部屋の換気をしないと頭が悪くなる科学的証拠
プレジデントオンライン / 2019年11月24日 11時15分
■仕事の能率や暗記力、論理力に影響
WHO(世界保健機関)が2018年11月、「冬の住宅室内は“18度”以上」を強く勧告した。寒い室内は「脳神経の質」を低下させ、自律神経を乱し、集中力低下を招くことが慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治教授らの研究でもわかっている。
室温以外にも「働く場」の湿度、空気、色が仕事のパフォーマンスに大きな影響をおよぼす。東京大学名誉教授の村上周三氏(建築環境・省エネルギー機構[IBEC]理事長)の研究では、室内の換気量が多いほうが論理系、暗記系テストの成績が向上することも確かめられた。海外の研究では室内に古いカーペットを持ち込むと、その部屋で作業をする人の能力が著しく低下したという報告もある。「湿度」や「室内の色」は、仕事への意欲や、ミスの回数に関係することも確かめられている。
国土交通省は19年度から、労働者の健康増進、知的生産性が向上するオフィスを「ウェルネスオフィス」として認証する取り組みをスタートした。仕事場の環境でも、自らの手で改善できる部分は少なくない。本記事では国内外の最新研究をもとに、読者が自ら改善できる「室内環境」に着目する。
■古いカーペットで、作業能力が著しく低下
まずは図Aを見てほしい。前出の村上氏らが20~40代の社会人を換気量が小さい部屋と大きい部屋に分け、論理系、暗記系のテストを行うと、なんと「換気量大」のほうが両テストとも5~9%も成績が良かったのだ。
「対象者は一級建築士の資格試験受講者、いわゆる勉学に対するモチベーションが非常に高い社会人のため、学習意欲の有無が測定結果に与える影響は小さいでしょう。また、受講者には室内の環境条件を調整していることを知らせず、先入観による影響を極力排除しました」(村上氏)
にもかかわらず、換気量「小」の条件から「大」にすることで、点数にすると論理系では4.7点、暗記系では6.4点も向上した。
基本的に、外よりも室内のほうが空気が汚れている。人間が“汚染源”で、その空気が滞留するためだ。代表的な空気の汚れは二酸化炭素。特に室内の人数が多いと二酸化炭素濃度は短時間で推奨濃度レベル(800~1500ppm)を上回りやすく、空気の質を低下させる。すし詰め状態で会議を行うと眠くなるのがいい例だろう。そこで定期的な「換気」で空気をきれいにすることが大切だ。
しかし、これから冬にかけて暖房をつけているときに換気をしすぎれば、コストがかかる。どの程度の換気を行うといいのだろうか。
村上氏、伊香賀氏らは戸建て住宅を対象に、1時間に換気した量に応じて「空気汚染による被害費用と冷暖房費用」を比較している(図B)。
たとえば図の「0.1」は1時間で室内の10分の1の空気を入れ替える、つまり10時間かけてようやく室内の空気が丸1回入れ替わるということで、これだと冷暖房のコストは少ないものの室内の汚染濃度が高い。「冷暖房費用」と「空気汚染による被害費用」を総合的に考えると、換気回数が1時間に0.5回、つまり部屋の空気を1時間に半分入れ替えるのが最も効率的という結果であった。浴室の換気扇を24時間付けっ放しにすると、1時間0.5回換気に近づく。
だが人の多いオフィスであれば、「1時間に2回程度の換気が必要」と、早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の田辺新一教授は指摘する。
「我々が『知的生産性と疲労度』に関する研究を行うと、空気がよどんでいたり、高温環境下での作業は、脳内酸素消費量が多くなる。そして疲労感が増すことがわかったのです」
成人の場合、たとえ室内が劣悪な環境でも、本人が普段以上の努力をすると作業成績の低下が認められないことがあるが、その代償として「脳疲労に陥る」というから、気をつけたい。
また、換気以外にも空気の質を保つためには、室内の清掃、換気口やエアコンのフィルターなどの手入れが大切だ。デンマーク工科大学が行った研究で、室内のラックに20年使用したカーペットを持ち込むと、タイピストの作業能力が著しく低下したという報告がある。カーペットはタイピストからは見えない位置に置かれたものの、空気の汚染が生産性に影響したと分析されている。
同じく同大の別の研究で新品の換気フィルターで外気量を増やすと知的作業効率が6%アップするが、古いフィルターでは8%も低下するという報告がある。
仕事をする部屋の“空気の新鮮さ”を意識したい。
■室温は脳神経の質に影響を与える
