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口が軽い人が「誰にも言わないで」を無視する訳

プレジデントオンライン / 2019年12月1日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PRImageFactory

■秘密を守れない人は、どうして守れないのか

誰にも言うなと言ったのに、5分後には周囲に言いふらしている口の軽い人。対して、口外しないことを律義に守り、墓場まで持っていける口の堅い人。

秘密を話すなら後者に限ります。見分け方として、大きく3つのポイントがあります。

1つ目はルールを守るかどうか。口が堅い人は「誰にも言わないで」と言われたら、口外してはいけないというルールを守ろうとします。対して、口が軽い人は秘密の話を他者にすることに抵抗がありません。前者は勤勉性や誠実性が、後者は開放性が高い、という特性を持っているとも言えます。

2つ目は秘密の話をすることで、人間関係が変わる可能性を想像し、不安に感じているかどうか。口が堅い人は、秘密の話がコミュニティ内に広まると、何か悪いことが起きるかもしれないと不安感を抱きます。自分が秘密をバラしてしまったことが、本人に知られたら……というところまで想像すると心配になって、軽はずみな行動を避けようとするタイプです。

「喋ってしまうと、本人に申し訳ないな」と、相手が悲しむ気持ちを考えたうえで秘密を守るタイプもいます。対して、口が軽い人にはその発想がありません。むしろ、秘密の話を口にすることで、人間関係が円滑になると考えている節があります。

3つ目は「報酬」を得たいかどうか。よりわかりやすく言い換えると、自分の評価を上げたいかどうか。口が軽い人は「実は私、こんな面白い話を知ってるんだ」と、秘密の話を他者に伝えることで、その場での自分の評価を高めようとする傾向があります。今が良ければそれでいいという考えで、半ば衝動的に秘密の話をするのです。

■自分の株を上げたい! このタイプには要注意

周囲を喜ばせたり、楽しませたりすることで、手っ取り早く刺激を得ようとする「刺激希求性」の持ち主です。

一般的には、外向的な性格の人のほうが、内向的な性格の人よりも刺激希求性が高いとされます。外向的な人はひとりでいるよりも誰かと一緒にいて、周りからの刺激を求める傾向があります。対して、内向的な人はひとりでいることが苦ではなく、自分の中だけで刺激をつくり出せるのです。

一方、口が堅い人は先のことまで考えます。秘密の話をして自分の評価を一時的に上げても、近い将来「あの人は口が軽い」と認識され、結果的には自分の評価が低くなるかもしれないと見越すため、そのような行動には出ません。

例えば、翌朝、早く起きなければいけないとわかっているにもかかわらず、「今が楽しければいいんだ!」と遅い時間までお酒を飲む人と、翌朝余裕を持って起きるためにさっと帰る人がいれば、前者は口が軽い人である可能性があります。

ただ、口が軽い人なのか、堅い人なのかは、ひとつの行動からはジャッジできません。関連する一連の行動を観察して、この人は口が堅いか、軽いか、総合的な視点から見極める必要があると言えるでしょう。

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小塩 真司 心理学者
早稲田大学文学学術院教授。パーソナリティ心理学に詳しい。著書に『性格がいい人、悪い人の科学』ほか。3児の父。

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(心理学者 小塩 真司 構成=池田園子)

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