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読書家が注目する「10月のビジネス書」ベスト20

プレジデントオンライン / 2019年11月5日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bowie15

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、10月にアクセス数の多かったベスト20冊を紹介しよう――。
第1位:『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本哲史著、講談社)
第2位:『5Gビジネス』(亀井卓也著、日本経済新聞出版社)
第3位:『自分の頭で考える』(松村謙三著、KADOKAWA)
第4位:『「いつでも転職できる」を武器にする』(松本利明著、KADOKAWA)
第5位:『時間術大全』(ジェイク・ナップ/ジョン・ゼラツキー著、ダイヤモンド社)
第6位:『グーグルが消える日』(ジョージ・ギルダー著、SBクリエイティブ)
第7位:『好きなことしか本気になれない。』(南章行著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第8位:『佐藤優直伝! 最強の働き方』(佐藤優著、自由国民社)
第9位:『「家族の幸せ」の経済学』(山口慎太郎著、光文社)
第10位:『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』(倉貫義人著、日本能率協会マネジメントセンター)
第11位:『世界にバカは4人いる』(トーマス・エリクソン著、フォレスト出版)
第12位:『「未来のチーム」の作り方』(藤村能光著、扶桑社)
第13位:『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル著、大和書房)
第14位:『心。』(稲盛和夫著、サンマーク出版)
第15位:『心理学的経営』(大沢武志著、PHP研究所)
第16位:『AIに負けない子どもを育てる』(新井紀子著、東洋経済新報社)
第17位:『市場を変えろ』(永井俊輔著、かんき出版)
第18位:『人口で語る世界史』(ポール・モーランド著、文藝春秋)
第19位:『言葉は凝縮するほど、強くなる』(古舘伊知郎著、ワニブックス)
第20位:『転職と副業のかけ算』(moto著、扶桑社)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2019年10月の閲覧数ランキング

■これからの社会を生き延びるには、なにが必要なのか

瀧本哲史『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社)

今月の1位は『僕は君たちに武器を配りたい』でした。2019年8月10日、エンジェル投資家であり京都大学でも教鞭をとっていた瀧本哲史氏が亡くなりました。47歳という若さでした。

本書は、2011年に出版された、瀧本氏の代表作のひとつ。まさに資本主義という戦場を生き延びるための「武器」そのものと言えます。これからの社会を生き延びるには、既存の枠組みの中で努力するのではなく、資本主義のルールをしっかり理解したうえで、アクションしなければならない――瀧本氏はそう説きました。そしてそのためには、自らの教養を深めていくことが不可欠です。

教養とは古臭い選書リストを眺めることではなく、自分が見知らぬ地平を探求していく過程からしか得られません。本書で得られた「武器」を携え、真新しい場所を積極的に切り開いていける人が1人でも多くなることを、きっと瀧本氏も望まれていることでしょう。

■2020年の5G元年にどう備えるのか

亀井卓也『5Gビジネス』(日経文庫)

第2位にランクインしたのは『5Gビジネス』です。2020年は日本にとって5G(第5世代移動システム)元年となります。4Gから5Gへ移行することは、一般的には通信速度アップのための施策として認識されています。しかしそれは5Gの一側面にすぎません。5Gは私たちのライフスタイルそのものを大きく変える可能性を秘めており、あらゆる分野に新たなビジネスチャンスをもたらすでしょう。

本書は5Gという技術そのものを解説するだけでなく、消費者やビジネスに与える影響についても解説した、まさに「5Gビジネス」の入門書です。5Gのもたらすメリットだけでなく、プライバシー情報を抱えるリスクや、都市と地方でのデジタル格差の拡大など、憂慮するべき点についても紹介されています。これからのビジネス環境の変化に関心を持っている人であれば、一度は目を通しておくことをおすすめします。

■ハズキルーペの代表が明かす経営哲学

松村謙三『自分の頭で考える CM賞3冠 ハズキルーペ』(KADOKAWA)