たとえば室温が20度以上とそれ以下では、どちらが「頭が働く」と思うだろうか。もし寒さに耐えて仕事をするほうが「冴えるはず」と思うならそれは大きな勘違いだ。さまざまな研究から冬場の室内は暖かくしたほうが、心身の健康や作業効率にプラスになることがわかっている。
村上氏らの研究によると、子供たちの学習効率は年間を通して25度付近にピークがあると認められており、冬季では室温を22度から23度へ1度上昇させることで学習効率は10.2%、23度から24度への上昇で4.7%向上する結果となっている。ちなみに東京の学習塾において、暖房22度の室温設定条件から23度の条件に1度改善することによるコスト増は、受講生1人あたり年額約2600円と試算されている。
大人の場合は「自宅を暖かく」することが冬場の質のいい睡眠につながるなど、心身への良い影響がある。
WHOは18年11月、住宅と健康に関する新しいガイドラインを発表し、その中で冬の室内温度は「18度以上」(高齢者や子供はさらに暖かく)を強く勧告している。慶應義塾大学伊香賀教授らの研究では「室内が暖かいことで脳神経を“若く”保てる」こともわかった。
「40代から80代までの男女を調査した研究で、冬季の自宅居間の温度が暖かい群(15度以上)は寒い群(10度前後)と比べて脳神経が若くなっています。1度で2歳、5度で10歳の違いが出ています」(伊香賀氏)
自宅内は18度以上を目指すといいだろう。
一方でオフィスでは18度では手足が冷えやすいため、「21度くらいを目安に」(同)したい。足元が冷えると自律神経が乱れ、集中力の低下を招くという。
「職場では天井から温風が出るため、足元が暖まらないんです。私たちの研究で冬場は男性より女性のほうが影響を受けやすいことがわかりました。おそらく基礎代謝が関係するのでしょう。女性は足元が室温マイナス2度低いだけで計算の成績が低下したんです」(同)
自宅もオフィスも冬に冷気がたまりやすいのは断熱性能の低い建物だ。断熱とは文字どおり、冬に外へ逃げていく“熱を断つ”こと。日本の住宅では壁の中の柱と柱の間に断熱材を詰めるケースが多いが、断熱材の「質と厚み」により断熱のレベルが変わるのだ。冬場は窓から熱が逃げやすいため、自宅では内窓をつけたり、窓に断熱シートを貼ると暖房効果が高まる。職場なら窓側にヒーターを置いたり、厚手のソックスを履くなどの防寒対策をしておきたい。
■湿度40%未満は、眠気・やる気の低下に
しかし、冬場に暖房をしっかりかけると、次に気になるのが乾燥だ。日本のオフィスビルなどの建築物を対象にした環境衛生管理に関する法律(建築物衛生法)では「湿度40%以上70%未満」が定められている。だが職場で「乾燥」を感じる人は多いのではないだろうか。実際、大型加湿器が設置されていないと湿度40%以上を保つことは難しい、と複数の専門家が指摘する。理由は2つで、暖房をかけるほど湿度が低下するということ、もう1つは規模が大きいオフィスビルほど湿度が低い外気が常時室内に入ってくるためだ。
特別養護老人ホームで働く介護職員を対象にした国内の研究がある。その老人ホームは入居者の個室には加湿器があるものの、共有スペースにはなく、しかし最近になって順次導入しているという状況であった。同じ施設内に「湿度40%以上の湿潤エリア」と「40%未満の乾燥エリア」が存在するということだ。
すると乾燥エリアで働く職員は、まばたきの回数が増加し、眠気とだるさを訴える率が上昇した(図C)。研究を実施した伊香賀氏が語る。
「することに間違いが多いと自覚する割合が高いのです。まばたきが増えることで視覚情報が少なくなり、ミスが増えた可能性があります。また低湿度環境下では口の中が乾燥することが増え、のども痛くなり、風邪気味の傾向が増えてくる。血流量が減少し、脳への血液循環もうまくいかず、意欲が低下するのでしょう」
加湿器には種類があるが、自宅でエアコンと併用する場合は運転コストが安価な気化式加湿器がお勧めだ。ただしフィルターにカビが生えやすいため、こまめな清掃を。ちなみに睡眠時に室内が乾燥していると中途覚醒やいびきをかく確率が高まり、睡眠の質が低下することが明らかになっている。寝室の湿度も要確認だ。
■昼は青い光、夜はオレンジ色の光
睡眠といえば、照明の使い方でもその質が変わる。夕方以降はできるだけ光を浴びず、照明を使う場合も暖色系のものがいい。体内時計を動かしにくいという報告があるのだ。
17年にノーベル生理学・医学賞の受賞理由にもなった「体内時計」は、仕事の能率に大きく関わる。
ここで簡単に説明しよう。
体内のあらゆる臓器には時計遺伝子が刻む「細胞時計」が存在する。地球の自転に合わせてほぼ24時間のリズムを刻んでいるのだが、これを体内時計と総称する。その仕組みに詳しい明治大学農学部の中村孝博准教授が補足してくれた。
