靴は「大は小をかねる」は根本から間違っている
プレジデントオンライン / 2020年1月11日 11時15分
■運動靴と革靴、同サイズ購入はNG
あなたは自分にぴったりの靴を履いている自信はあるだろうか。
腰痛・膝痛予防を考えるときに靴を思い浮かべる人は少数かもしれないが、正しい靴の選び方ひとつでも、腰痛・膝痛防止は可能である。
自分の足にきちんと合った靴を履き左右バランスを整えて歩くことで、体に偏った負荷がかかりにくくなり、結果として腰痛・膝痛の予防になる。
逆に言えば、デザインだけを重視して、足に合わないサイズを長時間履き続けると、歩行や姿勢がゆがみ、腰や膝に無駄な負担がかかってしまう。
大手総合スポーツ用品メーカー・アシックスが調べたところによると、日本人男性の約52%、2人に1人が間違った靴選びをしているという(調査対象61名)。なかでも多い間違いは「実際の足サイズより大きめの靴を履いている」というもの。
これはおそらく、運動靴と同じ感覚で紳士靴のサイズを選んでいることが原因ではないかと、アシックスウォーキング統括部では推測している。
同部マネジャーの木村康弘氏によると、「靴のサイズはJIS規格に基づき決められますが、運動靴と紳士靴では基準が異なります。
運動靴は『捨て寸』と呼ばれるつま先の余裕分が含まれない実寸サイズ設計に対し、紳士靴のサイズは足が前スベリしてもつま先に当たらないように余裕がある設計なのです。
そのため、例えば運動靴で27センチメートルがちょうどいい人の場合、紳士靴は25.5~26センチメートルでよいということになります。さらに、足にぴったりしすぎると小さく感じ、ゆとりがあるほうが楽に感じることからも、大きめを選ばれる傾向にあるようです。
しかし靴内に余計なゆとりがあるということは、足と靴に隙間ができ、足には靴が脱げないよう余計な力が入り、それが腰や膝に負担をかける原因にもなりかねません」と語る。
さらに、「歩く動作には、接地と安定、そして蹴り出しの3つがあります。これらの動作をスムーズにできる機能を持つ靴を選ぶことで、腰や膝に偏った負荷をかけることなく歩行できます」と木村氏。
■足の形は50歳を境に変化する
足の裏には体を支える3つの支点がある。かかと、母趾球(親指の付け根)、小趾球(小指の付け根)、これら3つの支点を結んだ3辺のアーチを指す。3つのアーチが、接地時のクッションや蹴り出しのバネの役割を担うのだが、アーチは加齢により潰れやすくなる。
これまで履きなれた靴が合わなくなったと感じたら、アーチが変形した可能性も考えられる。
靴は人に履かれることで日々消耗するため、毎日同じ靴ばかりを履き続けると、寿命は短くなる。
できれば1日おきに違う靴を履くほうがいいようだ。お気に入りの靴を2~3足履きまわす習慣をつけておくと、靴が長持ちするのはもちろんのこと、いずれかが廃番になり買い替えや修理ができなくなったときにも困らない。
木村氏によると、ぴったり合う靴は加齢によっても変わるという。
「スポーツ工学研究所の調べでは、足の形や重心は50歳を境に変化します。長年体重をかけ続けることで、母趾球と小趾球を結ぶ横アーチが潰れやすくなるため、足幅が外側に広がります。外側に広がると重心も外側にかかるようになるなど変化し、結果として歩きやすいと感じる靴も変わってくるのです」(※一部には内側に広がる人もいる)
■快適な靴を履けば、運動意識も高まる
併せて、特に紐靴は都度、紐を結びながらフィッティングして履いてほしいと木村氏。
「靴ベラを使わなくても履けるほど余裕がある状態は、サイズが大きいということになります。歩くときにパカパカとかかとが靴から浮くのは格好いいものではないですし、何より足が無理をして靴を履いているわけですから、姿勢が崩れやすくなりますし、腰痛・膝痛に繋がりかねません」(木村氏)
良心的な靴屋であれば無料で足の計測をしたり、足の形状に合わせ靴の微調整もおこなってくれる。そのような対応をしてくれる店を選ぶのもポイントだ。
自分の足にぴったり合う靴を履いていれば当然歩きやすくなり、余分な力がかからなくなるため、腰や膝への負担も予防できる。
長時間歩行への苦痛が軽減されれば、一駅分歩いてみようとか、エスカレーターを使わず階段にしようとか、運動意識も自然に上げられるだろう。
■▼靴に求められる8つの機能
(力武 亜矢、プレジデント編集部 図版作成=大橋昭一)
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