第3位の『自分の頭で考える』は、ハズキルーペを扱うハズキカンパニーの松村謙三会長渾身の一作です。CM賞3冠を飾ったハズキルーペのCMは、広告会社のクリエイターではなく、経営者である松村会長自らが先頭に立って制作していました。だからこそ、広告業界の慣習やしがらみを乗り越えることができたといいます。

また本書では、ハズキルーペという商品ができた経緯についても語られます。松村会長はもともと企業買収と再生を生業としていました。ハズキルーペの誕生も企業買収がきっかけだったようです。有力ファンドたちとの買収交渉のエピソードはスリリングで、ここにも「自分の頭で考える」という著者の哲学が見て取れます。

前例や慣習にとらわれずに動くのは、実際にはなかなか難しいもの。しかし本書を読むと、信念を貫くことの重要性があらためて感じられるのではないでしょうか。

■「ホウレンソウ」ではなく「ザッソウ」

倉貫義人『ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」』(日本能率協会マネジメントセンター)

ここからは4位以下の書籍から、注目の書籍をご紹介します。

まずは、第10位の『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』です。「ザッソウ」とは雑談・相談のことで、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」に代わるフレームワークです。

なぜホウレンソウではなく、ザッソウなのでしょうか。著者の倉貫義人氏は、かつて自ら立ち上げた会社で効率だけを追い求めてしまい、失敗した経験があります。そのときに、気軽に雑談や相談ができることの重要性を学び、「雑談と相談」をすることを「ザッソウ」と名付けて推進するようになったのです。

ザッソウの機会が増えると、お互いの価値観や強み、弱みなどが見えてきます。すると相互理解が深まり、心理的安全性が確保され、新しいアイデアも生まれてきやすくなるそうです。こうした循環ができることで、生産性が上がり、働く人の幸福度も高まるという主張には、説得力があります。チーム力を高めたいすべての方におすすめの一冊です。

■「読解力」ならAIに負けないはずなのに……

新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』(東洋経済新報社)

第16位『AIに負けない子どもを育てる』にもご注目ください。発行部数30万部を記録したベストセラー『AI vs.教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子氏による待望の続編です。

いまある仕事の多くは、今後AIに代替されていくと予想されていますが、AIにも弱点があります。それは「読解力」です。ところが新井氏の調査によると、大人でも、小中学校の教科書レベルの読解力を備えていない人が多かったそうです。

残念ながらいまの教育が続くかぎり、読解力の向上は見込めません。AI時代を生き抜くための「読解力」は、どのような教育によって身につくのか――。本書ではAI時代における教育のあるべき姿と、具体的な改善方法が提言されています。教育に携わる方にはもちろんのこと、いつまでも新しいことを学んでいきたい方にとっても、得るものは大きいです。

■イノベーションに有利なのは「中小企業」

永井俊輔『市場を変えろ 既存産業で奇跡を起こす経営戦略』(かんき出版)

最後にご紹介するのは第17位『市場を変えろ』。近年では事業継承できず、やむなく廃業する中小企業が増えており、これが日本経済の低迷の一因になっていると言われています。こうした企業が力強さを取り戻せば、日本の未来はガラッと変わるかもしれません。

本書がユニークなのは、イノベーションで最も有利なポジションにいるのは、スタートアップでも大企業でもなく、成熟市場にいる中小企業だと指摘しているところです。中小企業の持つレガシー(伝統的なマーケット)に新しいアイデアやテクノロジーを導入し、収益性を高めるためには、どうすればいいのか。その具体的なノウハウが詰まっています。

成熟産業の企業を率いる経営者や社員が、夢の続きを描き、実現するための戦略を学ぶうえで、参考になることは間違いありません。また大企業やベンチャーで働く方にとっても、大いに鼓舞される一冊でしょう。

先月に引き続き月間ランキング入りしたのは、『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(第13位)と『転職と副業のかけ算』(第20位)の2冊でした。来月のランキングはどうなるのか、引き続き注目です。

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flier編集部 本の要約サイトflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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