「朝になると体温や血圧が上がって活動の態勢に入り、作業効率がアップして、さまざまな記憶力も良くなります。そして暗くなると睡眠ホルモンが分泌されて眠りに落ちる。私たちが必要な時間にベストパフォーマンスを発揮できるように、体内時計は調整してくれているのです」
しかし体内時計はいつも正確な時を刻んでいるわけではなく、人では平均して24時間より少し長い周期になる。そのため、毎日時計の針を24時間に合わせる調節(リセット)が必要で、それは光(主に朝の太陽光)によって行われる。
「そのため活動したい日中の光の浴び方が足りなければ、体内時計がスムーズに時刻合わせができません。一方で夜に日中と勘違いさせるような光を浴びると、体内時計が誤作動を起こす要因となります」(中村氏)
体内にはさまざまな細胞時計があると述べたが、その司令塔(=中枢時計)が脳に存在する。中枢時計が光を感じて時計を合わせると、臓器などに存在する時計遺伝子(末梢時計)へ神経やホルモンを介して時刻情報を伝える仕組みだ。“大本”が狂うと、体は起きているが、中身は起きていない状況になりやすい。
「海外出張で時差ボケを起こさないためには光を意識すること。短期間の出張なら現地の光を浴びすぎないほうがいい。現地の環境に合った体内時計になってしまいますからね。反対に数週間におよぶ長期出張なら現地の光をしっかり浴びて、体内時計を早く現地時間に合わせたほうが、頭が冴えた状態になります」(同)
網膜にはさまざまな色の波長が届くものの体内時計のリセット効果が高いのは「青い光」。反対に、体内時計を動かしにくいのは暖色系の光。中村氏らの研究で、ブルーライトカットを施したものは体内時計に与える影響が半分になることも判明した。夕方以降に働くならば暖色系の光のもとか、ブルーライトカットを施した照明やパソコンで作業するといい。
■チームワークを高める色は
照明にも色があるが、普段、私たちが目にするのは物体の色のほうだろう。実は仕事中に見ると能率を「上げる色」と「下げる色」がある。
最も避けたい色は白。白1色の環境で作業すると「仕事の速度」にマイナスの影響があり、多くの「エラー」が発生するという研究報告がある(バンコクのモックット王工科大学ラートクラバン校の論文分析)。色彩専門家で住環境のカラーコンサルティングも手がける南涼子氏(日本ユニバーサルカラー協会代表理事)は「とにかく職場に色を取り入れることが大事」と話す。
「無彩色、色がない仕事場が一番良くないんです。色は大脳で認識され、感情の中枢である『扁桃体』や、ホルモンの分泌を促す『視床下部』を刺激する。白は脳に刺激がない状態で、創造性に大きなマイナスです」
色彩豊かな環境で仕事をするとポジティブな影響があることは数多くの報告がある。職場ならパーテーションやブラインド、パソコンの画面、デスクマット、椅子などに色を取り入れやすいのではないだろうか。
カナダのブリティッシュコロンビア大学では6つの課題について600人以上の参加者のパフォーマンスを追跡した。実験はコンピュータで行われ、画面は赤、青、白だった。その結果、赤の画面になると記憶の検索や細かい作業のパフォーマンスが青に比べて31%も向上。逆に、ブレーンストーミングのようなタスクでは青い環境下のほうが創造的なものが生み出されやすかった(米科学誌「サイエンス」電子版より)。
「赤は闘争ホルモンといわれる神経伝達物質アドレナリンの分泌を促し、沈みがちな気分を高揚させて積極性を高める作用がある。脳の興奮レベルを上げ、筋肉を強めて“覚醒”を促します。さらに赤は停止信号や救急車、危険を連想させるため、注意力を必要とされる業務の効率を上げるのでしょう」(南氏)
また別の研究で、大学生の学習パフォーマンスについても、鮮やかな赤の空間で勉強すると課題成績が良かったという報告もある。
「一方で青は沈静色という作用を持ちます。精神を安定させ、海や空、つまり“自由や開放”を連想させるため、創造性を高めると考えられます」(同)
そのため前出のカナダの研究結果には〈新商品の開発会議は青色の部屋で行えばいい〉と記されている。反対に赤を使えば消費者は製品の細部により注目してくれると予測されるため、〈広告や医薬品の注意書き、オフィス教室などの環境デザインで赤を活用できる〉としている。
ただし、赤や青は「体感温度」にも影響するため、夏に赤などの暖色系ばかり見れば暑苦しく感じるし、冬に青っぽい室内にいると一層寒くなる恐れがあることを知っておこう。
また、リラックスルームなど心身を癒やしたい場所は「緑」がいい。
「緑は、自然に目のピントが合い、見るのに余分な力を必要としません。筋肉を弛緩させて緊張を解きほぐし、精神安定にも役立ちます」(同)
