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令和に入っても続く"主婦友いびり"のムラ社会

プレジデントオンライン / 2019年12月26日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sanjagrujic

■「気にしないふり」を練習で身につける

自分の夫よりいい勤務先で、出世が早くて癪に障る――。嫉妬する人は、自分より上位の人を見ると、自らの存在が脅かされたと察知し、「相手を叩いて心理的に貶めてやろう」という意識を働かせます。そこでチクッと嫌みを言う。“標的”である相手が悲しくなったり怒りに震えたりするのを見て安心するんですね。

一方、親戚やご近所から嫉妬された方は、逃げ場がないのでほとほと困ります。賃貸なら引っ越せば解消できますが、逃げられなければ心理的ダメージは続きます。酷くなれば「学習性無力感」(長期にわたりストレスの回避困難な環境に置かれ、やる気がおきない無気力状態になる)に陥ります。例えるなら、賽の河原で延々と石積みをさせられる状態。

そんな嫉妬からどう逃げればいいか。心理テクニック的には「気にしないふり」です。鈍感で気づかないふりをすることが対抗策としては抜群の効果を発揮します。「この人バカなんじゃないの」「いま、突っついたのに、わかってないな」と思わせるんです。

もし相手が「お宅は、一流企業にお勤めだから恵まれているし、やっぱりうちなんかとは違いますわねぇ」などと嫌みを言ってきたら「そうなんですかねー。うーん、じつは苦労も多いんですが、感謝が足りないかもですね」とさらっと流す。

■こっちだって寝てないんだよ!

ところが、これを即興でやろうとしても難しい。私は企業の社長の記者会見トレーニングも行っていますが、記者の意地の悪い質問に対して、裏では「あいつら、大嫌い!」と言って怒っていても、練習によって、会見場では「いい質問ですね」と、朗らかにかわすのがうまくなります。練習がないと、不祥事の際、記者からの質問にうまく答えられず、「こっちだって寝てないんだよ!」などとつい言ってしまったりするのです。

だから、家庭で役割を決めて練習するのもお勧めです。こう言われたら、こう返すと。ご夫婦でゲーム感覚でやってみる。何を言われようといつも朗らかな表情を保ち続ける。嫉妬する側は、不祥事の記者会見と同様、相手が悲しんだり怒ったりするのが見たいのだから、期待を裏切ればいいのです。攻撃しても、何のリアクションもなければ無駄骨になりますから。

気をつけたいのが「いや、そんなことないですよ!」と不快そうに反応すること。本人は謙遜のつもりでも「いや」や「でも」には相手を否定する意味が含まれるので、心理的リアクタンス(反発)の喚起により、相手をカチンとさせやすいのです。

私は企業研修の場では「相手に返事するときは『いや』や『でも』より、『ただ』で返しましょう」と伝えています。出世について嫌みを言われたら朗らかに反応したうえで、「ただ、旦那もすごく大変みたいで、帰りが12時過ぎで」とか「ただ、いつ転勤があるかわからなくて」などと返す。「ただ」の後に、苦労話を付け加えると、相手の溜飲が下がりやすくなるでしょう。

嫌みの言い甲斐がなくなる「暖簾に腕押し」状態が、一番効果があるんです。

【対策】夫婦で想定問答をシミュレーションしておく

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伊東 明(いとう・あきら)
心理学者(博士)
東京心理コンサルティング代表取締役社長。社会心理学を専門として、企業研修や人材教育のコンサルティングを行っている。『「聞く技術」が人を動かす』(光文社)など著書多数。

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(心理学者(博士) 伊東 明 構成=篠原克周)

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