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"紐なしで靴底が本革"の靴が足に最悪なワケ

プレジデントオンライン / 2020年1月8日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawpixel

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第9回は「革靴とスニーカー」――。(全10回)

■長時間歩いても足腰に響かない歩き方

革靴とスニーカーでは、クッション性においてスニーカーのほうが圧倒的に優れています。靴底が硬く、先端が細いトラディショナルな革靴は足に負担がかかります。理想は、見た目はビジネスシューズでウオーキングシューズの機能を持った靴。靴底がゴムでできていてクッション性がある物がいい。これだけでも、疲労が格段に抑えられます。

また、紐のないスリッポンタイプよりも、靴紐や面ファスナーで足を押さえることができるタイプの靴がいい。足を安定させ、最適なフィット感を出すためには、紐などで調整する機能が必要です。

つまり、靴底が本革で硬く、紐のない細身の革靴が、足への負担を考えると最悪。ビジネスマンに一番人気があるタイプの靴が、一番足には悪い靴ということです。

革靴を快適に履くならば、インソールで調整することは、ある程度可能です。市販品のインソールもありますが、自分の足に合っていないと、効果がないばかりか、かえって痛みが生じてしまうこともあります。外反母趾や扁平足といった足の病気であれば、整形外科医が必要と診断した場合には健康保険で、自分の足に合ったインソールを型取りして作ることができます。

■足のアーチを支えるインソール

外反母趾や扁平足がある人には、もともとの中敷きが取り外せることもポイントです。足のアーチを支えるインソールを入れるためには、既存の中敷きを外して、足を矯正できるインソールに入れ替える必要があるからです。中敷きを外さずにインソールを入れてしまうと、靴が窮屈になってしまいます。かといって、大きい靴にインソールを入れても、足にフィットしないので、快適にはなりません。

しかし、インソールと腰痛の関係は医学的にはまだわかっていません。「腰痛にいい靴」「インソールで腰痛を治す」と謳っている商品や整体院に対しては、「エビデンスがない」と腰痛ガイドラインには記載されています。

足の最も大切な機能は、歩行の際に体にかかる衝撃を吸収する「ショックアブソーバー」としての機能です。足が地面についたときの衝撃は、土踏まずのアーチが軽く潰れることで吸収され、衝撃が体に直接に伝わらないようになっています。衝撃がおさまると土踏まずは、速やかに回復して、足全体でクッションの役割を果たします。

靴やインソールはショックアブソーバーの補助として重要です。特にアーチが落ちた扁平足や、アーチが高すぎる凹足といった足では、ショックアブソーバーの機能が落ちているので、適切な靴やインソールがないと体への負担が常にかかることになります。正常な足でも、適切な靴やインソールは、足の負担を軽減するのに役立ちます。

では、どのくらいの高さの足のアーチの支えが必要かですが、それには自分の感覚が一番の指標になります。履いたときに、土踏まずが支えられる感覚を心地よく感じるかどうかを判断して、靴やインソールを選びましょう。

【結論】本革で硬く、紐のない細身の革靴は足腰に響く

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銅冶 英雄(どうや・ひでお)
1994年日本医科大学卒業後、千葉大学医学部附属病院などで勤務。米国ウィスコンシン医科大学留学などを経て、2010年お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニックを開設。

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(銅冶 英雄 構成=伊藤達也 撮影=藤中一平)

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