弓)がおおむね広く、骨盤は広がりがない骨格をしています。

そのため、肋骨の下から太鼓腹がせり出すような状態に脂肪がつき、メタボ検診でいうところの内臓脂肪の多い「リンゴ型」になりがちです。そのため、背中が反り返った姿勢になり、慢性的な腰痛を招く大きな原因となります。

一方、女性は、おおむね肋骨に広がりがなく骨盤が横に開いている骨格で、下腹部やおしり、太ももに皮下脂肪がつきやすいため、太ると下ぶくれの「洋ナシ型」になりやすい。すると、膝や股関節に負担がかかるようになります。また、皮下脂肪のたまりすぎは、女性ホルモンに影響するため、月経異常や不妊になるおそれもあります。

■体のバランスを思えば、鍛えるべきは背筋

では、脂肪がついていない「痩せ型」はどうでしょう。背筋や腹筋が弱くなり、姿勢が前かがみになれば不調を招きます。内臓が圧迫されて胃腸が悪くなったり、肺が圧迫されて広がりにくく呼吸が浅くなりがちです。また、姿勢が崩れると骨盤まわりを支える筋肉が凝り固まり、血流が悪くなり、冷え症やむくみを引き起こします。

このように、もともとの骨盤や肋骨の形状に加え、体型の違いで歪みや痛みが出る部位、症状は変わってきます。

体に負荷をかけないようにするには、若いころからある程度の適正体重を維持することがなにより重要です。今、肥満を指摘されている人は食生活を見直し、適度な運動を取り入れて体重を減らすことを心がけてください。

それから、縮める筋肉である「屈筋」と、伸ばす筋肉である「伸筋」のバランスも大切です。たとえば、体を前に縮める腹筋は屈筋ですが、背中側にある脊柱起立筋などはそれに反して伸びているわけで、伸筋となります。人間の体は伸筋より屈筋のほうが強く、どうしても屈筋の力に引っ張られてしまいます。また、伸筋は年齢とともに衰えやすく、意識して鍛えないと屈筋とのバランスが保てなくなり、体がゆがみやすくなるのです。

筋トレで腹筋を鍛えて6つに割れたら見た目には格好いいですが、体のバランスを思えば、鍛えるべきは背筋です。

もう1つの大きなとらえ方として、体の表面を覆っている大きな筋肉を表層筋、骨にくっついている体の深いところにある筋肉を深層筋といいます。表層筋は動かそうと意識すれば動かせる随意筋ですが、深層筋には、意識しても動かすことができない不随意筋が多くあります。そして、表層筋が硬くなると、深層筋の動きが阻害され、筋肉が凝り固まって、体のバランスが悪くなってしまいます。

ラジオ体操やヨガでも、ストレッチでも構いませんので、表層筋を動かして体を柔らかく保ちましょう。

【結論】適正体重の維持と、屈筋と伸筋のバランスがカギ

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福辻 鋭記(ふくつじ・としき)
アスカ鍼灸治療院院長
日中治療医学研究会会員。施術歴30年以上で5万人以上の治療実績を誇り、「日本の名医50人」に選ばれた鍼灸師。カイロプラクティック、整体なども取り入れた独自の治療法が人気。

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(アスカ鍼灸治療院院長 福辻 鋭記 構成=南雲つぐみ)

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