シンプルにお金が増える、積立投資7つの利点
プレジデントオンライン / 2019年11月7日 11時15分
このコラムではずっと、プレジデントウーマン読者の皆さんに投資信託を活用した積立投資による長期資産形成の必要性と有効性を繰り返しお伝えしてきました。
今回は、「つみたて」がなぜ皆さんに適した投資行動なのかを解き明かしていきましょう。
■1.ちょっとずつなら怖くない
投資を始めようと思うと、日々の値動きが気になって、たとえ将来大きく育つのだと理解していても、相場が下落すれば損しそうと怖くなるものです。積立投資であれば、毎月自分が無理なく拠出できる範囲、たとえば1万円程度から将来に向けて十分意義あるスタートができるのです。友達との食事や飲み会1回分程だと思えれば、長期投資家デビューも気軽に一歩を踏み出せるでしょう。
■2.まとまったお金がなくても誰でも参加できる
投資は何百万円といったまとまったお金がなければ始められない、と思い込んでいる人が多いのです。積立投資ならまだ貯蓄ができていない新社会人や学生でも参加できます。毎月のお給料やバイト代の一部を「つみたて」に充てればいいのですから、世代を問わず誰でも自分の身の丈に合わせて長期投資がスタートできます。将来に向けて本気の資産形成を考えるのなら、最低5000円程度は拠出できるよう、毎月の収入をコントロールしてくださいね。
■3.上がっても下がっても気にならない
積立投資は日々の相場の上下を気にしなくなる。これが最も優れている点でしょう。投資を始めたあと、価格が上がっていればみんな心穏やかに過ごすでしょう。一方で価格が下がっていくと、自身の投資金額が目減りして心が折れると思うのではないでしょうか。「つみたて」なら下がった時は前回より同じものが安く買えます。さらに次の回も下がっていたならより安く仕込めてしまう。そう、相場下落はバーゲンセール期間なのです。この感覚が身に付いたなら、下げ相場はむしろ絶好の仕込み時、と嬉(うれ)しく思えるようになります。この境地に立つことができた人はもう本格的長期投資家の仲間入りです。
■4.相場の下落時は仕込み時
積立投資は価格が高い時は投資信託の口数を少なく買い付け、安い時は多くの口数を買い付けるので、購入単価を平準化させることができます。ここで大事なことは、毎回同じ金額を拠出すること。
プレジデントウーマン読者の皆さんは、ご自身の将来に向けた資産形成の時価は「投資信託の基準価額×保有口数」で把握するということを覚えてください。基準価額は投資信託の運用次第で決まりますが、口数は相場下落時にたくさん買うことによって増やすことができます。つまり長期資産形成におけるポイントは、できるだけ口数を多くすること。したがって下落相場時に自然と多くの口数を仕込むことが可能な「つみたて」は、とても賢い投資行動なのです。それが理解できていれば、相場の上下をむしろ歓迎できるようにさえなりますよ。
■5.人生のリズムにして忘れられる
積立投資は毎月同じ日に同じ金額をいつも買い付けるというシンプルな行動です。ゴールは自分のずっと先にある将来ですから、途中経過を気にするのも不要なこと。毎月のルーティンとして、生活のリズムの中に当たり前のことと組み込んで、普段はご自身の人生で大切な仕事や家族、あるいは夢に向かって努力する時間に想いを注力してほしいのです。
■6.続けるほどに大きく育つ
「つみたて」による資産形成は、長期投資を継続させるための手段です。毎月コツコツと一定金額を拠出し続けていくことで、経済活動へ働きに出るお金が積み上がっていく。長期投資では雪だるま式に増えていく複利効果が発揮されることによって、働いているお金が多いほどその育ち方に加速がつくのは皆さんご存じの通り。そして働くお金を無理せず増やしていくためには、時間を味方につけて積立投資をできるだけ長く続けていくことが重要だとご理解いただけるはずです。
■7.「イデコ」と「つみたてNISA」にベストフィット
私たち生活者の長期資産形成をサポートする「イデコ(個人型確定拠出年金)」と「つみたてNISA」という2つの非課税制度は、共に積立投資を自然に実践させてくれるよう設計されています。すなわち「つみたて」で投資を始めるにあたって、両制度の活用は非常に適しているのです。政府も「つみたて」による長期資産形成を強く勧奨していることが、制度の仕組みからも良くわかることでしょう。
プレジデントウーマン読者の皆さん、将来の豊かな人生創りに向けて「つみたて」の一歩を踏み出しましょう。
次回は積立投資を続けていく上での注意点をお伝えします!
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セゾン投信・代表取締役社長
1987年明治大学卒業、クレディセゾン入社。関連会社資金運用部にて債券のポートフォリオ運用に従事後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用や、海外契約資産の運用アドバイスを手がける。2006年セゾン投信を設立。
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(セゾン投信・代表取締役社長 中野 晴啓 写真=iStock.com)
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