本記事冒頭で紹介したウェルネスオフィスの1つとして、国土交通省が紹介するオフィスのリフレッシュルームにも「緑化された空間」「自然を取り入れる」と記載されていた。
回復には緑、もう少し元気で快活に、職場の仲間と軽い打ち合わせなどに用いるなら、黄色やオレンジを。集中したい場所では「おしゃべりが増える」というマイナス点があるため、あまりお勧めできないが、チームワークが必要だったり、心理的距離感を近づけたい場所には向いている色だ。同じように、オレンジや黄色系の洋服を身に着ければ、初対面でもその人に親しみがわく。ちなみにビジネスでの交渉やプレゼンなどの場で身に着けるなら「赤」。南氏によると「相手に力強い印象と威圧感を与え、物事を有利に進められる」という。男性ならネクタイ、女性ならインナーなど“顔の近く”で身に着けると効果的だろう。
■大切な会議や試験前にすべきこと
前項でリフレッシュルームの「色」を紹介した。それでは次に、その間の「過ごし方」はどうだろう。
知る人も多いと思うが、日本の仕事中の座位時間は世界1位だ。長時間座っていることで血糖値が上昇するなど健康に悪影響を及ぼすことがわかっている。したがって休憩時間も体を動かすほうが良さそうだと予測できるが、そのとおり、実際に研究結果でもそれが示されている。
慶應義塾大学の伊香賀研究室では男子学生を対象に、「自席(座位)休憩」群と「歩行・立ち休憩(身体活動)」群に分けて調査を行った。休憩時間は作業と作業の合間の15分。すると休憩後の作業時の「眠気」が、踏み台昇降などの身体活動群では約13%だったのに対し、座位休憩は約38%と高率であった(図E)。
伊香賀氏は「身体活動によって交感神経が活性化され、覚醒をもたらす」と分析する。
身体活動は子供の学習効率にも良い影響を与えることがわかっている。ハーバード大学医学部の研究では、米国イリノイ州203学区の高校生を対象に登校後10分間のランニングを実施させた。その後に勉強させると、生徒の成績が17%向上したという。ランニングにより、最大心拍数が75~90%となり、脳血流が増加して脳が活性化したためとみられる。
また、よく「運動のできる子は勉強の成績も良い」などといわれるが、事実、体力と学力は比例する。国内の小学生の学力テストと体力テストの成績を伊香賀研究室で分析すると、やはり体力テストの成績が良い地域ほど学力テストの結果が良い。ただし、また別の調査方法で調べると、日常的に活発な子供は朝に身体活動を行うことで学習効率が向上する一方で、もともと活動量の少ない子供が朝に突然運動をするのはかえってその後の学習効率を低下させる傾向もある。
「日頃活動的でない生徒にとっては学習効率がほぼ変わらず、むしろ運動をしたあとのほうが低めの傾向にあります。体力がないため、学習前に運動をすることで疲れ気味になってしまうのでしょう」(伊香賀氏)
まずは普段の生活の活動レベルを上げる、通勤や通学を利用して積極的に歩こう。エスカレーターでなく階段を利用するといい。
■窓が見える場所で休めば、創造力アップ
休憩の過ごし方のポイントは「身体活動」だとして、次に「場所」はどうだろうか。前出の男子学生を対象に、今度は休憩場所を次の5パターンに変化させて調査した。
(1)仕事場の自席で休憩
(2)仕事場の自席で11分の休憩と屋内歩行4分
(3)窓が見える屋内で休憩
(4)屋内の緑化スペースで休憩
(5)屋外休憩スペースで休憩
その後の作業では、「単純作業」の効率には有意差がなかったものの「創造作業の効率」で3、4、5が有意に成績が良かったのだ(図F)。
「休憩では身体活動だけでなく、共用空間、つまりリフレッシュスペースの環境がさらなる知的生産性の向上に役立つと考えられます」(同)
仕事場の空気は新鮮さを、温度や湿度は一定を保ち、照明は時間帯によって変化させる。さらに殺風景な室内ではなく彩りを取り入れ、オン(仕事中)とオフ(休憩)の動作にメリハリをつける。能力を最大限発揮できるような環境を、自らの手で整えたい。
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ジャーナリスト
1978年生まれ。「サンデー毎日」記者を経てフリーランスに。著書に『不可能とは、可能性だ パラリンピック金メダリスト新田佳浩の挑戦』(金の星社)、『週刊文春 老けない最強食』『週刊文春 温かい家は寿命を延ばす』(ともに文藝春秋)『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)がある。
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(ジャーナリスト 笹井 恵里子)
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